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伝説的“テレビ画家”の人間関係と権利トラブルを追うNetflixドキュメンタリー『ボブ・ロス:楽しいアクシデント、裏切りと欲』

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伝説的“テレビ画家”の人間関係と権利トラブルを追うNetflixドキュメンタリー『ボブ・ロス:楽しいアクシデント、裏切りと欲』
Netflixオリジナルドキュメンタリー『ボブ・ロス:楽しいアクシデント、裏切りと欲』独占配信中

みんな見てた?『ボブの絵画教室』

どうもアニです。

Netflixオリジナルドキュメンタリー『ボブ・ロス:楽しいアクシデント、裏切りと欲』を観ました。日本でも『ボブの絵画教室』というタイトルで放送されていた人気番組『Bob Ross:The Joy Of Painting』の画家、ボブ・ロスの生涯とその後を追ったドキュメンタリー映画です。

Netflixオリジナルドキュメンタリー『ボブ・ロス:楽しいアクシデント、裏切りと欲』独占配信中

『ボブの絵画教室』は90年代の平日の昼間に観るものがなくて、チャンネルをザッピングしてるとやってたりしてそのまま観てたなぁ、という感じでした。今回のドキュメンタリーを観て、初めて30分番組だったんだと認識しました。毎回、短時間で風景画を仕上げるのが面白くて、そんなに熱心なファンではなかったけど結構好きな番組だったので、このドキュメンタリーもボブ・ロスのいろんなことが知れてとても楽しめました。

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本国アメリカではスゴい人気で、1984年から1994年まで続いた長寿番組だったんですね。しかも毎回なにかモチーフを模写するわけではなくて、ほぼ想像で風景画を30分で仕上げていくんですよ、喋りながら。その手際良さと絵の完成度の高さが人気で長寿番組になったんでしょうね、観てて楽しいし、料理番組とも似てるけど、また何か違った感じで。

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※以下、作品の内容に一部触れています。

息子、画家仲間、プリマ技法の師匠、ビジネスパートナー

このドキュメンタリーを見て、ボブ・ロスに師匠がいるのを知りました。ビル・アレクサンダーという画家で、『ボブの絵画教室』とほぼ同じような番組をずっと前からやっていて、ボブもアレクサンダーと知り合って、彼の所で絵を教わったりしながら絵の道具を売る仕事をしてたんだとか。そしてアレクサンダーが使う“プリマ技法”という技法を習得。この技法は昔から使われる絵画の技法の一つで、印象派で使われてる伝統的な技法だそうです。

師匠のアレクサンダーはスゴい元気で、エネルギッシュな感じで絵を描いていくスタイルなので、ボブは逆にソフトで恋人に語りかけるような優しい語りで絵を描いていくスタイルにした、という話が面白い。それが結果的に主婦層に人気が出て、番組が長く続いたんではないでしょうか。

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そういえば昔、ニューヨークのスタジオでテレビ見てたら『ボブの絵画教室』が始まって、ちょっと感動しました。「やっぱアメリカでも人気あんだなぁ」と思ったような。ボブ・ロスはMTVとかに出たりもしてたみたいです。

そんなボブを駆け出しの画家の頃からサポートしていたのがコワルスキーという夫妻で、最初のうちはビジネスパートナーとしてうまくいっていたんだけど、成功してビジネスが大きくなっていくと、その関係がこじれていくんですよね、よくある話ですけど。

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ボブ自身はとてもピュアで人々に絵を描く楽しさを伝えて、その人が笑顔になるのを見るのが好きな人だったんだけど、それが商売になると見抜いたコワルスキー夫妻はボブを利用したビジネスを展開していって、ボブの身内(息子や助手をしていた画家仲間)との間に軋轢が生まれていくんですが、そんな中、ボブの体が病に蝕まれていることがわかるんですね。

それでもボブはテレビのシリーズを続けて、そして1995年に52歳の若さで他界してしまいます。でも、その時の死亡記事のボブの肩書きが“テレビ画家(Painter On TV)”というのが、ボブらしくてちょっと良かったです。

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絵を描く楽しさを伝えたかったボブを襲う残酷な現実

ボブの死後、名前を冠したビジネスをコワルスキー夫妻が全て独占してしまい、息子とボブの友人が訴訟を起こすんですけど負けてしまうんですね、裁判資金が足りなくて。それで、このドキュメンタリーを作ったみたいなんですが、コワルスキー夫妻が立ち上げたボブの残した作品とか、名前のついた絵画用品を管理する<Bob Ross Inc.>とも揉めてるみたいです。

この作品にも関係者に出演オファーを出したんですけど、コワルスキー夫妻を恐れてなかなか出てもらえなかったみたいです。多分、夫妻側にも、ボブの残した素晴らしいものを後世に伝えたいとか、言い分があるんだろうし。

Netflixオリジナルドキュメンタリー『ボブ・ロス:楽しいアクシデント、裏切りと欲』独占配信中

ボブ自身は人々に絵を描く楽しさを番組を通して伝えたかっただけなのに、それが巨大なビジネスになってしまい、ボブがいなくなった後に残された人たちがそれでいがみ合ってるのって、なんだかなぁと思わせるドキュメンタリーでした。ボブ自身はとてもいい人なだけに、余計にそう感じました。

ちなみにYouTubeに公式チャンネルがあって『ボブの絵画教室』(英語版のみ)は見られるみたいです。では、また。

Netflixオリジナルドキュメンタリー『ボブ・ロス:楽しいアクシデント、裏切りと欲』独占配信中

文:ANI(スチャダラパー)

『ボブ・ロス:楽しいアクシデント、裏切りと欲』はNetflixで独占配信中

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『ボブ・ロス:楽しいアクシデント、裏切りと欲』

絵を描く楽しさを教えることで世界中の人に幸せを運んだ画家、ボブ・ロス。だがその事業をめぐる激しい争いが、彼が描いた“ステキな木”に暗い影を落とす。

制作年: 2021
監督:
出演: