「東リベ」超豪華キャストで実写化!
2017年から週刊少年マガジンで連載中の「東京卍リベンジャーズ」(和久井健「新宿スワン」ほか)は、“ヤンキー×タイムリープ”という斬新な設定で累計発行部数1000万部を突破した超人気コミック。社会の底辺で生きていたヘタレな主人公タケミチが、かつての恋人を救うために自身の黒歴史=高校時代で、命がけの“リベンジ”に挑む……というストーリーだ。
そして2021年、超豪華キャストによる実写版『東京リベンジャーズ』が7月9日(金)より公開。タケミチを演じるのは、いまもっとも忙しい若手俳優の一人として知られる北村匠海。また、物語の鍵を握る東京卍會(トーマン)のNo.2としてカリスマ的な強さを誇る“ドラケン”こと龍宮寺堅を山田裕貴、死んでしまった姉=ヒナ(今田美桜)を救うため現代で奔走する警官の橘直人を杉野遥亮、そしてトーマンのNo.1でありタケミチの人生に大きな影響をもたらす“無敵のマイキー”こと佐野万次郎を吉沢亮が演じる。
さらに、タケミチの親友だったアッくん=千堂敦を磯村勇斗、かつてタケミチたちを奴隷のように扱い人生を狂わせた番格のキヨマサ=清水将貴を鈴木伸之、トーマンの弐番隊隊長ミツヤ=三ツ谷隆を眞栄田郷敦、そのトーマンと敵対する愛美愛主(メビウス)に所属する謎の男・ハンマ=半間修二を清水尋也、愛美愛主の幹部でありながらマイキーに激しく執着するキサキ=稀咲鉄太を間宮祥太朗など、主要キャストを演じるのは主役クラスの人気・実力を誇る俳優ばかりだ。
キャラへのシンクロ度と熱演がハイライトを量産
ファンが多いコミック原作だけに実写化には相当なプレッシャーもあったはずだが、結果から言うと本作は大成功の部類に入るだろう。登場人物の設定を中学生から高校生へ変更したによってリアリティはむしろ増しているし、描かれるのは原作第4巻までの物語ということで、サブキャラを一部省略しスピーディーな展開で緊張感をキープ。先述したキャスト陣の魅力を最大限引き出すことにより、非コミックファンの“観てから読む”欲求を引き出すことにも成功している。
原作のキャラクター描写をリアルに再現している点も素晴らしく、00年代のヤンキーを“短ラン・ボンタン・リーゼント”で描く古臭さなども、特に「ビー・バップ・ハイスクール」「特攻の拓」「クローズ」などのヤンキーコミックを通過してきた世代には違和感なし(さすがにドカンを履いたヤンキーは確認できなかったが)。
なかでも、ドラケンを演じた山田裕貴は実際よりも身体がひと回りデカく見えるほどの存在感を放っていて、原作序盤屈指の名台詞「下げる頭持ってなくてもいい、人を想う心は持て」のシーンは号泣必至だ。
もちろんタケミチ役の北村匠海が(ときおり自虐している)“死んだ目”を最大限発揮した“ヘタレの覚醒”シーンはブチ上がること間違いなしだし、実写版『キングダム』(2019年)で若き王・嬴政を演じた吉沢亮だけに、どこか浮世離れしたマイキーの空気感を見事に自分のものにしていて、その危険な美しさには思わずため息が漏れる。また、磯村勇斗が演じた“闇堕ちアッくん”の禍々しくも哀しげな迫力も素晴らしく、彼と北村のエモーショナルな掛け合いのおかげで、このシーンは本作のハイライトのひとつと言っても過言ではない。
ちなみにBANGER!!!執筆陣の一人でもある俳優・松㟢翔平も、キヨマサ軍団の一人としてがっつり出演。改造学ランから特攻服までバッチリ着こなし、自前の歯抜けフェイスを最大限活用して凶悪なヤンキーを演じている。本人いわく撮影現場は最高の雰囲気だったとのことで、先輩~同世代の俳優たちが大集合した本作の撮影が大いに刺激になったそうだ。
続編はあるか!? まだまだ終わってほしくないリベンジ物語
多くの人が一度は夢想する“高校から人生やり直したい”という願望を描いてもいる本作。タケミチのヘタレっぷりには度々イラつかされるかもしれないが、もちろん彼は読者/観客の分身でもある。叱咤したくなるほど無様な彼の姿は、これまでの人生で躓いたり転げ落ちそうになったりしてきた、その時々の私たちの姿を象徴しているのだ。
人生で唯一の恋人を救うための戦いが、やがて自分の人生そのものに対するリベンジへと繋がっていく――。ヤンキー×タイムリープというアイデアの枠を超え、さらに大きな広がりを見せる『東京リベンジャーズ』。原作ではますます過激に壮絶に物語が転がっていくので、少し気が早いが実写版の続編にもぜひ期待したいところだ。
『東京リベンジャーズ』は2021年7月9日(金)より全国公開
『東京リベンジャーズ』
負け犬フリーター=タケミチの元恋人ヒナタが殺された。事件を知った翌日、タケミチは駅のホームから転落、目覚めた先はなんと10年前――負け犬人生を歩むきっかけとなった最悪の高校時代にタイムリープしてしまった。
もう一度繰り返される、あの頃。最悪の過去でようやく見つけたヒナタを救う唯一の方法は、ヤクザも恐れる危険な組織“東京卍會”を消滅させること。
熱い仲間たちとの出会いの中で、ヒナタを救うため、逃げ続けた人生を変えるため、タケミチは弱虫だった“過去”の人生にリベンジし、“今”を変えられるのか?
制作年: | 2020 |
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監督: | |
出演: |
2021年7月9日(金)より全国公開