還暦超えのジャッキーが国際テロリストと対決!
まずは、2021年もこうしてジャッキー・チェンの新作映画が見られることを喜びたい。韓国映画が話題になる一方、今の日本は中国・香港のアクション映画には厳しい時代。そんな中でもジャッキーのサービス精神は変わらない。
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いや、アクション引退宣言とか何回かしてなかったか……という気もしますが、それはまあいいじゃないですか。今回もばっちりアクション決めてます。もうジャッキーも60代、というかあと数年で70歳。それでも殴って蹴って飛んで、である。ありがたいありがたい。
『ポリス・ストーリー3』(1992年)からの名コンビ、スタンリー・トン監督と組んだ最新作『プロジェクトV』でジャッキーが演じるのは、民間の国際特殊護衛部隊ヴァンガードのボス。若いメンバーを引き連れてテロリストと闘うことになる。
コミカルなジャッキー・アクションを継承した若手キャストにも注目!
ジャッキー映画の常で、ストーリーはそんなに気にしなくて大丈夫。とにかく見せたいのはアクションであり、我々が見たいのもアクション。需要と供給が一致している。
今回はヤン・ヤン、アレンといった若い出演者の出番が多く、ジャッキーは要所を締める感じ(と言っても、いわゆる“顔見せ”ではないのでご安心を)。さすがにジャッキー出ずっぱりとはいかないんだけれども、『カンフー・ヨガ』(2017年)に続いて出演のムチミヤが素晴らしい美しさと強さを見せてくれるのを初め、若手が頑張るから映画も盛り上がる。
レジェンドレスラーと新鋭が組んだプロレスの6人タッグマッチのようだと言ったらプロレスファンには分かりやすいかも。その新鋭たちのアクションにも、コミカルなジャッキーの味が継承されている。
実際、映画の中でのアクションシーンが占める割合は大きく、それぞれの見せ場も大がかり。ロンドン、アフリカ、ドバイと場所を変えつつ、観光風味もたっぷり。カーアクションあり急流川下りバトルあり、奇想天外な秘密兵器が出てきたかと思えば戦闘機まで。映画が進むにつれてどんどんスケールがデカくなっていく。
ジャッキーが足関節を極める!?
今や映画の格闘シーンにMMA(総合格闘技)が取り入れられるのは珍しくないが、本作ではジャッキーが足関節技を使うのが印象的だ。実はここ数年、格闘技界では技術革新によってアキレス腱固めやヒールホールドといった足関節技が脚光を浴びている。
その流れがジャッキーにも届いたのかと思うと、格闘技好きとしてはそれもまた感慨深い。ジャッキーがここにきて新しい動きを取り入れているというのも凄いことだ。
『VANGUARD』という英語タイトルを変え、ジャッキー映画の歴史を踏まえて展開した日本での宣伝も好感触。もちろん、エンドクレジットのアレもお見逃しなく。
文:橋本宗洋
『プロジェクトV』は2021年5月7日(金)より全国公開
『プロジェクトV』
トン・ウンテンによって設立された“ヴァンガード”は、世界中のクライアントにセキュリティサービスを提供する民間の国際特殊護衛部隊。旧正月を迎えたロンドンのチャイナタウンで、“ヴァンガード”のクライアントである実業家チョン・クォックラップが誘拐される。チョンを救出するため、トンはヴァンガードのメンバーであるロイ・ジャンユー、チョン・ホイシュン、ミヤを派遣する。一方チョンは、ビジネスパートナーのマシムが実は中東の過激派の首領であることに気付き、ロンドン警察に通報していた。マシムが米軍の攻撃によって殺されると、マシムの息子のオマルはチョンを捕らえるよう命じる。チョンはマシムの莫大な財産の在り処を知っていたのだ。
ヴァンガードに救出されたチョンは、疎遠になっている自分の娘で野生動物保護活動家のファリダも守ってほしいと懇願する。ヴァンガードはより大きなチームを組んでアフリカへ飛ぶことになる―。
制作年: | 2020 |
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監督: | |
出演: |
2021年5月7日(金)より全国公開