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やっぱりジャッキー映画は石丸ボイスで観たい!『レッド・ブロンクス』はアジア映画で初めて全米No.1興収を記録した金字塔

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ライター:#高橋ターヤン
やっぱりジャッキー映画は石丸ボイスで観たい!『レッド・ブロンクス』はアジア映画で初めて全米No.1興収を記録した金字塔
『レッド・ブロンクス』© 1996 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

ジャッキー・チェン、ハリウッド進出の道

20世紀最大のアクション映画スターの一人、ジャッキー・チェン。アジア全域で絶大な人気を誇っていたジャッキーと所属会社のゴールデン・ハーベスト社の悲願は、ハリウッド進出であった。

https://www.instagram.com/p/BsyLbNshm7k/

ライバル会社からジャッキーを引き抜いたゴールデン・ハーベスト社は『ヤング・マスター/師弟出馬』(1980年)を大ヒットさせると、即座にジャッキーをアメリカに送り込み、『燃えよドラゴン』(1973年)のロバート・クローズ監督とタッグを組ませて『バトルクリーク・ブロー』(1980年)を制作した。

しかし『バトルクリーク・ブロー』はヒットには程遠い結果となり、さらに続く20世紀フォックス社とゴールデン・ハーベストの共同制作のオールスター映画『キャノンボール』(1981年)は大ヒットしてシリーズ化されたものの、ジャッキーはあくまでも助演扱い。ジャッキーの最初のハリウッド進出は失敗に終わった。

https://www.youtube.com/watch?v=1ohSQSrY_Xw

続いてワーナー・ブラザースとゴールデン・ハーベストの合作で、『エクスターミネーター』(1980年)のジェームズ・グリッケンハウス監督の『プロテクター』(1985年)に主演。しかし映画の方針をめぐって、グリッケンハウスとジャッキーが対立。ジャッキーは私財を投じてスタッフとキャストを再雇用して追加撮影を行い、結果としてアメリカで公開されたグリッケンハウス版とそれ以外の国で公開されたジャッキー版の2バージョンが存在する珍作となった。当然のごとく中途半端な出来となった『プロテクター』は、興行的にも評価的にも惨敗してしまう。

それから10年、『酔拳2』(1994年)でカンフー映画にケリをつけたジャッキーが、改めてゴールデン・ハーベスト社と共に三度ハリウッドに挑戦したのが、本稿で紹介する『レッド・ブロンクス』(1995年)である。

『レッド・ブロンクス』
価格:Blu-ray ¥2,619(税込)/DVD ¥1,572(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
© 1996 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

ジャッキーが木人椿を打つシーンは胸アツ!

ニューヨークのブロンクスに住む叔父の下を訪れた香港の刑事がギャング団と戦う本作は、『ポリス・ストーリー3』(1992年)でジャッキーから全幅の信頼を得ていたスタンリー・トンがメガホンをとり、カナダのバンクーバーで撮影された作品。ジャッキーはクライマックス前のホバークラフトに飛び乗るシーンで足を骨折しており、ギプスに靴の絵を描いてそのまま撮影を続行するほど本作の完成に全力を注いでいた(ジャッキーが木人椿を打つシーンは胸アツ!)。

『レッド・ブロンクス』© 1996 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

本作はキャスト的にも豪華。後に子宮頸癌で40歳の若さで急逝するアニタ・ムイが『酔拳2』に続いてヒロインを演じ(『酔拳2』ではジャッキーのお母さん役だが実質ヒロインです)、本作で本格的に女優デビューしたフランソワーズ・イップ、俳優兼競馬評論家兼調教師のトン・ピョウなど、ジャッキー映画でお馴染みな面々からニューカマーまでバラエティ豊かなメンバーが勢揃いしている。

『レッド・ブロンクス』は香港でも大ヒットを記録したが、何よりも全米興行収入初登場1位を記録した記念碑的な作品である。これはアジア映画初の快挙であり、ジャッキーとゴールデン・ハーベスト社の悲願が成就した瞬間であった。これを機に「知る人ぞ知る」映画俳優だったジャッキーのアメリカにおける認知度が上昇。『ラッシュアワー』(1998年)や『シャンハイ・ヌーン』(2000年)といったハリウッド大作の主演へと繋がっていくことになる。

ジャッキーの吹替声優といえば? もちろん石丸博也!

さて今回、本作はCS映画専門チャンネル ムービープラスの「特集:24時間 吹替ざんまい! 人気声優大集合!」で放映されるのだが、ジャッキー映画の日本語吹替といえば石丸博也。もうすでに40年以上にわたって、ジャッキーが出演するありとあらゆる作品で吹替えを担当し続けているレジェンドだ。

『レッド・ブロンクス』についても存在する3つのバージョンの吹替えをすべて石丸が担当しているが、今回放映されるのは珍しいアメリカ公開のバージョン(少しコンパクトに編集したバージョン)。ジャッキーは石丸、アニタ・ムイは本田貴子、フランソワーズ・イップは弓場沙織という、安心・安定のボイスキャスト陣となっている。

『レッド・ブロンクス』© 1996 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

ちなみに、同特集では他にクリス・へムズワース&テッサ・トンプソンの『メン・イン・ブラック:インターナショナル』(2019年)、ハ・ジョンウの『神と共に』シリーズ(2017~2018年)、レオナルド・ディカプリオの『ザ・ビーチ』(1999年)、トム・クルーズの『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(2017年)といった作品が吹替版で放映されるので、他作品も是非チェックして頂きたい。

文:高橋ターヤン

『レッド・ブロンクス』【地上波吹替版】はCS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:24時間 吹替ざんまい! 人気声優大集合!」で2021年3月28日(日)放送

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『レッド・ブロンクス』【地上波吹替版】

香港のクーン刑事は、スーパーマーケットを営む叔父の結婚式に出席するため、NYのブロンクスにやって来た。店に“保護料”と称して金をせしめに来た不良たちと一悶着繰り広げたクーンは、その背後に存在するダイヤ密売シンジケート“ホワイト・タイガー”に命を狙われるハメになり……。

制作年: 1995
監督:
出演:
吹替: