清水崇監督最新作 「恐怖の村」シリーズ第2弾
桜、相撲、忍者などと並び、日本を象徴するものとして挙げられるのが富士山。古来より信仰の対象になっていたりと、とんでもない霊峰でもあります。しかし、その裾野に広がる「青木ヶ原樹海」は自殺の名所として大変ネガティブな意味でも名高いですよね。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年)や『エレファント』(2003年)などで知られるガス・ヴァン・サント監督は、アメリカからわざわざ樹海へ自殺をしにくる男性(演じたのはマシュー・マコノヒー)を描いた『追憶の森』(2015年)という映画を撮っていたりするほどです。
そんな富士の樹海を舞台に、『犬鳴村』(2019年)の大ヒットが記憶に新しい清水崇監督による、「恐怖の村」シリーズ第2弾が登場。その名も『樹海村』!
一定世代のオカルト好きは無条件に反応してしまう「コトリバコ」の怪
『犬鳴村』の舞台となった福岡県の犬鳴峠、犬鳴トンネルと同じく、本作の舞台である樹海にも「自殺の名所」ということ以外に数多くの噂、都市伝説、怪談が存在するのは周知の通り。もし「知らない!」という人は、ネットでいますぐ検索してみてください。「踏み入れたら最後、出られない」なんて御伽噺チックな話から、「コンパスが狂う」、「謎の新興宗教施設がある」、「自殺に訪れたが死にきれなかった人々で作られた村がある」など、噂話は無限に出てくるはず。本作ではそんな樹海にまつわる噂話のほかに、なんと最強ネット怪談として知られる「コトリバコ」要素も緊急参入!
「コトリバコ」……30歳オーバーのオカルト好きにとっては懐かしさすら感じるワードじゃないでしょうか。「呪いたい相手に送ると、その相手が死に至る箱」にまつわるお話で、「コトリ=子取り」ということで、1860年頃にいわゆる“間引き”をしていたとある集落の悲劇にまで遡ったりするのですが、2005年ごろに2ちゃんねるに投稿され瞬く間に広まりました。
『樹海村』は、そんな呪殺の道具コトリバコが家の軒下から見つかる! という緊急事態からスタートし、その発見者でいち早くコトリバコのヤバさに気づいたオカルト好きの引きこもり・天沢響(山田杏奈)を中心に、響の姉である鳴(山口まゆ)、そして彼女らの身の回りの人物たちを巻き込んで不可解な事件が連続して勃発!
アーサー・マッケン、H・P・ラヴクラフト、諸星大二郎からの影響も?
『樹海村』というタイトルからは、とてもじゃないが想像できない複雑怪奇な物語運びを見せる本作。樹海へ踏み込んで失踪したYouTuberや『哭声/コクソン』(2016年)のように樹海周辺をウロウロする謎の國村隼! などなど、登場人物が多く時系列も異なるため混乱するかもしれないですが、そんなあれやこれやはラストで一応の収束を見せてくれます。 そして「血筋」にまつわるお話という点では『犬鳴村』と通じるところも。加えて清水崇監督の持ち味のひとつとも言える、目にこびりつくイヤ~な死に様は今作でも健在でしたのでご安心(?)を。
そんな本作、観賞後に思い出したのはアーサー・マッケンの「パンの大神」や「白魔」、それらからの影響を受けたH・P・ラヴクラフトの著作、そしてやはり日本が舞台という点では諸星大二郎的でもあるんですよね。人間ではとうてい敵わない「自然」という存在への畏怖が描かれる怖くて美しいラストは、コロナ禍の今だからこそ迫るものがあるはずです。
文:市川力夫
『樹海村』は2021年2月5日(金)より全国公開
\#インタビュー& #プレゼント//#山田杏奈&#山口まゆ ○○のシーンで号泣!?#清水崇 監督から学んだ“恐怖演技”の奥深さとは?
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