新型コロナウイルスによる逆風の中、興行収入14億円のスマッシュヒットを叩き出し、大いに話題を集めたホラー映画『犬鳴村』(2020年2月公開)。実在する心霊スポットを舞台にしたリアルなストーリーで多くのホラー映画ファンの心を掴んだ「恐怖の村」シリーズから、『犬鳴村』に続く第2弾が早くも登場した。
今度の舞台は、日本人なら誰でも知っているであろう“自殺の名所”である富士の樹海。そこに、インターネット上で「絶対に検索してはいけない」と噂される<コトリバコ>の逸話を掛け合わせた最新Jホラー『樹海村』が、2021年2月5日(金)から公開される。
ある日、封印されていたコトリバコを見つけてしまった響(山田杏奈)とその姉・鳴(山口まゆ)。時を同じくして、樹海で行方不明者が続出する。コトリバコと樹海には、どんな因果関係があるのか? 果たして、恐怖の連鎖を終わらせるすべはあるのか……。
史実に根差した恐怖に斬り込みつつ、そこにエモーショナルな姉妹のドラマを織り交ぜ、見ごたえあふれる内容に仕上げたのは、『呪怨』(2002年)から『犬鳴村』まで手掛けるホラー映画界のヒットメイカー、清水崇。本格ホラー初挑戦となる山田と山口は、本作や監督からどんな薫陶を受け、何をもたらしたのか。
共に映画好きである若手実力派ふたりの冴えわたる“ホラー論”とともに、映画ファン必読の充実インタビューをお届けする。
ただ怖がらせるだけのホラーじゃない
―『樹海村』に出演が決まった際の、率直な感想を教えてください。
山田:ホラー映画に出演するのが初めてだったので、「ホラーか……大変そうだな」とは思ったのですが(笑)、私は初主演映画が『ミスミソウ』(2017年)でしたので、ダークな映画に縁があるのかなとは思いました。清水監督も『ミスミソウ』を観てくださっていて、うれしかったです。
山口:私も、すごく縁を感じました。今回の役はオーディションだったのですが、実は小学校4年生くらいの時に、清水監督の『ラビット・ホラー3D』(2011年)にエキストラとして参加させていただいているんです。まさか10年越しに、清水監督の作品でW主演させていただけるとは思ってもみませんでした。清水監督からは「今回のスタッフも『ラビット・ホラー3D』と同じメンバーが多いんだよ」とお聞きして、なお一層頑張らなくちゃと気合が入りましたね。
―本作は、スマッシュヒットした『犬鳴村』に続く「恐怖の村」シリーズの続編として、ホラーファンからも大変注目されています。その部分については、いかがですか?
山田:まず、清水監督の『呪怨』を観たときに、「これが様々なホラーの“原点”なんだ」と感じ入る部分がありました。その後に『犬鳴村』を観たら、同じ清水監督作品でも、すごく新しいことにチャレンジしているように感じたんです。
シリーズ第2弾の『樹海村』も単純なホラーではなく、歴史や様々なバックボーンを下敷きにしています。だからこそ様々な角度から楽しめるし、怖がることのできる新しいジャンルのホラーになっていると思います。
山口:ただ怖がらせるだけのホラーにはなっていないですよね。人の怨念や情みたいなものがちゃんと込められていて、物語の中で恐怖を感じられる。『呪怨』の中には“日常の怖さ”も含まれていますが、『犬鳴村』や『樹海村』には、ファンタジーとしての怖さがあるように思います。物語自体に恐怖が塗りこめられていて、ストーリーを観ていくだけでも面白いですし、映画にする意義がすごく詰まった作品たちです。
『樹海村』も、台本を読んでいる段階では「どう映像化するの?」とイメージが追い付かなかった部分もあったのですが、映像で観たらすごく素敵でしたし、「こういうこともあっていいな」と思えたんですよね。ファンタジックなホラーだからこそなしえた、「楽しい」という感覚があります。
恐怖を「表情で見せる」ことに苦心した
―作品を拝見して、おふたりの鬼気迫る表情に圧倒されました。ホラー映画だと、お客さんが「怖い」と思う瞬間を作るために、タイミングの調整や演技の仕方など、様々な特殊な動きが必要かと思います。今回は、どういった風に作っていきましたか?
山田:撮っているときにも、ここは全体から見て何レベル目の怖さにしようか、といったことを考えながら演じていたんですが、レベルの調節はすごく大変でしたね。観ていて「怖い!」と感じているところに、強すぎる声が入っても冷めてしまう。逆に足りていないと「ここはなんでこんなにあっさりしているんだろう」と感じてしまうかと思うので、苦労しました。
―観客のもとに届くのは編集されたものですから、さらに難しそうですね。
山田:そうですね。つながったものを観て、改めてホラー作品の大変さを感じました。悲鳴のバリエーションも、たくさん必要でしたしね(笑)。どういう驚き方をするのか、何に一番驚いているのか……。役者としては台本を読んでいるから全部知っているのに、それをゼロにして演じるのは、新しい体験でした。
山口:私も、すごく苦労しました。実は初日から、人が亡くなるシーンの撮影だったんです。(現場に)インしたての段階でいきなりショッキングな場面を演じなければならなかったので、どうしていいか分からなくなってしまって(苦笑)。人って、驚くと結構黙っちゃうじゃないですか。それを「恐怖」に変換するのもすごく難しかったですし、清水監督からも「ここはオーバーだった」「ここはちょっと少ない」と色々アドバイスしていただいて、作っていきました。
一番テイクを重ねたのは、ネタバレになってしまうので詳しくは言えないのですが、後半にある洞窟のシーンです。そこでは恐怖の表情を見せないといけないのに、別の感情が高ぶってしまって、調整するのが大変でした。清水監督からも「もっと恐怖を出して」と演出いただいたのですが、私の中では大きく感情も表情も動いているつもりだったのが、映像で観ると「顔に出ていない」と思えてしまうんですよね。そうした表情の見せ方、お芝居の見せ方、声の演技といったテクニックの部分は、すごく苦労しました。ちなみに私、この作品の中で後半ほぼずっと泣いているんですよ(笑)。
山田:あれはすごいよね。
山口:そう。その経験のお陰で、いまはどこでも泣けるようになりました(笑)。“究極のところ”に行かなければならない現場だったので、修得できたものは多かったように思います。
取材・文:SYO
撮影:落合由夏
『樹海村』は2021年2月5日(金)より全国公開
\#インタビュー& #プレゼント//#山田杏奈&#山口まゆ ○○のシーンで号泣!?#清水崇 監督から学んだ“恐怖演技”の奥深さとは?
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