ポッタリアンはテレビの前に集合！『ハリー・ポッター』シリーズが金ローで4週連続放送!!

主人公と俳優の成長がシンクロする、記念碑的ビルドゥングスロマン

J・K・ローリングが創作した「ハリー・ポッター」シリーズは、言わずと知れた現代のイギリスを代表する児童文学・ファンタジー小説である。1997年に第1巻がイギリスで出版されるや、またたくまに世界中で翻訳され、2007年の7巻目の最終話まで、1作ごとに記録を更新してきた世界のメガヒット作である。

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— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) October 19, 2020

全体を通してのあらすじは、伯父夫婦の家でいじめられて育った孤児のハリー・ポッター少年が、11歳の誕生日に自分が魔法使いであったことを知り、魔法魔術学校へ入学し、友人たちと魔法を学びながら成長、ついには両親を殺した闇の魔法使いと対決する、というもの。

✨🎊4週連続🎊✨
ハリポタ&ファンタビ祭り#ハリー・ポッターと賢者の石
🏭金曜よる9時🏭

監督･製作総指揮#クリス・コロンバス
脚本:#スティーブ・クローブス
原作:#JKローリング
音楽:#ジョン・ウィリアムズ
出演:#ダニエル・ラドクリフ,#ルパート・グリント,#エマ・ワトソン,#トム・フェルトン pic.twitter.com/nLhND8lcJy

— アンク＠金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) October 19, 2020

もちろん、J・R・R・トールキンの「指輪物語」や、C・S・ルイスの「ナルニア国ものがたり」などのイギリス・ファンタジー小説の伝統の末裔に当たる作品だが、あらすじをざっと聞いただけで、貴種流離譚（本来は高貴な出自を持つ者が、不幸な環境で育ち、試練を受けながら正義を発揮し、最後には栄誉を受ける）ないしは、18世紀末のドイツで発祥したビルドゥングスロマン（自己形成小説。主人公が様々な体験を通して成長していく）が基になっていることがわかる。児童やファンタジーといった修飾を省いた純粋な文学としても正統な系列に連なる作品と言えるだろう。

『ハリー・ポッターと賢者の石』Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc.Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

こんな格好の題材を映画界がほっておくはずはない。映画化にあたっては、乗り気でなかったJ・K・ローリングを説得するために、原作の雰囲気を壊さないよう特別な配慮がなされた。まず、1作目と2作目の監督は、『ホーム・アローン』（1990年）や『ミセス・ダウト』（1993年）などのファミリー映画で知られるクリス・コロンバスに。そして、シリーズ化を念頭に俳優を選んだ。こうして、オーディションによってダニエル・ラドクリフ（1989年生まれ）、ルパート・グリント（1988年生まれ）、エマ・ワトソン（1990年生まれ）の主要3人のキャストを決定。さらに脇をマギー・スミス、アラン・リックマン、ジョン・ハート、ロビー・コルトレーンら、イギリスを代表する蒼々たる名優で固め、以後、最終話まで、ほぼ同じキャストで撮影が行われた（例外はダンブルドア校長を演じたリチャード・ハリスで、彼が2002年に亡くなったため、3作目からマイケル・ガンボンに交代した）。

『ハリー・ポッターと賢者の石』Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc.Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

つまり、巻を追うごとに、登場人物の成長と俳優自身の成長がシンクロする、まさにビルドゥングスロマンを地でいく記念碑的な映画シリーズとなったのである。

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc.Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

原作ファンも歓喜！ ハリポタ人気を不動のものにしたシリーズ初期3作

第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』（2001年）は、ダーズリー家の階段の下で暮らす孤児のハリー（ラドクリフ）の11歳の誕生日に魔法学校からの入学許可が届き、自分が魔法使いであることを知る。ホグワーツ魔法魔術学校に入学し、ロン（グリント）、ハーマイオニー（ワトソン）という友達もできた。だが、飲めば不老不死となる命の水を作り出す“賢者の石”を、自分の両親を殺した闇の魔法使いヴォルデモートが狙っていることを知り、阻止するために闘う。

第2作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』（2002年）は、ホグワーツ魔法魔術学校の2年に進級したハリーと仲間たちが、学校の中に存在する伝説の“秘密の部屋”の謎をめぐって展開する。

第3作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』（2004年）は、3年に進級したハリーと、脱出不可能な牢獄アズカバンを脱獄しハリーの命を狙っているという凶悪犯シリウス・ブラックをめぐって、ハリーの過去がさらに明らかになる。

第3作からクリス・コロンバスが製作総指揮に退き、監督が『天国の口、終りの楽園。』（2001年）のメキシコ人監督、アルフォンソ・キュアロンに交代。原作を忠実に映像に置き換えたコロンバスの正調な演出とは違って、キュアロンは映画的なダイナミズムを取り入れ、“動く絵本”から脱皮させようとした。原作のファンからはさまざまな“改編”に不満も出たようだが、さすがはキュアロン、シリーズで最も意欲的な作品に仕上げている。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc.Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

文：齋藤敦子

『ハリー・ポッターと賢者の石』は2020年10月23日（金）、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』は10月30日（金）、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は11月6日（金）、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は11月13日（金）21:00から日本テレビ「金曜ロードショー」で放送