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ミレニアル世代が注目!話題のヴィンテージTコレクターが鬼才キューブリックを“Tシャツ”で語る

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ライター:#BANGER!!! 編集部
ミレニアル世代が注目!話題のヴィンテージTコレクターが鬼才キューブリックを“Tシャツ”で語る
映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』やセレクトショップ「ジャーナル・スタンダード」とのコラボ等で大注目のヴィンテージTシャツ専門Webショップ「ANYTEE」。ストリートカルチャー愛が詰まった「ANYTEE」代表の9brickさんが、ヴィンテージTシャツを交えて敬愛するキューブリックの世界を語ってくれた。

 中学時代『時計じかけのオレンジ』を母親と自宅で見てしまった(笑)

-ヴィンテージTシャツ専門のウェブショップ「ANYTEE」を立ち上げたきっかけは?

25年間、ヴィンテージTシャツのコレクターだったんです。ある日、普通の古着屋さんよりも自分が詳しいと実感したんですよ(笑)。数年前にコレクターから販売にシフトしたんです。ショップ名は、いろんなTシャツを楽しんで欲しいという思い込めてANYとつけました。ANYTEEでは、映画、音楽、スケートのヴィンテージTシャツを中心に販売しています。 特に70〜90年代のmade in USAの古き良き時代のデザインが美しいTシャツにこだわって集めています。

-ヴィンテージTシャツについて詳しく教えてください。

ANYTEEでは、70~90年代前半の約25年間に制作されたアメリカ製のボディのものをヴィンテージTシャツと定義しています。ヴィンテージTシャツの価値はデザイン性、希少性、その時の需要によって決まります。ヴィンテージファッションが流行っているミレニアル世代に人気なのは、80-90年代に活躍したソニック・ユース、ニルヴァーナ、ジャミロクワイなどのヴィンテージTシャツです。ミレニアル世代が支持する日本のアーティストがこの時代の音楽に影響を受けていることが多いようで、好きなアーティストを介してこの時代の音楽を知ったようです。今後は、大ヒットした『ボヘミアン・ラプソディ』の影響で、若い世代にも60-70年代に活躍したクイーン、キッス、ローリング・ストーンズなどのヴィンテージTシャツが注目されるかもしれません。

-映画とヴィンテージTシャツの関係性を教えてください。

昔から映画のプロモーション用にTシャツが作られています。1990年代か2000年代ぐらいまでは版権的にも大らかでユニークなものが多いんですが、最近は権利関係が厳しくなったのでダメですね。ネットが普及する前のほうがデザインの自由度がもっと高く面白いものが多いですね。それは映画だけでなく、バンドTもそう。なかなか欲しいものが出回らなくなりましたね。俳優さんの写真を気軽に使うことも出来なくなっていて、ロゴのTシャツばかりです。

-子供の頃から映画をよく観ているそうですが、どういう映画を観て育ちましたか?

親父がヤクザ映画と寅さんが好きなので、高倉健の『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』(1966年)とか、菅原文太の『トラック野郎』シリーズ(1975年~)とか。どっちかって言うと、ケンカとか血が出る感じの、任侠ものを観て育ってるんですよ。

中学生の頃は、地元、葛飾の金町にローカルなビデオ屋があったんで、そのビデオ屋によく行ってました。いま考えるとマニアックな、ホラー映画とかスプラッター系がひとつの棚で400本くらいあったんですけど、それを全部観ました。

-9brickさんの名前の由来ともなっている、キューブリック作品との出会いは?

あの頃は3本1,000円で借りられたんで、毎週土日になると家族でビデオ屋に出かけて、親が2本、「お前、何にする?」って子どもが1本選んで、その中の1本が『時計じかけのオレンジ』(1971年)だったんです。怖い系の映画を探している流れで、『時計じかけ~』を見つけて、パッケージに「◯◯バイオレンス!」って書いてあったから、バイオレンスもののホラー映画だと思って借りたんですよね。『時計じかけ~』を初めて観たとき衝撃的な物語や演出にすごい興奮しました(笑)。

-特にご自身の人生に影響を与えた作品はありますか?

たしか、そのビデオ屋にキューブリックのコーナーがあったんですよ。そこでキューブリックの映画を観るようになって、『時計じかけのオレンジ』のほかに『フルメタル・ジャケット』(1987年)や『2001年宇宙の旅』(1968年)が特に好きで、その3本に影響を受けましたね。映像の美しさや人間の狂気に惹かれました。

-今回は、9brickさん自身のコレクションからキューブリック作品をイメージするTシャツをセレクトして頂いています。選んだ理由を教えて頂けますか?

こちらは『時計じかけオレンジ』のやつなんですけど、今めちゃくちゃ高くて。買うと3万円ぐらいします。黒ボディで大判で、プリントもサイズも大きくて状態も良いものですからね。キューブリックの映画のヴィンテージTシャツってそもそも少ないんですよ。僕もいまは1枚くらいしか持ってない。

『時計じかけ~』でキューブリックと出会って、『プラトーン』(1986年)とかの戦争ものも好きだったので、『フルメタル・ジャケット』も気になって観ました。前半と後半でガラッと違うし、面白かった。『フルメタル・ジャケット』と言えば、エンディングのローリング・ストーンズの曲「黒くぬれ!」がかっこいいですね。このストーンズのヴィンテージTシャツはめちゃくちゃ珍しい。ストーンズは、1960年代前半に結成したバンドで、舌をモチーフにずっとバンドTを作っているんですが、たぶんこのときってまだ舌のTシャツなかったんです。これは、1975年のアメリカツアーの際に作られたもので、イギリスのバンドのストーンズが全米を飛び回ったというデザイン。額に入れて飾るレベルの貴重なTシャツですね。

『フルメタル・ジャケット』と言えば、新兵の過酷な訓練が印象的です。このARMYのTシャツは米軍の練習着です。面白いのが、これはChampion(チャンピオン)のタグが付いているんですよ。僕が持っているARMYのTシャツの中で一番古いですね。兵士たちやその家族が売ったものだと思いますね。あとは、軍からの放出で、着なくなったものが大量に出回っているって可能性もありますね。ARMYのTシャツ自体は大量に流通しているものの、Champion版は珍しいですね。

そして、最後は『2001年の宇宙の旅』で、猿繋がりの『猿の惑星』Tシャツ。『2001年宇宙の旅』を観たとき、1回目はよく分からなかったんですよ。大学生のときに小山田圭吾が「『2001年~』が好きだ」ってラジオか何かで話していて、それで気になって観返しました。骨をポーンと投げた瞬間にそれがパッと宇宙船に変わるシーンを改めて観ると、繋ぎとか、あの静寂さとか、すごく美しいなあと。「この人はなんて賢い映画監督なんだ」と思って、定期的にこの作品を観るようになったって感じですね。

再注目を浴びる90年代カルチャー!ポップアップストアに急げ!

「神南坂JOURNAL STANDARD」ANYTEEポップアップストア

ヴィンテージTシャツのコレクターが運営するWebショップ“ANYTEE”と、カルチャー雑誌のコレクターが運営する本屋“tuneless melody”のコラボレーションが実現!90年代カルチャーをコンセプトに、ヴィンテージ のTシャツ、アウター、デニム、スニーカー、雑誌を100点以上ラインナップしたポップアップストアが、神南坂JOURNAL STANDARDで2019年1月25日から3月6日(水)まで開催されています。気になるTシャツを試着したい方はぜひお店へ。そして、4月3日(水)~23日(火)からはラフォーレ原宿でのポップアップストアも開催予定!

本記事で紹介したTシャツは、公式サイトまで。

※本記事に掲載したTシャツは売り切れの場合がございます。予めご了承の上、ANYTEE公式サイトよりお問い合わせ下さい。

今回、取材にご協力頂いたANYTEE代表9brickさん!

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