スケーターのありのままの姿をフィルムに収めた青春映画『STAND STRONG』。プロスケートボーダー・岡田晋による原作を映画化した本作で主人公を演じるのは、いま最も注目される若手スケーターの中田海斗、 佐川涼、松本崇、日高大作レイの4人。作品タイトルに込められた意味、そしてスケートに対する想いを語ってもらった。
「本当に“スケーターのオールキャスト”という感じ」
―撮影現場の雰囲気はどんな感じでしたか?
佐川:みんなで和気あいあいと楽しくできましたよ。実は途中で出てくる警備員の人も、上田豪さんっていうトップスケーターで、コンテストのMCとしても有名な人なんです。自分もよく顔を合わせている間柄なので、そういった人選も撮影がさらに楽しく感じたひとつの要素ですね。この作品は本当にスケーターのオールキャストという感じなので、コンテストのシーンとかをよく見ると、一瞬だけかもしれないですけど「みんな出てるんじゃないの!?」ってくらい、いろんな人が出てます。なので、よくスケートイベントに顔を出している人やスケーターの知り合いが多い人は、どこに自分や知り合いが出てるか探してみるのも面白いと思います。
―ロケ地は全て実在するショップやスケートパークで、なかにはローカルスポットだったり普段から顔を出すショップもあると思いますが、そこで映画を撮るというのはどういう気分でしたか?
中田:自分は柳島とか地元での撮影もあったんですけど、特に地元だから思い入れが強いとかってことは全くなくて、とにかく流れがよくてスムーズに見えるようにトリックを構成することを意識してましたね。あとは「PRETTY SHRED」も実際にあるスケーターのイベントなんですけど、それをやってる<HARLEM>にはちょくちょくプライベートでも遊びに行ってるので、そういった面でも特に緊張することもなく自然な感じでできたかなと思います。
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「現実の世界で起こったことがそのまま映画になった」
―本作に関わっているのは、池田幸太さんや阿部直央さんといった皆さんの先輩ライダーだけでなく、フィルマー(撮影者)やチームマネージャーなども実際に業界で働いてる方々ですね。
中田:もちろん一緒にできて楽しかったですよ。<Element>のチームマネージャーの(村田)鉄生くんから声をかけてもらうっていうシーンがあったじゃないですか。実は僕、一番最初のスポンサーが<Element>だったんですよ。しかも実際に鉄生くんから声かけしてもらって初めてのデッキスポンサーが付いたっていう思い出があるので、現実の世界で起こったことがそのまま映画になっちゃったのは、やっぱり感慨深いですよね。それに、鉄生くんが出てくる時のテロップも“伝説のスカウトマン”とか書いてあって、試写会で見たときに思わず笑っちゃって(笑)。そういうノリもスケーターらしくて良いなと思いました。あとは柳島の純也くん(※1)がとにかく最高!
※1:中田海斗の先輩にあたる湘南のスケーター。“junyafire”の愛称でお馴染みの業界のムードメーカー的存在で、個性的なキャラクターで人気を博している。
―では、作品中の思い出深いシーンや大変だったシーンをそれぞれ教えてください。
中田:自分は幸太くんにガン詰めされるシーンが思い出深いですかね(笑)。普段のスケートボードのビデオ撮りだったら絶対にありえないシーンだし、そういう尊敬する先輩たちとのいままでにない絡みが新鮮で、ある意味おもしろかったです。
佐川:シーンで言えば、お台場のストリートでステアをハードフリップで跳んだ時が大変でしたね。あの時は一人でやらなきゃいけなかったんでモチベーションが保ちづらかったんですよ。それであの大きさを跳ぶのはかなり辛かったです。実際に途中で転んでカカトを打っちゃって。相当痛かったんですよ、あれ(笑)。
日高:大変だったのは駒沢公園で滑るシーンですね。みんなが言う通り真夏で暑くて大変だったので。やっぱり寝不足で真夏に撮影なんてするもんじゃないですね(笑)。あとは海斗がクラブで遊んでるシーンとかは、意外と周りの友達が出てて、ノリがいつもと全く変わらなくておもしろかったです。
松本:自分は涼の演技が上手かったことが印象的でしたね。最初の頃は照れがあったと思うんですけど、撮影が進んでいくうちに「こいつ意外と才能があるじゃん!?」って。でも、こんなこと言うと調子に乗っちゃうんで控えめにお願いします(笑)。
「自分を奮い立たせる原動力ってなんだろう」
―『STAND STRONG』というタイトルにはどういった意味が込められているのでしょうか?
佐川:この言葉は直訳すると「奮い立つ」とかそういう意味なんですけど、スケーターを表現するにはピッタリの言葉だと思うんですよね。実際に映画を観てもらえれば分かりますけど、スケーターは何度転んでも何度痛い思いをしても、起きあがってメイクするまでトライし続ける、そんな存在なんです。この作品を観ると、スケートボードにはそこまで人を奮い立たせる魅力があるんだなって改めて感じますし、そこはスケーターじゃない人が観たとしても、“自分を奮い立たせる原動力ってなんだろう?”って考える良い機会にもなると思います。Instagramでハッシュタグ「#スタンドストロング」で検索すると、この映画の関係者やいろんな人たちの“自分を奮い立たせる原動力”が見られるので、ぜひチェックしてみてください。
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―本作の原作者であり、まとめ役でもある岡田晋さんにメッセージはありますか?
佐川:晋くんとはいままで全然関わったことなかったんですけど、この映画をきっかけにいろいろ話すようになりました。もともとプロスケーターでアメリカで活躍していた人なので、映画以外にもスケートボーダーとしての活動のこととか、いろいろ相談に乗ってくれました。映画とは直接的に関係のないところまでアドバイスをくれたり、感謝しかないですね。どうもありがとうございます!
日高:俺もいままで晋くんと関わったことはなくて、この作品を機に関わることができて本当に良かったです。自分は普段、動画を撮影したり編集したりという裏方作業が多いので映画の本格的な機材が見れたのもおもしろかったし、海斗とかもともとの友達と一緒にできたのも楽しかったです。
中田:このたびは僕らのことを誘ってくれてありがとうございました!
『STAND STRONG』は2020年7月24日(金)よりTOHOシネマズ池袋ほか全国ロードショー
『STAND STRONG』
物語は、スケーターの溜まり場(タコス屋)から始まる。
「俺たちでさ、スケートチーム作らね!」「名前つけてさ」「THRASHERってあんじゃん」「俺らは世界をぶっ壊す!CRASHERだ!」
4人のたわいもない会話から、CRASHER(クラッシャー)というスケートチームが生まれる。各地のスケートスポットやイベントに繰り出すCRASHER。 勢いある4人の活動はSNSを通じて、 スケーターたちの間で徐々に広まっていった。 しかし、当たり前のように一緒だった彼らの歯車は、リョウとケイが憧れのスケートブランド「ELEMENT」から勧誘された事をきっかけに脆く崩れ始める。
スポンサーがついた事に最初は一緒に喜んでいた2人だったが、 周囲からの注目が集まっても 純粋にスケートと向き合い徐々にチャンスを掴んでいくリョウに対して、 ケイは、夜の街へと繰り出すようになる。 父親からの暴力、SNSの炎上、仲間たちからも離れ、ケイは一人暗闇へと追い詰められて行く。 まるで光と影のように別々の道へと進んでいくリョウとケイ。
世界戦への切符を決める大会が開催される中、それぞれが抱える切なる思いが明らかになっていく──。
制作年: | 2020 |
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監督: | |
出演: |
2020年7月24日(金)よりTOHOシネマズ池袋ほか全国ロードショー