動物パニック映画界の売れっ子・サメ!!
夏だから、やっぱサメ映画でいこう! 今年はコロナのおかげで世界中の海水浴場で楽しめないんだから、せめて映画の中で夏を満喫して海水浴を楽しんでいる奴らを恐怖のどん底に陥れる凶暴なサメの気分になって、人間を喰って喰って喰いまくり気分で夏を乗り越えよう~。あ~考え方の嫌な新しい生活様式だね、ったくぅ。
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動物が人を襲う映画は数え切れないほどあるけども、サメぐらい売れっ子はいないね。ライバルの動物たちは(哺乳類や爬虫類やら分類はしないよ!)蛇、シャチ、クジラ、灰色熊、白熊、羆、イノシシ、ライオン、トラ、狼、象、ネズミ、鳥、クモ、サソリ、殺人蜂、巨大モグラ、ゴリラ、ワニ、ピラニア、犬、蟻、イカ、タコ、トラ……って『男はつらいよ』かよ! まぁ、まだまだたくさんの動物たちが人間に映画の中で危害を加えているんだよ。ズラリ並んだコイツらは動物界のヒールだな。
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— 映画『男はつらいよ』55周年 Go! Go! 寅さん (@torasan_50th) December 17, 2019
4Kデジタル修復版は本当にきれいなの?
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新しい4Kデジタル修復版と
これまでのHDリマスター版の映像を
「#男はつらいよ」名シーンで比較してみました!https://t.co/63NAQCVvPV
まぁ映画の話でなく、実際はライオンに襲われる死者よりもカバに襲われる死者の数の方が上だったり(カバ最強説)、人間の友達風に衣装を着せられてバラエティに登場するチンパンジーだけども、野生のチンパンジーが人間の赤ちゃんを母親から奪って食するというショッキングな事例もあったりしてゾッとするわ。あと、動物を食べた人間から新しい病気が出てきたりするっていう話も映画を超える恐怖だけどねぇ。我が国にやってきて生活を脅かす外来種たちも面倒だね。屋根裏にハクビシンが住み着いちゃって、糞害でエライ目に遭った友達もいたよ。まぁ生き物の中で実際にいちばん人を殺してきたのは病原体媒介の「蚊」だったという説もあるけどね。
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とにかく画面に出てくるだけで視聴率が上がる、テレビの動物バラエティに登場する「もふもふ」した可愛い動物界のベビーフェイスたちには、全く興味がわかないんだよ。やっぱり人を襲うヒールの動物たちに惹きつけられるんだ。その頂点に立つのがサメ! 古事記の「因幡の白兎」の頃からのヒールのイメージだったサメが一躍世界中のヒールとなった、決定的な映画が『JAWS/ジョーズ』(1975年)かね、って時を経すぎだよ!
ということで今回は、サメが海の中に出てくる映画(当然なんだが、海中に出ないサメ映画もあるからね)『海底47m』(2017年)。さぁ編集部の皆さんジョーズな解説よろしく。
『海底47m』
メキシコで休暇を過ごしていたリサとケイトの姉妹は、海に沈めた檻の中から野生のサメを鑑賞する“シャークケージ・ダイビング”に挑戦することに。姉妹を載せた檻はゆっくりと水深5メートルの海へと降りていくが、檻を吊っていたワイヤーが切れて水深47メートルの海底まで落下してしまう……。
海なんて潜るもんじゃない! 誰かが潜って撮影した映像をテレビで見るに限る!!
リゾートで浮かれてアクティビティーを楽しもうとする女性たち。彼女たちを迎えるにまったく相応しくない、「大丈夫かよ!」と言いたくなる豪華クルーザーではないボロ船。そして客をもてなすような格好ではない、生臭そうな服を着ている、いい加減そうな船の男性スタッフたち。昔、パラオで日本人観光客相手のダイビングインストラクターをやっている日本人のお兄さんが、「玉さん、ここでは日本人女性は入れ食いですよ!」とリゾートでダイビングをしに来る女性たちを称し豪語してたっけ。そんな日本人女性入れ食い男のチャラさとはえらい違いだ!
そしてボロ船に備え付けのシャークケージ、そして錆びついたケージを繋ぐ、これまた耐久性に乏しそうなワイヤー。そんな誰もが信用できないような業者に促されてシャークケージに入り、ホホジロザメがウヨウヨしている海に入っていく女性2人。サメからすれば入れ食いの条件だ。案の定、錆びたワイヤーをジョーズがその鋼鉄の歯で食いちぎり、あわれロープウェーは崖下に急降下……(これはジョーズはジョーズでも“ジョーズ違い”の『007』)。8メートルクラスの人喰ホホジロザメがウヨウヨしている海底47メートルに沈んだから、さぁ大変。
船上との無線も繋がらない海底47メートルでケージに閉じ込められ、助けも来ない、エアーもドンドン減るばかり、いつサメが襲ってくるかわからないという、閉所恐怖症&サメ恐怖症&酸素欠乏症&潜水病&窒素中毒という、普段から「海なんて潜るもんじゃない、人が潜って撮影した映像をリビングのテレビで見るに限る!」と思っているオレの、海に対する恐怖のツボを押さえている映画だ。
そして海底のシャークケージで絶望する2人に、容赦なく降りかかる災難。2人の間でしか繋がっていない無線で会話をしながら、どうにか克服していこうとするが上手くいくわけがない。この2人の姿を観ていたら、昔ドリフがやっていた「無重力コント」を思い出した。このシャークケージがドリフのコントの無重力状態というか、まぁ単にカメラを固定してセットの宇宙船を180度ひっくり返えす、あのコントに見えてきたのだ。コントのタイトルは「無重力」だけども実際には無重力でもなんでもなく、ひっくり返った状況で牛乳を飲もうとして鼻に入ってむせたり、ソバを食おうとしたら麺が天井に向かってっちゃったりするドリフのコントには爆笑だった。だからといって、海底の2人を見て爆笑していたかと言ったらそうではない。ただ、2人の置かれた状況があんまりにも怖すぎたオレはセルフ酸素欠乏して、無理やり関係性をドリフのコントに置き換えた幻覚を見ていたのだろう。
夏の浮かれムードには要注意! 溜まりに溜まったホルモンがサメを誘う!?
しかし、この女性2人がシャークケージに入っていく姿も危なっかしかったなぁ。ノリで行っちゃってるから断れなかったのかねぇ。オレから観ていても、サメが寄ってくる要素が多分にあるんだもん。リゾート地を堪能するこの女性たちは、事故前夜に男性と出会い盛り上がる、しかし、男女の一線は越えなかった。あのバカンスの夜のムードで、たくさん分泌されたであろう2人の女性ホルモンが、翌日サメを引き寄せてしまったのではないか? それに2人には当夜、男女の一線を越えられない何らかの理由があったのではないか?
日本人女性として初めて北極圏到達に成功した、女優で冒険家の和泉雅子さんのお話。シロクマが血の匂いを嗅いで狙いに来る。この映画に登場するサメも同様で、鋭利なもので切って流れた女性の血の匂いを求めていたのではないのか? そう考えると、あのシャークケージは沖釣りで使われる集魚性の高いオキアミを入れ、海中の魚にアピールして魚を釣る「コマセ釣り」のコマセを入れる巨大な「コマセカゴ」に見えてきた。
オキアミ代わりのコマセカゴと化したシャークゲージに入るは、あの2人の女性。しかしワイヤーは切れて、コマセカゴは海底に沈んだまま。コマセ釣りはコマセカゴの先に釣り針が付いていて、それを魚が食って釣れるんだが、あの船上のいい加減な男たちには、シャークケージに生きたコマセ2人を入れて大物のホホジロザメを釣ろうとしていた気配はない。なぜなら、あのケージに釣り針(フック)は付いていなかった。そして女性たちが甚大なる被害を被って、この映画となった。
そっか、あの船の男たちは身も心も開放的になるリゾート地の女性を狙う、ダイビングアクティビティ業者を装った悪質モグリ業者だったのか! 日本の女性もコロナ禍が明けて開放的な気分になり、海外に行って羽目を外そうとする際は悪徳モグリ業者にくれぐれも気をつけるように。
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文:玉袋筋太郎
『海底47m』
メキシコで休暇を過ごすリサとケイトの姉妹。ホホジロザメを見たいケイトは“シャークケージダイビング”への参加を計画。乗り気でなかったリサも彼女に説得され、一緒に沖へ出る。だが保護用の檻と水上の船を繋ぐケーブルが故障。2人は檻ごと水深47メートルの海底に落下してしまう。
制作年: | 2017 |
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監督: | |
出演: |