アウトレイジなヤクザのボスを演じた『悪人伝』の日本公開が2020年7月17日(金)に決定した、我らがマブリーことマ・ドンソク兄貴。主演のコン・ユを完全に食ってしまった『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)の無双っぷりも記憶に新しいマブリーは、ドン・リーの名でマーベル・シネマティック・ユニバース作品『ジ・エターナルズ』(2021年2月全米公開予定)への参戦も決まり、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い!
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そんなマブリー主演のオススメの過去作を3作ピックアップしたので、ぜひハリウッド進出前に各自マブリー筋(左胸あたりにあるはず)の自主トレをしておこう。
▶マ・ドンソク主演‼︎ 韓国発ヤクザ映画『悪人伝』2020年7月17日に日本公開決定!
みんなが見たい“キュートなマブリー”全開の腕相撲スポ根映画『ファイティン!』
幼い頃にアメリカへ養子に出されたマークは、かつて腕相撲大会のチャンピオンになったほどの豪腕の持ち主。しかし、現在はクラブのセキュリティやスーパーの警備員として働きながら、根無し草のような生活を送っていた。あるとき弟分のパクから韓国で行われる腕相撲大会への出場を持ちかけられ、実の母親への募る想いを抱えつつ祖国へ帰るのだが……。
『ファイティン』の主人公マークにはマブリーの生い立ちと重なる部分もあるということで、もはやマブリーのために作られたマブリー映画といっても過言ではない本作。気は優しくて力持ち的なキャラクターを最大限に活かし、さらに幼い子どもたちとマブリーを絡ませるという、反則レベルのシロモノである。もちろん子役の2人も非常に愛らしいのだが、それ以上にマブリーが可愛いという異常事態が起こっていて、鑑賞中はニヤニヤが止まらない。
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本作には「マブリー=カワイイ」をフィルムに叩きつけるかのような、制作陣のマブリー萌えが伝わってくる描写が盛りだくさん。まさに王道のスポ根物語ではあるが、そもそもがマブリーのキュートさを堪能するように作られているので、むしろちょうどいい塩梅だ。予想外の展開も何もないのに最後にはまんまと大号泣させられる、不器用な家族の物語でもある。
腕相撲映画といえばシルヴェスター・スタローンの『オーバー・ザ・トップ』(1987年)だが、同作に直接オマージュを捧るシーンもアリ。スタローンを敬愛しているマブリーは、『悪人伝』のハリウッドリメイクでついにスライと一緒に仕事することになったわけで、まさにマブリーのキャリアを凝縮したような作品なのである。
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イ・ドンフィとの凸凹W主演が楽しい“お家柄”号泣コメディ『ブラザー』
マブリー史上もっともボンクラな演技を堪能できるのが、『幼い依頼人』(2019年)や『エクストリーム・ジョブ』(2018年)でおなじみのイ・ドンフィとW主演した『ブラザー』(2017年)。マブリーが自慢の筋肉を99%封印した、ある意味ストイックとも言えるドタバタ・ハートフル・家督コメディだ。
▶10歳の姉が弟を殺害!? 韓国を震撼させた虐待事件を描く実録サスペンス『幼い依頼人』
▶麻薬捜査官がフライドチキン屋を偽装営業!? 爆笑必至のアクションサスペンス『エクストリーム・ジョブ』
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マブリーが演じるのは、遺跡を発掘してひと山当てようとしているダメ教師ソクポン。ドンウォン演じる弟ジュボンは、勤める建設会社から解雇されそうになっている。共に崖っぷちな兄弟は由緒正しい儒教の家柄出身だが、ある理由から実家とは絶縁状態。父親の葬儀のために帰省した2人の仲は最悪で、堅苦しい親族ともことあるごとにぶつかりまくり……。しかも、お互い全く別のベクトルで利益を見出したことから、次期当主の座を巡って対立することに!
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序盤こそ宗教ネタや韓国ならではの親戚ネタ(男尊女卑文化の根深さが垣間見えるシーンも)が散りばめてあって日本人には理解しづらいかもしれないが、終盤には夫婦の愛/親子の愛に血縁や家柄は関係ない……という切り口で号泣ボムを投下してくるので油断は禁物。そして、ひょんなトラブルから知り合った“謎の女性”の正体が判明したとき、もはや号泣を超えて涙で何も見えなくなること間違いなしだ。
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なお、韓国映画界きっての“キレたらヤバそうな人”ことチョ・ウジンも親戚役でイイ味を出しているので要注目。実は本作、日本公演も行われたミュージカル「兄弟は勇敢だった?!」の映画化作品で、そちらに主演していた爆イケオッパ、チ・チャンウクが最後に友情出演しているのも見逃せない。
ド田舎の食堂のオヤジが実は変態殺人鬼だった! な最恐スリラー『罠』
アクションはもちろん、感動ドラマもコメディもイケることを証明したマブリー。最後にご紹介するのは、彼の魅力をあまり嬉しくない方向に活用した最恐バイオレンス・スリラー『罠』(2015年)だ。本作におけるマブリーを一言で表すならば、大自然の中で小さな食堂を営む“絶倫オーガニック殺人鬼”といったところ。初登場シーンからして、たまたま入った食堂のオヤジが店員を叱りつけていたときのような、非常に胸クソの悪くなるオラオラ演技を披露してくれる。
物語は、流産の傷を抱えたソヨンがEDに悩む夫ジュンシクを連れて離島の食堂に行くところから始まる。その食堂では精のつく料理を振る舞ってくれるそうで、横柄だが親切な店主ソンチョルの料理やオリジナルの仕込み酒はたしかに美味いし下半身にも効きそう。しかし、客前で鶏を〆たりゲジゲジ入りの酒を振る舞ったり野生動物を狩ったりするシーンからソンチョルの異常性が垣間見えて、観ていてソワソワしてしまう。妻なのに従業員なような扱いを受けているミンヒの存在も不穏で、とにかく画面に映るすべてが怖い……。
人里離れた森の中が舞台ということで、『哭声/コクソン』(2016年)的な恐怖を期待するかもしれない。しかし、本作のマブリーは当然ながら悪魔とかではなく、ただただ暴力の制御装置がぶっ壊れている素朴な殺人鬼であり、とにかく乱暴なマッチョほど腹立たしく恐ろしいものはないという、ピュアな恐怖をシンプルに味わわせてくれる。まだ悪魔化した國村隼のほうがマシだよ! と思ってしまうくらい精神的にキツい、恐怖の化身と化したマブリーを堪能しよう。
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『ファイティン!』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2020年7月放送
『ブラザー』はNetflixほか配信中
『罠』はAmazon Prime Videoほかレンタル配信中