本格的なミリタリー描写とドラマチックな展開を両立させた長寿戦争アクションシリーズの最新作『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』が2020年8月より公開予定だ。
『山猫は眠らない』は、ベテラン狙撃兵のトーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)が極秘任務を遂行する記念すべき第1作目から27年続く人気シリーズ。2作目以降は低予算でありながら時代に合わせて変化を繰り返し、根強いファンが存在する。最新作では「スパイダーマン」のコミックブック作家として知られるカナダ出身のカーレ・アンドリュースを監督に迎え、新たな展開を見せている。
このたび公開される最新作『暗殺者の終幕』は、女優の秋元才加さんが出演したことも大きな話題に。満を持してハリウッドデビューを飾った秋元さんに、ハリウッドの印象から撮影秘話までたっぷり語っていただいた。
祝ハリウッドデビュー! 準主役ポジションでガッツリ活躍!!
―ハリウッドデビューおめでとうございます。本作への出演が決まった時のお気持ちを聞かせてください。
いつか海外作品に出演できたらいいなってぼんやりとは考えていたんですけど、まさかこのタイミングでこういったお話がいただけるとは思っていなくて。うれしいという気持ちはもちろんありましたが、最初はあまり実感が湧かなかったですね。ハリウッドとなると日本だけじゃなく、海外の俳優さんも含めてすごい競争率になると思うんですが、そこで選んでいただけたっていうのは、すごく自信になりました。
本当はハリウッドもアジア人のキャストを起用したいんですけど、日本人を含めアジア人の俳優自体が少ないらしいんです。そういったなかで「今回は日本人のキャラクターが出てくるんだけど、どうですか?」っていうお話をいただいて、本国には行けなかったのでアクションシーンやいただいた台本のセリフをしゃべるビデオを送って、オーディションを受けました。3、4回ほどやり取りして、最終的に「秋元さん、お願いします」と言っていただけました。
―出演が決まったことを、最初に誰に報告されましたか?
友人に「海外で撮影がある」って伝えました。“海外で撮影がある”って言うことにちょっと憧れがあったので(笑)。あとは両親ですね。喜んでくれたんですけど、私に対してすごく根拠のない期待みたいなものがあって、「あ、よかったね~」みたいな。普通に日本でのドラマが決まったときと変わらないテンションで言ってくれましたね(笑)。
私の母は外国人で、祖母も本当に強い女性です。幼少期からスティーヴン・セガールさんのアクション映画とかを観ていて、「あなたも強い女性になりなさい」とか「アクションができる女優さんになれたらいいね」っていう環境で育ってきたので、それが一つ叶ったことはすごくうれしかったです。
―エンドロールでは主人公に続いて2番目にクレジットされる大役ですね。
「すごく良い役ですよ」とは伺ってたんですけど、実感が全然なくて。日本で「2番手ですよ」って言われたら良い役だなって実感が湧くんですけど、自分のなかで“新世界”というか、違うフィールドだと感じ方が全然違って。知人に『山猫』って言うと、「ああ、あれね!」とか、トム・べレンジャーさんって言うと「すごいじゃん!」ってリアクションが返ってくるので、あとからすごい知名度のある作品だと知って。だんだんすごい作品に自分が出てるのかもしれない……って、つい最近、発表されてから感じ始めました(笑)。
決まったときは、良くも悪くも「わー、うれしい!」とはならなくて、いろんな方がこれまで出演してきたハリウッド作品とかを気になってチェックしたんですよ。発表されてからも、いろんな方に「どうせすぐ死ぬんだろ」「どうせいなくなるだろ」って言われたりして(笑)。でも、今回は全然いなくならないし、死なないなって。初めての場所で、誰も私のことを知らない状態で向こうのキャストもスタッフも見てくれているから、そこで頑張ろうと思って行ったんですけど、撮影を重ねるたびにちょっとずつシーンが増えたりしたんです。
Check out this animated poster by legendary artist and #SniperAssasinsEnd director, #KaareAndrews - available on Digital & Blu-ray 6/16! #SniperFilms pic.twitter.com/U949DbgD1F
— Sniper: G.R.I.T. (@SniperFilms) June 12, 2020
それで「最後のシーンを変える」って監督が言いだして。もともと最後は違うエンディングだったんですけど、最後を変えたいってみんなが言ってるって。日本だったら実感があるんですけど、なんか嘘か本当か分からない感覚で「ああ、そうなんですね」みたいな。でも、どうせ最終的には変わるんだろうなって思ってたら、そのまま本編ができ上っていたので、本当に良かったと思ってもらえたんだなって(笑)。
「正直これだけの環境があったらお芝居だけに集中できるなって思いました」
―撮影現場で“ハリウッド”を感じることはありましたか?
いっぱいあるんですけど、まずは車での送り迎え。一人に一台トレーラーハウスがついていて、朝昼晩に温かいごはんが食べられるのと、あとはヴィーガン/ベジタリアン対応だったり、食事の種類が豊富なことですね。これだけの環境があったら、お芝居だけに集中できるなって正直思いましたね。でも、俳優さんたちってマネージャーさんとか付けずに一人で現場にいらっしゃってるので、そこはカッコいいなと思いました。ちゃんと自分で動くっていう。そういうのがすごく心地良かったので、日本でもそういう風にできたらいいなっていうのは、すごく感化されました。
―『山猫は眠らない』は今回でシリーズ8作目になりますが、作品についてはどのような印象をお持ちでしたか?
本当に長く続いているシリーズで、ミリタリーファンとかガンアクションが好きな方とか、いろんな人が観ている作品だという説明は受けていたんですけど、正直ミリタリー映画ってなかなかきっかけがなくて、私がいままで観てきたジャンルではなかったんです。この出演をきっかけに観るようになったんですけど、トム・べレンジャーさんカッコいいなって思いましたね(笑)。前作では女性のバディが銃を持って戦う展開があったんですけど、やっぱり銃を持ってアクションする女性はカッコいいなって再認識しました。お芝居の仕方や立ち振る舞いが印象に残っています。
シリーズの1作目はがっつりミリタリー映画だと思うんですけど、作品を重ねるごとにだんだん変わってきて、街のマフィアと戦う展開とか、現代風になっていきましたよね。趣向を凝らして新しいことを取り入れていくことで、ずっと続くシリーズになっているんだなと思うんですが、最新作もなかなかチャレンジングなストーリーになっているので、いままで観てきた方が「こういうのも楽しいじゃん」って感じてくれたらいいなと思います。
https://twitter.com/SniperFilms/status/1271235099313369088
―『山猫』といえばスナイパー同士のバトルも魅力の一つですね。
リアルな銃を使って練習やガンアクションをさせてもらったときに思ったのは、実際に撃つときは一発で仕留めなくちゃいけないということ。息を吸ったり吐いたりするだけでも弾の位置がずれちゃうので、そういったところの緊迫感や緊張感ですね。心理戦とか、仕留めたときの爽快感がスナイパーものの醍醐味なのかなって思いました。
『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』は2020年8月14日(金)より公開
最新作の公開に合わせてCS映画専門チャンネル ムービプラスでは『山猫は眠らない』シリーズ過去7作品を一挙放送
『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』
外交官が何者かに暗殺された事件。狙撃兵ブランドン・ベケット(チャド・マイケル・コリンズ)は容疑者として疑われてしまう。CIAと、彼の命を狙う集団から追われる身となったブランドン。逃げまどい向かった先は、狙撃兵を引退した父・トーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)が生活する山小屋。ブランドンはトーマスにこれまでの顛末を打ち明けて、事件解決のため協力を求めるが、そこに謎の暗殺者(秋元才加)が現れて……。
制作年: | 2020 |
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監督: | |
出演: |
2020年8月14日(金)より公開