独立系配給会社存続の危機! いま我々にできることとは?
世界中で猛威をふるう新型コロナウイルスの影響により、映画館や映画製作者、そして映画配給会社も重大な困難に直面している。この難局を乗り越えるべく、日本の独立系配給会社が結集し【Help! The 映画配給会社プロジェクト】を立ち上げ、その緊急アクションとして「配給会社別 見放題配信パック」をスタートさせることが決定した。
すでに小規模映画館【ミニシアター】を守るための「ミニシアター・エイド基金」や、日本映像職能連合(映職連)による政府への補償要望書の提出など、映画文化を守るためのアクションが行われているはご存知だろう。このたびのプロジェクトを起動した配給会社は表に出ることのない裏方的な存在だが、作品の買い付けやプロモーション、劇場への公開依頼やソフト製作といった、我々が実際に映画を鑑賞するに至るまでの全ての過程を担う、映画業界の中核を支える存在だ。
中でも小・中規模な独立系配給会社が世界中の様々な作品を紹介してくれることで、我々は多様な映画文化に触れることができ、また製作者も活動を続けられてきた。そんな独立系配給会社の主戦場は、いま存続の危機に直面している全国のミニシアター。独立系配給会社がなければ、つまり我々がこれまで当然のように享受していた豊かな映画文化を支えてきた人々の生活が立ち行かなれば、映画文化の灯火も潰えてしまうのだ。
「世界の名画見放題パック」配信開始! 名だたる映画人から応援メッセージも
いまだ終息の糸口さえ見えないなか、エンターテインメント業界はこれまでのシステム自体を見直す必要に迫られており、人々の生活様式そのものを変容させる“コロナの時代”が今後も続くことを覚悟せざるを得ない状況である。しかし自宅隔離を余儀なくされる状況下で、映画や音楽などの文化・芸術が人間にとって必要不可欠なものであるということを、多くの人が改めて実感していることだろう。
このたび【Help! The 映画配給会社プロジェクト】がスタートさせた「配給会社別 見放題配信パック」では、配給会社20社(5月11日現在)がアップリンク・クラウドにて自社の過去作品をパックで配信。2020年5月15日(金)15時より配信開始となる第一弾配信は5社全90作で、クラシックの名作からヌーヴェルヴァーグの傑作群、アジアやヨーロッパの作家たち、近年大ヒットした作品、カンヌをはじめとする国際映画祭での受賞作、これまで未配信だった貴重な作品などを観ることができる。第2弾は5/22(金)15:00~配信開始を予定。
詳細は以下よりご確認を。
【Help! The 映画配給会社プロジェクト】
公式note:https://note.com/help_the_dsbtrs
公式twitter : https://twitter.com/help_the_dsbtrs
また本プロジェクトには、クリストファー・ドイル、アピチャッポン・ウィーラセタクン、アルノー・デプレシャン、ツァイ・ミンリャン、ブリランテ・メンドーサ、ギヨーム・ブラック、マチュー・アマルリックなどなど世界の映画人から応援メッセージも届けられている。世界中の人々が同じ状況に立ち向かい、そして物理的な移動が困難ないまこそ、配給会社の貢献に想いを傾けつつ映画を通して世界とつながろう。