Netflixの“マッチ度”は……本当だった!
Netflixから「(あなたとの)マッチ度 96%」と表示されたオリジナル作品『カーゴ』(2017年)。前情報なし、予告も観ない状態で実際どれくらい僕にマッチしてるのか、観てみました!
冒頭、家族3人船で川を下っている様子が映し出されます。会話の内容によると、どうやら世界で何かしらヤバい出来事が起こっている模様。この時点で自己マッチ度が65%を超えてきました。余計な説明が多い映画が好きではないので、この演出に早くもサムズアップ。ジワジワと良い緊張感で引っ張ってからの、はい、出ましたゾンビ! ありがとうございます、マッチ度96%は本当でした!!
久しぶりに観た正統派ゾンビ映画な気がします。走る/走らない論は長くなるから置いておいて、本作に登場するのは「走らない」「気がついたら近くにいる」という昔から馴染みのあるゾンビたち。主人公たちは、ゾンビが蔓延した世の中でどう生きていくのか……? 決して逃げる・倒すがメインではなく、ただただ生き抜いていく様子と、この状況で起こる出来事を切り取ったドラマで、その描き方が僕好みでした!
オーストラリアの大自然のなか、主人公のアンディ(マーティン・フリーマン)は幼い娘ロージーを守るべく歩き続ける。しかし、彼の体もゾンビ・ウイルスに蝕まれており、刻一刻とタイムリミットが迫ってくる。「わっ!」とビックリさせるような演出やグロテスクな描写はほとんどないので、ゾンビやホラーが苦手な方にもオススメな、“感動できる”作品です。ゾンビの世界に赤ん坊なんて卑怯だぜ!
赤ん坊を守れ! 胸を締めつけられる感動ゾンビ映画
迫りくるゾンビから隠れているとき、赤ん坊は泣き出すかもしれない。ピンチ! だけど、自分がゾンビになってもきっと守り抜いてみせるから! ……と、鑑賞中は謎に父性が爆発。『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)と同じように、ゾンビ世界で生き残れるだろうか? 家族を守れるだろうか? などと想像しただけで、胸がギュッとなる。この映画、さしずめ“子連れ狼”ならぬ“子連れ○○○”だ!(ネタバレ回避)
本作は、当時大きな話題を読んだ約7分の短編映画『Cargo(原題)』(2013年)を長編化したもの。まだこちらを観ていない方にはネタバレになるので、本作を見てから短編を見ることをオススメします。104分の本作と7分の短編で、また違った物語が想像できるはず! ちなみに「Cargo」とはベビーカー(乳母車)を意味します。
本作にはオーストラリアの先住民族であるアボリジニ(アボリジナル)が出てくるのですが、彼らから土地を奪った贖罪という側面があるらしく、そこはもう少し分かりやす描いてほしかったところ。そこが分かると違った見方ができるし、より感動する結末になったと思います。ただ僕がオーストラリアに無知なだけかもしれませんが……。
しかし政府(?)が配った“ゾンビに噛まれたらキット”がリアリティがあり、とても斬新で良かったです。とくにタイムリミット48時間を測る時計(噛まれると48時間後にゾンビになってしまう)は、とても好きです。主人公がチラッと時計を見るたび、観ている方も「ヤバいよ! 時間迫ってるよ!!」と大騒ぎで、まんまとマッチ度100%までいってしまいました!
文:ゾニー(KING BROTHERS)
『カーゴ』はNetflixで独占配信中
『カーゴ』
恐ろしい感染症により荒廃したオーストラリアで、幼い愛娘を守るべく見渡す限りの荒野を懸命に歩き続ける男。だが、彼の体もまたウイルスにむしばまれていた……。
制作年: | 2017 |
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監督: | |
出演: |