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タイムループ! しかも戦場で!! さらに化け物まで出てくる!?『ドント・ゴー・ダウン』

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ライター:#BANGER!!! 編集部
タイムループ! しかも戦場で!! さらに化け物まで出てくる!?『ドント・ゴー・ダウン』
『ドント・ゴー・ダウン』©kaleidoscope

低予算ながら見どころが多い斬新スリラー!

どこかの戦争地帯で何人かの兵士がダベっていると、何者かの攻撃を受けて全滅。彼らを攻撃したのが本作のメイン登場人物となるイギリスの特殊部隊員たちのようだ。全体に青みがかった映像と暗視スコープの緑色の映像、そして容赦なく首をかき切られ頭を撃ち抜かれる残酷な描写によって、早々に本作が笑えない系の映画であることを示唆する。

『ドント・ゴー・ダウン』©kaleidoscope

一切の説明なく唐突な殺戮から始まる『ドント・ゴー・ダウン』(2019年)だが、兵士の装備からすると少なくとも90年代以降の設定だろう。開始から10分未満で、特殊部隊員が上官の命令で捕虜の民間人女性を渋々ながら射殺するという、かなりエグ目の展開で観客を不安にさせる。捕虜の女性は殺される前に「下りるな……」と言い残すが、本作の原題は本作の原題は『STAIRS』(階段)、完成前の仮題は『THE ASCENT』(上昇)とのことで、うっすらとテーマ的なものが見えてくる。

嫌な呪い&ループしたくない場所ランキング上位ランクイン間違いなし!

決して仲良しとは言えないギスギスした男女混合の特殊部隊員が、謎のモンスターに襲われるのか? はたまたオカルティックな現象に巻き込まれるのか……? と恐ろしい展開に期待して観ていると、隊員たちを乗せたトラックは謎の施設へ。どうやらここでヘリの到着を待つようだが、階段を登り続けても一向に屋上にたどり着けない。すると爆撃か地震のような大きな揺れに襲われ、隊員の1人が階段を下って様子を見に行ったところズタボロの状態で戻り、「走れ」という言葉を遺して絶命した。

『ドント・ゴー・ダウン』©kaleidoscope

登場人物たちは(観客も)いったい何が起こっているのかビタイチ分からないまま延々と階段を上っていると、ついにある扉を発見。しかし、その扉を開けた先に広がっていたのは、ついさっきまで敵と交戦していた戦場だった……。そう、本作はまさかのタイムループもの! しかも、ループしたくないシチュエーションのランキングがあったら間違いなくTOP3には入るであろう、戦場でのループだ!!

さっきまで鬼のようだった上官が扉をそっ閉じするシーンは思わず笑いそうになったが、当然ながら登場人物たちに笑顔はゼロ。重苦しい空気が流れる中、階段を下りることを選んだ隊員は、ゾンビのような幽霊のような“何か”に襲われて死亡! なんとループものにホラー要素をトッピングしたミクスチャー映画ということが判明し、俄然おもしろくなってくる。そして、この状況が捕虜による“呪い”のせいだとしたら、戦場に戻って命を救えば未来も変わるのでは? という答えに行き着き、過去の自分たちとの交戦も辞さない高難易度のミッションに挑むことになるのだった。

階段を、上れば戦場、下りれば化け物……

無名キャストや映像の使い回しもあり、撮影はかなりの低予算だったはず。しかし、限定的なシチュエーションに主観映像などを挟み込むことで安っぽさを抑え、さながらFPSゲームをコンティニューしまくるように何度もミッションを繰り返す設定がキャッチーで、中盤以降もスリルを持続させることに成功している。結果的に会話シーンの割合も増えるので、ながら観が難しいという低予算らしいデメリットもあるのだが、今まで観たことがないタイプの映画であることは間違いない。

敵との銃撃戦から一転、過ちを犯した自分たちと戦う因果応報な展開は、思わず「階段を、上れば戦場、下りれば化け物」……と一句ひねりたくなるキツさ。はたして隊員たちは、この状況をどう乗り切るのか? 絶望の果てに導き出した意外な策とは? ところどころツッコミながらも思いのほか夢中になってしまう、ミクスチャー・スリラーの快作だ。

『ドント・ゴー・ダウン』は「未体験ゾーンの映画たち2020」にて2020年2月14日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、3月29日(日)よりシネ・リーブル梅田で公開

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『ドント・ゴー・ダウン』

東ヨーロッパの戦地に、味方を助けるため6人のイギリス特殊部隊が送りこまれた。敵の拠点で激しい銃撃戦を繰り広げた6人だったが、途中上官の命令で民間人の女性捕虜を撃ち殺した上、3人の民間人が殺されるのを見殺しにしてしまう。民間人の犠牲はあったが、ミッションを無事遂行した6人は脱出のためのヘリコプターを目指しとある階段を上り始める。しかしその不気味な階段は上っても一向に出口にはたどりつけそうにない。やっと見つけたドアを開けるとそこは先ほどまで6人がいた戦場があり、しかも戦っている自分たちが目の前にいた。一体何が起こっているのか、果たして6人は無事に戦場から脱出できるのか!?

制作年: 2019
監督:
出演: