都市伝説化した「○○したら死ぬ」の真打ち登場!
世の中には「○○したら死ぬ」ってのがわりとある。オカルト好きに有名なのが「座ったら死ぬ」といわれるバズビーズチェアだろう。絞首刑に処された殺人者トーマス・バズビーの呪いがかけれられているというこの椅子に座り死んだ者は、なんと60人以上だとか。一見なんの変哲もない木製の椅子にしては凄まじい殺傷能力。危険すぎるので、現在はイギリスのサースク博物館に、誰も座ることがないよう吊るされる形で展示されている。
2000年初頭はインターネットや携帯電話の普及とともに、「見たら死ぬ画像(または絵)」や「このメールを誰かに転送しないと死ぬ」というようなチェーンメールなんてのも流行った。クラスで気になる子から回ってきたりすると、たいそう複雑な気分になったもんだ。
そんな「○○したら死ぬ」界に旋風を巻き起こそうとしているのが、このたび公開される「観たら死ぬ映画」、『アントラム 史上最も呪われた映画』(2018年)だ。
実際に映画が人を殺すことはあり得るのか? 過去の死亡例は??
「観たら死ぬ」といえば、中田秀夫監督作『リング』(1998年)の劇中に登場する呪いのビデオだが、『アントラム 史上最も呪われた映画』に至っては、その映画自体を観た観客が死ぬらしい。その殺人歴をざっと振り返ると、映画は1979年に撮影され、80年代に入って複数の映画祭に出品されるが、試写を見た人間が次々に不審死。1988年には上映中の映画館が大火事になり、56人が死亡。1993年には観客が発狂して暴動が発生し、妊婦がひとり死亡している……。
実際に、映画は人を殺す。これは事実で、これまでも映画は多くの人を殺してきた。メル・ギブソンがイエス・キリストの受難と磔刑を描いた『パッション』(2004年)は、公開初日に駆けつけた女性が鑑賞中に心臓発作を起こして死亡している。ほかにも、2010年にはニュージーランドの映画館で『エクリプス/トワイライト・サーガ』上映中に男性が死亡しているし、2016年にはインドで『死霊館 エンフィールド事件』を観ていた65歳の男性が心臓発作で死亡。しかもその後、遺体と遺体を輸送する人の双方が行方不明になるという奇妙な出来事まで起きている。
さらに『死霊館』シリーズ(2013年~)では、77歳のイギリス人男性が休暇で訪れていたタイの映画館で『アナベル 死霊博物館』(2019年)鑑賞中に死亡。さらにさらに、鑑賞中の死亡はホラー映画に限ったことではなく、インドでは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)を鑑賞中の男性客が死亡している。発見されたときの彼は座席に座ったままで、劇場スタッフが3Dメガネを外すと、両目を見開いたまま亡くなっていたんだとか。だから、まぁ、映画で死ぬことはありえなくはないのだ。
注意:鑑賞は自己責任で! 劇場で死亡してもいっさい保障なし!!
ちなみに、この『アントラム 史上最も呪われた映画』が完成した頃、1980年に日本では『サンゲリア』(1979年)というゾンビ映画が封切られ、配給会社である東宝東和は「劇場鑑賞中にショック死した観客に死亡保険金を払う」と宣伝していた。しかし、今回の『アントラム』ではそのようなありがたい保険はなく、何が起きてもすべて自己責任らしいので注意が必要だ……。
文:市川力夫
『アントラム 史上最も呪われた映画』は2020年2月7日(金)より公開
https://www.youtube.com/watch?v=dLpy2nIqGsc&feature=emb_title
『アントラム 史上最も呪われた映画』
『アントラム』。それは1979年にアメリカで撮影された1本の映画。死んだ愛犬の魂を弔うために地獄への扉を開いてしまった幼い姉弟を描くその映画には、映ってはいけない“恐ろしいもの”が映り込んでいた。そして、それを上映しようとした者たちが次々と謎の死を遂げ、フィルムは行方不明となった。ドキュメンタリー作家マイケル・ライシーニとデヴィッド・アミトは、この伝説の映画を追跡し、ついに幻の35ミリ・フィルムを発見。関係者の証言とともに、ここにその驚愕の本編をノーカットで世界に公開する。あまりの恐ろしさに日本ではマスコミ試写会や一般試写会も中止となったこの映画、その恐怖の全貌がついに明らかになる。
制作年: | 2018 |
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監督: | |
出演: |
2020年2月7日(金)より公開