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舞台未経験者が観た『キャッツ』 HIPHOPダンサーの迫力と、歌姫の歌唱力がエモすぎて号泣!!

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ライター:#BANGER!!! 編集部
舞台未経験者が観た『キャッツ』 HIPHOPダンサーの迫力と、歌姫の歌唱力がエモすぎて号泣!!
『キャッツ』© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

舞台未経験のほうがお得!? 世代を問わず誰もが楽しめる映画版『キャッツ』

舞台未体験の人でもタイトルだけは絶対に知っている名作「キャッツ」が、『英国王のスピーチ』(2010年)『レ・ミゼラブル』(2012年)の名匠トム・フーパー監督によって実写映画化! 40年弱にわたって上演され続けているミュージカルの金字塔ということで、門外漢にはハードルが高いのでは? と尻込みしている映画ファンもいるかもしれないが、そんな人にこそぜひ観ていただきたいミュージカル初めにもふさわしい快作だ。

『キャッツ』© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

めちゃくちゃ分かりやすい猫メイクに全身タイツ姿で振り向きざまに両手を上げて“ニャーッ!”みたいなイメージ(?)の「キャッツ」だが、実写映画版ではCGによって全キャストをモフく猫化。もちろん40%くらいは人間のままなので、半人半獣的な不思議ルックに仕上がっているのだが、“ケモナー”に代表される動物、そして無機物すら擬人化してしまう妙な文化を持つ日本人から見れば、そのへんの違和感はほとんどないだろう。むしろ人種・性別・体型・容姿などのバイアスに左右されることなく、よりフラットに鑑賞できるプラス効果をもたらしていると言える。

『キャッツ』© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

今回は、多くの映画ファンと同じく“舞台を観たことない”状態で鑑賞した率直なインプレッションから、『キャッツ』の見どころを紹介したい。往年のファンからすると「何をいまさら」な部分もあるかと思うが、そこは初心者だからこそ楽しめる特権ということでご容赦を。

『キャッツ』© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

ストリートカルチャーも取り入れたテン年代映画ならではのエモ・ミュージカル!!

まず映画版で注目したいのは、ジェニファー・ハドソンやテイラー・スウィフトら00年代を代表する歌姫たちの存在感だ。グリザベラを演じるジェニファーは女優デビュー作『ドリームガールズ』(2006年)でミュージカルの映画化は経験済みだが、同作で魅せた観客の涙腺を往復ビンタするかのようなエモい歌唱力を、この『キャッツ』でも堪能できる。彼女が歌う「メモリー」は過去にカバーされまくっているので、きっと一度は聴いたことがあるはず。落ちぶれ猫グリザベラを涙と鼻水ダラダラで熱演していて、クライマックスの「メモリー」歌唱シーンはもらい泣き必至だ。

『キャッツ』© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

https://www.youtube.com/watch?v=soLYreeI6aQ

一方、テイラーが演じるのはセクシー担当のボンバルリーナだが、映画では欲しがりアウトローなワル猫マキャヴィティ(イドリス・エルバ)に付き従う悪女といった風情。映画オリジナル曲「Beautiful Ghosts」は、ロイド・ウェバー節にテイラーによる歌詞と声がばっちりハマッていて、ミュージカル版の楽曲と比較しても違和感なしだ(劇中ではフランチェスカ・ヘイワードが演じるヴィクトリアが歌唱)。テイラーはスター度がケタ違いなので中盤以降の出演になるが、その登場シーンからしてスターオーラ満点なので見逃しようがない。

『キャッツ』© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

また、映画版ではブリンブリンのチェーンなど現代のストリートカルチャーをまぶした小道具も新鮮なのだが、それを象徴するキャラクターに若干改変されている猫がジェイソン・デルーロ演じるラム・タム・タガー。本人のミュージックビデオから飛び出してきたかのようなヨコノリ猫なので、若い世代の観客も感情移入しやすいだろう。裏方としての下積み時代が長かったジェイソンのキャリアを想うと、かなりグッとくるキャスティングでもある。

ビヨンセなど大物アーティストのMVにも出演する双子ダンスユニット・Les Twinsも、基本クラシックな「キャッツ」の世界でフレッシュなムーブを披露しひときわ目立っている。ルックスが良いのはもちろん、エフェクトをかけたようなトリッキーな動きを生身で表現できる人たちなので、今後は映画でもお目にかかる機会も増えそうだ。

そしてもっとも衝撃的なシーンは、間違いなくジェニエニドッツ(レベル・ウィルソン)のネズミとゴキの調教(+α)シーンだ。爆チュー問題みたいなネズミはともかく、力の入れどころが斜め上すぎる擬人化ゴキは、控えめに言ってもこの先数十年は語り継がれるであろう映画史に残る衝撃度である。彼女は『ピッチ・パーフェクト』シリーズ(2012年~2017年)でもドスの効いた美声を披露していたが、本作でもコメディリリーフとしてジェームズ・コーデンと共にファニーな身のこなしで笑わせてくれる。

https://www.instagram.com/p/B6TtLE0pfnC/?utm_source=ig_web_copy_link

マッケラン猫めっかわ! キャスト陣の迫力とキラキラ・マジカルな演出に涙腺崩壊

基本的な進行順は舞台と同じだが、白い若猫ヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード)を主人公にしたところが大きな改変点。新入りの彼女をリーダー的存在のマンカストラップにサポートさせ、ひとまず観客の視点を固定することができるおかげで、舞台よりもすんなりストーリーを把握できるはず。ヴィクトリアは舞台版における子猫シラバブのポジションも担っていて、その無垢な心で嫌われ者グリザベラの心を開かせる。

『キャッツ』© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

マジシャン猫ミスター・ミストフェリーズ(ローリー・デヴィッドソン)に代表されるように、特殊なポジションの猫をストーリー上の目的のために登場させるのではなく、序盤から仲間として並列に描きつつも、物語のフックとなるマジカルなシーンは大いに抽象化するなど、映画ならではの表現で盛り上げる。人間界の建物や家具、小道具などは実際に猫から見たサイズのセットを作ったようで、見慣れた世界が良い意味で崩壊する不思議なスケール感が目に楽しい。

そして思わず誰もが破顔するであろう、老猫ガスを演じるイアン・マッケランの猫っぷりよ! 皿の水をペロペロ飲んだり家具に顔をこすりつけたり、しまいにはミャオミャオ鳴いてみせる、マッケラン史上もっとも可愛いマッケランが爆誕している。猫好きとして知られるサー・マッケランの、見事な猫っぷりを拝むためだけでも鑑賞する価値アリだ!!

『キャッツ』は2020年1月24日(金)より全国ロードショー

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『キャッツ』

満月が輝く夜。若く臆病な白猫ヴィクトリアが迷い込んだのは、ロンドンの片隅のゴミ捨て場。そこで出会ったのは個性豊かな“ジェリクルキャッツ”たち。

ぐうたらな猫、ワイルドな猫、お金持ちでグルメな猫、勇敢な兄貴肌の猫、不思議な力を持つ長老猫………様々な出会いの中でヴィクトリアも自分らしい生き方を見つけていく。

そして今宵は新しい人生を生きることを許される、たった一匹の猫が選ばれる特別な夜。
一生に一度、一夜だけの特別な舞踏会の幕が開く―

制作年: 2019
監督:
出演: