完全格差社会を舞台にカイジ最後の大博打がはじまる
「銀と金」「アカギ 〜闇に降り立った天才〜」など、独特の世界観と強烈な個性を持ったキャラクターが活躍するギャンブル漫画で多くの読者を魅了してきた漫画家・福本伸行。その代表作を実写化し、日本中を「ざわ…ざわ…」させた『カイジ』シリーズ()の最終章、『カイジ ファイナルゲーム』が2020年1月10日(金)より全国で公開される。
原作の福本自らが脚本を手掛けた本作は、主演の藤原竜也をはじめ豪華な出演陣が顔を揃え、また過去の2作品の名物キャラクターも登場するなど、ファイナルにふさわしい1本になっている。
「限定ジャンケン」「鉄骨渡り」「姫と奴隷」など、これまで数々の名勝負を繰り広げたシリーズの代名詞ともいえる独創的なオリジナルゲームもパワーアップ。本作では、原作者考案の新たな4つのゲーム「バベルの塔」「最後の審判」「ドリームジャンプ」「ゴールドジャンケン」が登場し、いずれもファンをうならせる手に汗握るゲームに仕上がっている。
シリーズ最新作の舞台は、まさかのディストピア化した日本!
2020年、世界中が熱狂した東京オリンピックが閉幕すると日本の経済は急速に悪化。極度のインフレが発生し、缶ビールが1缶1,000円する時代に突入する。金を持つ一部の強者だけがこの世の春を謳歌し、金を持たない弱者は徹底的に虐げられ、搾取される完全なる格差社会が誕生した。
そんななか、過去2作で金を手に入れては失うを繰り返してきたカイジ(藤原竜也)も最底辺の暮らしを送っていた。派遣会社で安い賃金でこき使われ、明日をも知れぬ毎日。そんなとき、「帝愛グループ」の地下帝国でともに強制労働を強いられていたハンチョウ(松尾スズキ)が、一攫千金の話を持ち掛けてくる。そうしてカイジは再び命がけのギャンブルの世界に足を踏み入れることになる。はたしてそれは、日本全体を巻き込んだ大博打に発展していくのだった。
シリーズ過去作では、現代の社会を生きる“ダメ人間=クズ”たちのどうしようもない生き様と、そこから這い上がろうとする「蜘蛛の糸」的な闘いを描いてきたが、本作ではディストピア化した近未来の日本が舞台となっていて、なかなか皮肉が効いている。
ダメ人間=クズが、“金を持たない弱者=クズ”という構図に置き換わり、そこで描かれる世界観も、もしかしたらありえるかもしれない未来であって、かなりヒヤリとさせられる。そんな社会を作り上げた強者たちにギャンブルで戦いを挑むカイジたちに、思わず声援を送りたくなってしまうだろう。
同門対決⁉ 意外にもスクリーンで初顔合わせ 竜也vs鋼太郎
凝ったギミックや命がけのゲームはもちろん、出演者たちの激しい演技バトルも大きな見どころだ。もちろんカイジ役は、スクリーンに登場するだけで体感温度を急上昇させる男、藤原竜也。
過去作では香川照之や伊勢谷友介といった、これまたスクリーンに登場するだけで湿度を上げる男たちと激しいバトルを繰り広げてきたが、本作で対峙するのは、あの吉田鋼太郎。故・蜷川幸雄を師と仰ぐ、いわば同門対決の様相だ。過去には取っ組み合いの大ゲンカをしたこともあったという2人だが、蜷川の仲裁によって関係を修復したそうで、今ではがっぷり四つで共演するまでになった。
そんな関係性の竜也と鋼太郎だけあってか、とにかくスクリーンから発せられる“圧”がスゴい。顔、眼、声、ありとあらゆる“圧”を使って観客を圧倒してくる。お互いの呼吸を知り尽くしている2人だけに、絶妙な関係性が生み出すヒリヒリした緊張感で観客はノックアウト必至。卓越した役者たちによる、まさに火花飛び散るバトルをぜひ堪能していただきたい。
『カイジ ファイナルゲーム』は2020年1月10日(金)より全国公開