Netflixがベイに予算と自由を与えたベイ史上ベイ度MAXのベイ映画登場!
主演のライアン・レイノルズが「マイケル・ベイ史上、最もマイケル・ベイ作品」と太鼓判(?)を押すサスペンス・アクション映画『6アンダーグラウンド』(2019年)がNetflixで独占配信中。『バッドボーイズ』シリーズ(1995年~)や『トランスフォーマー』シリーズ(2007年~)で披露してきた爆破フリークぶりをマイケル・ベイ自ら更新した、超ド派手なアクションが堪能できる快作に仕上がっている。
本作をざっくり説明すると、各々超一流のスキルを持つ男女が一切の過去を抹消し、法では裁けない悪を討つ! というお話。……内容としては本当にそれだけで、他に言及しておくべき情報は特にない。ただし、最初から最後まで瞳孔全開のハイテンション演出が貫かれていて、感覚としてはレイノルズがベラベラと喋る合間に必ず爆発か人死にが挿入される、くらいのレベルだ。
「何やってもOK」の主人公たちが繰り広げるタガの外れたアクション
主人公はレイノルズ演じる1(ワン)で、2~6の数字で呼ばれる仲間たちとチームを組んで極秘ミッションを遂行しているが、その他の詳細は不明。億万長者のワンが私財を投じてチームを維持しているようだが、共通しているのはメンバー全員が過去やプライベートを消された“ゴースト”であり、何をしようが裁かれることがない“自由”が保証されている。
この設定によって、煩わしい現実的な手続きや諸問題から開放されたキャラクターたちが、ベイの広げた風呂敷の上で奔放に暴れることが可能になった。通常アクション映画におけるカーチェイスシーンでは主人公たちは一般人を巻き込まないことがお約束になっているが、本作では思いっきり通行人を跳ね飛ばしているあたり、ベイの破綻した倫理感が暴発……もとい、製作上かなりの自由が与えられていたことが伺える。
危険度(と予算)を考えると背筋が凍るフレッシュなアクション満載!
冒頭のカークラッシュ~銃撃戦からエグい死に方のオンパレードなのだが、その合間に非常にしょうもないギャグを挟んでくるものだから、観ている側からすると理解が追いつかず思考停止状態に陥ってしまう。まさに言葉を失うとはこのことだが、それでも痛快なアクション映画であることに疑いの余地はない。科学考証はさておき、まるで『ふしぎの海のナディア』(1990~1991年)の“スーパーキャッチ光線”を小型兵器に落とし込んだような物騒なブツが活躍するシーンは、間違いなく本作のハイライトだ。
2010年代も最後の年にパルクール・アクションを大フィーチャーしていることに若干驚きつつ、『プロジェクトA』(1983年)のジャッキーに捧げたオマージュのような落下シーンなど、背筋が寒くなる危険なスタントも盛りだくさん。ターゲットの警戒心をMAXまで上げてから本チャンのミッションに挑む無謀さなどツッコミどころは多々あるものの、すぐにマイケル・ベイ作品にツッコむほど野暮なことはないと気付かされる。
個性的なメンバーが登場する楽しいチームものならではのツラい展開も盛り込まれ、鑑賞後は近所をひとっ走りしたくらいの心地良い疲労感(と脳クラ状態)を味わえる本作。「独裁者を手助けするのは国営テレビだ」というガツンとくるセリフもあったりするが、ひとまず何も考えずお菓子でも食べながら鑑賞することをオススメしたい。
『6アンダーグラウンド』はNetflixで独占配信中
『6アンダーグラウンド』
自らの死を偽装したテック界の大富豪が、卓越した技能で世界を股にかけて活躍する男女を集めチームを結成。傍若無人な独裁者を倒すため、"命"をかけた任務に挑む。
制作年: | 2019 |
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監督: | |
出演: |
Netflixで独占配信中