体内に隠したドラッグが漏れちゃった
台湾に留学中のルーシーは学業そっちのけで遊び三昧のパリピっ娘。お股もゆるけりゃ押しに弱く脇も甘いルーシーは、クラブ遊びで知り合った男にそそのかされてホテルの一室に謎のカバンを届けることに。案の定これがヤクの取引で、残念なことにお相手は恐怖の韓国マフィア。言葉がまったく通じないうえに散々脅され、ついにはヤクの運び屋に。
しかもその方法が超雑! かつ、大変映画映えするもので、腹を掻っ捌いて体内に仕込み、「はい、バレずに母国に帰ってね」というハードコア仕様。しかしお届けミッション序盤で早くもアクシデント発生。ルーシーの体内に仕込まれたヤクが溢れ出ちゃってスパークし、どういうわけか脳がフル回転しだすのであった……。
気づけばパリピが神になっていた
スカーレット・ヨハンソン演じるルーシーがどんどん強くなる、どころか様々な力を手に入れ、ブラック・ウィドウをゆうに飛び越え無双状態になっていく。しかもゲームのようにレベル上げの鍛錬は必要なく、“離れた場所での会話も聞こえる→電波も自在に操れるようになりテレビに映ったりできる→髪型も色も変幻自在→手をかざすだけで人がぶっ倒れる”などの能力がカウントダウン式に増加。一応「韓国マフィアが追ってくる」というスリルはありつつも、脳がスパークしまくっているので「どうしよう!」なんてパニクることは一切ない。それどころか淡々と「私はこれで得た知識を人類に残す」とか悟っちゃったりして、気づけばパリピが神になっていた。
この手の映画に「科学的にありえない!」とか言い出すのは超絶野暮なことで、むしろありえないものをありえないように描いてくれるから楽しいんですよね。監督であるリュック・ベッソンも、本作が科学的に間違いがあることを認めていて、そのうえで「SF映画なんだから面白ければOK!」と力強く発言なさってます。
しかしまぁ、こういう映画でも何百人という大人数が関わっているんですよ。大の大人たちが。そんなようなことを考えると、大変愛おしくなってしまいます。しかも本作の脚本、完成するのに9年もかけてるんですよ。9日じゃないですよ、9年です。人間の脳ってほんとうにすごいですよ!
文:市川力夫
LUCY/ルーシー
マフィアによって下腹部に謎の物質を埋めこまれたルーシー。その物質が体内で漏れ出したことで彼女の脳機能が目覚めてゆく。覚醒率20%、1時間で外国語をマスター、30%、自身の細胞をコントロール。だが100%覚醒が近付く中、彼女の能力が暴走し始める!
制作年: | 2014 |
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監督: | |
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