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あの暴力と残虐さが戻ってきた! T-800ことシュワちゃんが語る『ターミネーター:ニュー・フェイト』

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ライター:#小西未来
あの暴力と残虐さが戻ってきた! T-800ことシュワちゃんが語る『ターミネーター:ニュー・フェイト』
『ターミネーター:ニュー・フェイト』アーノルド・シュワルツェネッガー© HFPA

『ターミネーター』シリーズといえば、ジェームズ・キャメロン監督が関与した『ターミネーター』(1984年)と『ターミネーター2』(1991年)のみが正編であるというのは、ファンの意見が一致するところだろう。キャメロン監督にとって同シリーズは第2弾で完結していたものの、離婚時に権利を渡してしまったために、さまざまな会社が続編を作ってきた経緯がある。

だが、通算7作目となる『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019年)は、これまでの『ターミネーター』シリーズとは一線を画す。監督は『デッドプール』(2016年)のティム・ミラーだが、キャメロン監督が原案・製作で参加しているのだ。『ターミネーター3』(2003年)から『ターミネーター4』(2009年)、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015年)はなかったものとして、『ターミネーター2』の直接の続編として作られているという。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』© 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

否応なしに期待が高まるなか、このたびアーノルド・シュワルツェネッガーに20世紀フォックススタジオ内で先行取材を敢行。謎に包まれた本作について語ってもらった。

「クレイジーなスタントも自分でやりたがる、リンダのタフさには驚かされたね」

―サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンがシリーズに復帰しましたね。

素晴らしいことだ。『ターミネーター』シリーズの持つ魅力のおかげだと思う。このシリーズ、特に本作に成功してほしいと多くの人が思ってくれている。だからこそ、ジム(ジェームズ)・キャメロンが復帰して、ストーリー作りに関わってくれた。そして、ジムが戻ってきてくれたおかげで、リンダも復帰してくれることになったんだ。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』© 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

『ターミネーター2』からすでに25年以上が経過しているのに、いまでも彼女はスクリーン上で最もタフな人間を演じられることに驚いたよ。体作りはもちろん、ありとあらゆるスタントを自分でやりたがる。なかにはかなりクレイジーなものもあって、あのタフさには驚かされるね。彼女のトレーナーに話を聞くと、どんなハードなトレーニングを課しても文句ひとつ言わずにこなすというんだ。ビーチを何時間も走らせたり、50ポンド(約23キロ)の重荷を背負わせて2時間ハイキングさせたりしても、決して諦めない。おまけに彼女はメソッド俳優らしいところがあって、現場ではサラ・コナーのままでいるんだ。だから、共演するうえでは最高だよ。

―あなたが演じるターミネーターは歳を重ねていますね。

加齢に関しては、前作の設定通りだ。彼はマシンだから、中身は以前と変わらずパワフル。だが、表層を覆う肉体は人間と同じだから老けてしまう、というね。 中身はこれまで通り、<サイバーダインシステムズ・モデル101シリーズT-800>で、『ターミネーター2』でT-1000が登場するまでは最強のアンドロイドだった。そして『ニュー・フェイト』は、さらに洗練されてパワフルなRev-9というアンドロイドが登場する展開になっている。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』© 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

「スリルとサスペンスに満ちた『ターミネーター』を作るためには、最初の2作のような暴力や残虐さが必要だ」

―『ターミネーター2』のVFXは革新的でしたが、今回も何か見所はありますか? 

『ターミネーター』シリーズは常に革新的だ。1作目は技術的にはたいしたことがないかもしれない。だが“ターミネーター”という、映画史に残る悪者を生みだした。ジムの偉大な発明は、ターミネーターをアンドロイドにしたことだと思う。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』© 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

映画の中でターミネーターは警察署の警官を皆殺しにしたり、残虐なことをやってのける。なのに、テスト試写に招待したロサンゼルス市警の警察官たちは拍手喝采だった。ターミネーターは人間ではなく、機械だからこそ残虐行為が許されるんだ。もちろん、ジム・キャメロンの卓越した脚本と演出のおかげでもある。1作目は、その残酷さとサスペンスに満ちたホラー映画のような仕上がりだけれど、エンディングはとても感動的だ。

そして『ターミネーター2』において、ジムは人類を滅ぼそうとする邪悪なアンドロイドを、正反対の存在に変えてしまった。あれはとてつもない発明だったと思う。さらに、あの映画に採用されたVFXは他の映画では使われたことがないもので、その後、さんざんコピーされることになった。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』© 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

前作(『新起動/ジェニシス』)についてのわたしの不満は、アクションシーンの大半が、過去にやったものの焼き直しに過ぎなかった点だ。今回はストーリー作りにジム・キャメロンが参加してくれただけでなく、ティム・ミラーがメガホンを取ってくれている。彼はVFX畑出身だから、映像がとてつもなく素晴らしい。さらに、アクションに関しては過去の失敗から学んでいる。『ターミネーター』シリーズの基本はR指定のアクションとバイオレンスなのに、それをPG-13指定に合わせて抑えてしまったために、前作をダメにしてしまった反省があるんだ。

スリルとサスペンスに満ちた『ターミネーター』を作るためには、最初の2作のような暴力や残虐さが必要だ。ティム・ミラーはとてもクリエイティブな監督でアクションを知り尽くしているので、また革新的な映画になっていると思うよ。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』© 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

「ストーリーを知り尽くしているのに涙が溢れてきて、自分でも戸惑ったよ(笑)」

―ファンにはどんな点に注目して欲しいですか?

アクションやVFXよりも、エモーショナルな場面だね。実は、1ヶ月ほど前に仮編集版の試写をみせてもらったんだが、涙が溢れてきてしまった。自分でも戸惑ったよ。だって、ストーリーを知り尽くしているんだから(笑)。

―(笑)。

それほどよくできているんだ。たくさんの葛藤があって、憎しみや苦しみがあって、そのなかでサバイブしようとする物語だ。そして、1997年以降の新たなタイムラインはとてもパワフルだから、『ターミネーター2』のときと同じように、みんなきっとびっくりしてくれるんじゃないかな。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』アーノルド・シュワルツェネッガー© HFPA

取材・文:小西未来

『ターミネーター:ニュー・フェイト』CS映画専門チャンネル ムービープラスで2022年1月ほか放送

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『ターミネーター:ニュー・フェイト』

一度は回避したと思われた人類滅亡の日”審判の日“。だが、その危機はまだ終わってはいなかった…。人類の命運を握る女性を守る謎の強化型兵士グレースと、女性の命を狙う凶悪に進化を遂げた最新型ターミネーター REV-9との壮絶な攻防。そして彼らの前に現れる、サラ・コナーとT-800。人類と地球の未来をかけた壮絶な戦いの火ぶたが、再び切って落とされる…。果たして人類は再び”審判の日“を回避することはできるのか!?

制作年: 2019
監督:
出演: