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㊗ゴジラ生誕65周年!「ゴジラ・フェス2019」を徹底レポート!! 聖地にレジェンド勢ぞろい

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㊗ゴジラ生誕65周年!「ゴジラ・フェス2019」を徹底レポート!! 聖地にレジェンド勢ぞろい
「ゴジラ・フェス2019」

~ここでゴジラと出会った誰かが、未来のゴジラを支えていく ~

どうも、11月“2日”生まれで、あともう10時間ズレればゴジラと同じ誕生日だったことを根に持っているタカハシヒョウリです。

そう、11月3日はゴジラの誕生日=『ゴジラ』第1作が劇場公開された日。そんなゴジラの生誕をみんなで思う存分祝おうじゃないか、と2017年から開催されているゴジラの祭典が「ゴジラ・フェス」である。

2017年度は、新宿TOHO前の歌舞伎町・シネシティ広場で開催。文字通り人であふれかえるほどの大盛況を博し、2018年には舞台を日比谷ゴジラスクエア周辺に移しつつ、今年で3回目の開催となる。

1954年の公開から65年という節目を迎え、今年は前回以上にパワーアップした“ゴジフェス”が繰り広げられた。このレポートでは、そんな「ゴジラ・フェス2019」の様子を、ファン目線たっぷりで語りたいと思う。参加した人も、そうでない人も、会場にいるような気分で読んでもらえたら!

 

オープニングはゴジラ絵師・西川伸司先生によるライブドローイング!

朝10時、メインステージ会場となる日比谷ステップ広場は、すでに熱いゴジラファンでいっぱいに。前日までのうっすら雨予報もなんのその、しっかりと持ちこたえた空の下、まずは西川伸司先生による“初代ゴジラ”ライブドローイングから、ゴジラ・フェス2019はスタートした。

西川伸司先生は『ゴジラVSビオランテ』(1989年)以降、様々なゴジラ作品に参加している“ゴジラ絵師”界の第一人者だ。ご本人が「もう1万回以上はゴジラを描いていると思う」と語るように、そのペンはまったく迷いなくゴジラを描きだしていく。

65年前に銀座の街を蹂躙した初代ゴジラが時を超えて、真っ白なキャンバスの上に再びその姿を現していく。西川先生は「やっぱりここに覗き穴を描きたくなる」と、しっかり(中に入る役者さんの)覗き穴も書き込んでいた。

そして完成したゴジラ絵をバックに、初代『ゴジラ』(1954年)に主演した宝田明氏が颯爽と登場! まるでデヴィッド・ボウイかのような水色のスーツを着こなす85歳、カッコよすぎるゴジラ・レジェンドの登壇に、会場は大いに盛り上がった。

あの大物とまさかの邂逅! ミレゴジ・ハイタッチ会で奇跡が起こる

その後メインステージでは、ゴジラと触れ合えるハイタッチ会を開催。第1部には『ゴジラ』に登場する初代ゴジラ、2部には『ゴジラ2000 ミレニアム』(1999年)に登場する通称“ミレニアムゴジラ”が登場。
どちらも各時代を象徴するエポックメイキングなゴジラに会える貴重な機会ということで、大人も子供も最高の笑顔でハイタッチに参加していたのが印象的だった。もちろん僕もミレゴジとハイタッチ!

さらにサプライズとして、『GODZILLA ゴジラ』(2014年)『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)でゴジラのモーションアクターを務めたT・J・ストーム氏がハリウッドから緊急来日し、ミレニアムゴジラとの奇跡のツーショットを披露!

ここで、なんと僕もT・J・ストーム氏との邂逅を許され、私物の“ゴジラ法被”をプレゼントさせていただいた。

T・J・ストーム氏は真にゴジラ愛あふれるスーパーナイスガイで、僕の着ていたTシャツ(TJ氏の演じたゴジラのTシャツ)を指さし、たいへん喜んでくれた。

このスリーショットは一生の宝物になりました……(東宝さん、ありがとうございます)。

充実の展示コーナー! 宝田御大と奇跡のツーショット撮影にも成功

「ゴジラ・フェス2019」ではメインステージに加えて、各所での展示やイベントが同時多発的に行われており、まさに“フェス感覚”で好きな場所に出向き、展示やゲーム、コラボフード等を楽しめるようになっている。

東宝ツインタワービル内の展示スペースでは、赤く厳かにライトアップされた初代ゴジラがお出迎え。『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003年)に登場するゴジラと3式機龍の大型展示(“しらさぎ”の残骸や、メーサー車などのメカも楽しめる)や、劇中衣装の展示も行われている。

『ゴジラ FINAL WARS』(2004年)でドン・フライ氏が着用したコート、というちょっと変わり種の展示も面白い(マネキンにコートだけ羽織っていて、ちょっと変態感が醸し出されていた)。時間ごとにゴジラ(2002)が登場するグリーティングも、大人気だった。

「ゴジラ・フェス2019」

 

宝田明氏にもお会いすることができた!

さらに展示ゾーンでは、「ゴジばん」のコーナー&生公演も。

「ゴジばん」は、かわいらしくデフォルメされたゴジラが登場する人形劇で、初代ゴジラとリトルゴジラと平成キングギドラが共演する、という人形劇でしか見られない展開を見せていた。

キャラクターの大きさがかなりフリーダムで、かわいらしいキャラクター人形は手のひらサイズくらいだが、かたや大きなキャラクターは大人くらいのサイズがあるのがダイナミックだ。後述の「ちびゴジラ」ステージもそうだが、子供たちがゴジラの名前を熱心に呼んだり応援したりする姿には、ジ~ンときてしまった。

ゴジラは大人も楽しめる作品でありながら、同時に子供たちのヒーローであり、友達でもあり続けてきたのだ。

迫力のセットに憧れた幼少期の夢を叶えてくれるジオラマコーナーが白眉!

さらに今年は、来場者参加型の展示もある。

一つは、白い壁にゴジラへのメッセージを自由に書きこめる寄せ書きコーナーで、みんな思い思いのメッセージを残していた。多くの人のゴジラ絵が妙に上手いのが「子供の頃からゴジラ描いてきたんだろうな~」と感じさせてグッときた。

僕も一番好きなゴジラ怪獣、ガイガンを描き残しておきました!

もう一つ、面白い試みだと感じたのが、フィギュア持ち込み可能なジオラマコーナーだ。

お気に入りのフィギュアで本格的なジオラマ写真を撮れるという企画なのだが、市街地、荒野、海、そして溶岩と地割れと、シチュエーションも完備。

※ちなみに”溶岩と地割れ”のジオラマは、『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』(1965年)のラストバトルも再現できるように、というこだわりの発注だったそうだ。2つのフィギュアを持ち込んで再現した人はいるのだろうか(笑)。

お気に入りのソフビの写真をカッコよく撮りたくて巨大ジオラマに憧れた、そんな幼少期の夢を叶えてくれるナイス展示だった。惜しむらくは、早々に展示スペースの入場券が完売してしまったため、入場できなかった人が多かったと思われること。ぜひ別の機会に再展示をお願いします!

やけにマニアックな“Gフード”の数々……も超長蛇の列に惜敗!

また、ゴジラスクエア周辺では、コラボメニューとして様々なフードが楽しめた。

メインステージエリアのキッチンカーでは、メニューごとにスタンドカード(ここに使われている写真がだいぶマニアックだ)がもらえる“Gフード”が販売されている。

海産物大集合な<『南海の大怪獣』セット>は、ゲゾラ(イカ怪獣)とガニメ(カニ怪獣)に、別作品に登場するエビラ(エビ怪獣)が合成されているという、無理やり感あるスタンドカードが魅力だ。

<アンギラスハイボール>には、アンギラスボール(アンギラスが丸まった状態)の写真が付いてくる。熱狂的なアンギラシストにはたまらないだろう。

<モスラソーセージ>は、モスラを呼ぶ小美人を演じたザ・ピーナッツにかけて、ソーセージにピーナッツが添えてあるというこじつけ感も最高だが、実は使われているモスゴジ(『モスラ対ゴジラ』に登場するゴジラ)の写真がレアだったりもする。

……と、ここまで書きましたが、大人気で1時間並んでも買えませんでした! 食レポできず、すみません!! というわけで、日比谷シャンテ内のコラボ店舗のメニューを味わうことに。

ゴジラマーラースープは、コラボメニューといえど容赦しない激辛っぷりと、ゴジラの表皮~背びれに見立てたゴーヤを投入するという攻めた姿勢が素敵でした。

子供たちが小島よしおお兄さんと一緒にダンス!「ちびゴジラ」ステージ大盛況

と、すでにエグく文字数をオーバーしそうなので、少し駆け足でご紹介しよう。

限定品を含むグッズ販売はもちろん、子供たちにも大人気のゲームコーナー、西川伸司先生によるライブドローイングの追加描き込みや、淡路島に2020年にオープンすると話題の“実寸大”ゴジラのPR模型、今年もゲリラ的に登場したクレクレタコラなどなど、例年以上に充実した内容に。

再びのメインステージでは、「ちびゴジラ」ステージ前に集まった大勢の子供たちが小島よしおお兄さんのダンスに合わせて踊り、セイコー提供のステージではお値段130万円(!)のゴジラコラボ時計の発表会が行われるなど、コンテンツとしてのゴジラの現在進行形を見ることができた。

余談①:ちびゴジラシリーズのソフビ(ちびムービーモンスターシリーズ)はとても出来が良く、手のひらサイズもめっちゃキュートである。

余談②:65年前、セイコーのシンボルである銀座和光の時計台は初代ゴジラによって壊されたが、無許可だったこともあって当時の和光がこれに激怒し、東宝社員が数年間出入り禁止になったという逸話がある。

歴代のレジェンド監督たちが集結! アンギラスハイボールを酌み交わし赤裸々トーク

そして、メインステージ最後のイベントが「居酒屋ゴジラ」だ。

ゴジコン(以前<BANGER!!!>で取材させていただいた東宝内のゴジラ戦略会議)の海野さんを司会に、次々とステージに登壇したのは、平成のゴジラシリーズを支えた5人のレジェンド!

平成ゴジラシリーズのプロデューサーを務めた富山省吾氏、『VSビオランテ』(1989年)『VSキングギドラ』(1991年)の大森一樹監督、『VSモスラ』(1992年)などを手掛けた大河原孝夫監督、『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年)『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003年)の機龍シリーズを産んだ手塚昌明監督、そして『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年)や平成ガメラシリーズの金子修介監督!

平成の“ゴジラVSシリーズ”でゴジラと出会い、ミレニアムシリーズと共に大人になってきた世代としては、この5名が一同に会する光景は神々しいものがあった……。

かつてない超豪華監督陣が集結し、お酒(アンギラスハイボール)を飲みながらの赤裸々なトークイベントは、今後の新たなゴジラ作品にも思いを馳せる盛り上がりを見せた。そして、フィナーレとして来場したゴジラファン一同で「ゴジラ誕生会」を祝い、2019年の「ゴジラ・フェス」は幕を閉じた。

「ゴジラ・フェス」は“ゴジラ愛の連鎖”が形になる場所

ゴジラが生まれて65年、決して常にゴジラブームが巻き起こり続けてきたわけではない。ブームが去り、新作映画の製作が休止していた時期=ゴジラの休眠期も、一度や二度ではない。だが、そのたびにゴジラファンの声があがり、復活の気運を後押ししてきた。

現在のゴジラを取り巻く環境は、『シン・ゴジラ』(2016年)のヒットも記憶に新しく、ハリウッドでは『GODZILLA VS. KONG(原題)』の公開が控えるなど、新たなゴジラコンテンツが供給され続ける、何度目かの黄金期と言って良いだろう。

そして今日、また新しくゴジラと出会った誰かが、未来のゴジラを支えていく。

そんな“ゴジラ愛の連鎖”が形になる場所としての「ゴジラ・フェス」が、今後もゴジラのように姿を変えながら続いていくことを、いちファンとして願っている。

最後に、T・J・ストーム氏がTwitterで送ってくれた言葉を。

Long live the King!(怪獣王、万歳!)

取材・文:タカハシヒョウリ

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