世界中から優れた映画が一堂に会する「第32回東京国際映画祭」が2019年10月28日(月)より都内複数会場で開催。六本木ヒルズアリーナでは初日の恒例となったレッドカーペットが行われ、名だたる俳優や映画関係者が映画祭の開幕を華やかに彩った。
初日恒例! 人気俳優たちが練り歩くレッドカーペット大盛況
まずは今年のフェスティバル・ミューズを務める女優・広瀬アリスが登壇し、「この映画祭で皆さんが素敵な1本に出会えるよう、そして映画がもっと身近な存在になれば」と挨拶。
LDHとSSF&ASIAによるショートフィルム・プロジェクト『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』チームを代表し、俳優としても世界に羽ばたきつつある小林直己が「全5作品、必ず共感できる作品があると思います」とアピールした。
太宰治の傑作をリメイクした劇場アニメ『HUMAN LOST 人間失格』の声優・宮野真守は「ダークヒーロー作品であり、激しいアクション・エンターテインメント。皆さんの心に突き刺さること間違いなしです!」と傑作宣言。
日中合作スペクタクル『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』からは主演の役所広司、プロデューサーのテレンス・チャンらが登壇。役所は「色んな言語が飛び交う現場でしたが、真の映画好きが集まり、困難を乗り越えて完成しました」と振り返り、貴重な映画製作に関わることができた喜びを述べた。
そして寒空のなか集ったファンを気づかい、ひときわ黄色い声援を浴びたのはTwitter発の人気コミックを実写映画化した『殺さない彼と死なない彼女』の間宮祥太朗だ。
HBOアジア製作のTVオムニバス・ホラーの一遍、フォークロア・シリーズ『TATAMI』から、ホラー作品は初監督となる斎藤工や主演の北村一輝らがグロテスクなプロップ持参で登場。「日本ならではのフォークロア(民間伝承)として、英語訳のないものがいいと思った。その隙間や裏側に潜むものに対する恐怖を感じる題材として、日本的なものを意識しました」と、畳を題材にした理由を明かした。
日本が誇るミュージシャン、<YMO>細野晴臣は、デビュー50周年を記念して製作されたドキュメンタリー『NO SMOKING』を引っさげて登場。細野は「ずっと自分の姿を見ているのはツラい」と笑いを誘いつつ、50年というキャリアの重みを改めて実感したという。DJとして活動するほどの音楽通として知られる水原佑果と希子姉妹は「細野さんの音楽は人生の宝もの。一緒にレッドカーペットを歩けて光栄」と恐縮しつつも、きらびやかな衣装を身に纏い映画祭を楽しんでいる様子だった。
アンディ・ラウらと並び“香港四天王”と称されるアーロン・クォックは、ノラ・ミャオらと共演した人情ドラマ『ファストフード店の住人たち』で参加。『不屈の男 アンブロークン』(2014年)などハリウッドで俳優としても活躍するMIYAVIは今回、アメリカン航空のブランド・アンバサダーとして登場。
本年度のコンペ審査委員長を務めるのは、『初恋のきた道』『SAYURI』主演女優のチャン・ツィイー。
超ロングラン中の大ヒット作に新たなシーンを追加した『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』からは、のんと片渕須直監督が登壇。のんが「私の中でとっても大切な作品です。たくさんの方に観て頂ける機会をいただいて、ありがとうございます」と述べると、片渕監督は「まだ出来上がっていません。この後、編集室で完成します」と衝撃発言で会場をどよめかせた。
豪華キャストも話題の白石和彌監督作品『ひとよ』からは佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優らが揃って登場。佐藤は「家族に対して素直になれない男。そういう不器用なところは僕自身にもあるので演じやすかった」と、自身が演じた次男・雄二について振り返った。
そして23年ぶり50作目となるシリーズ最新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』からは山田洋次監督が、倍賞千恵子や前田吟、浅丘ルリ子、後藤久美子らおなじみのキャストとともに参加。山田監督は「渥美清さんがこの場にいないのは残念だけど、一緒に作ったという気持ちでいる」「50年かけて一つの映画を作ってきた、その年月だけは誇ってもいいかなと思う」と謙遜しつつ、天国の寅さんにメッセージを送った。
Netflixオリジナル映画『アースクエイクバード』からは、エディ・レッドメインと共演したトム・フーパー監督作『リリーのすべて』(2015年)でアカデミー助演女優賞を獲得したアリシア・ヴィキャンデルが、共演の小林直己と共に登場。若きスター俳優たちの登場に、ファンから歓声が沸き起こった。
第32回東京国際映画祭は2019年10月28日(月)~11月5日(火)まで開催。六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区)ほか、都内の各劇場および施設・ホールを使用。
第32回東京国際映画祭
2019年10月28日(月)~11月5日(火)まで開催。六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区)ほか、都内の各劇場および施設・ホールを使用。