2019年11月は俳優マッツ・ミケルセンから目が離せない1ヶ月! 11月8日(金)には『永遠の門 ゴッホの見た未来』『残された者-北の極地-』と2本の出演作が同日に公開され、過去最大級に注目を集めているマッツ。しかもなんと、11月22日はマッツのお誕生日!!
ということで、54歳(キアヌのひとつ下)を迎えるマッツをお祝いしつつ、マッツが過去に出演した代表作をざっと紹介しよう。1作品でも観れば異様な存在感を放つマッツの虜になり、マッツ沼にハマること間違いなしだ!!
マッツ劇場開幕! サイコパス紳士ハンニバル・レクター博士を嬉々と演じる
まずご紹介するのは、殺人鬼役の“恐マッツ”に加え、ヨダレものの“マッツ・キッチン”要素も楽しめるという、まさにマッツガチ勢へのご褒美とも言えるサイコスリラードラマ『HANNIIBAL/ハンニバル』(2013年~)だ。もちろんマッツが演じるのは、若かりしハンニバル・レクター博士。レクター博士といえば『羊たちの沈黙』(1991年)シリーズでおなじみの変態紳士だが、同シリーズではサイコパスへの覚醒を描いた『ハンニバル・ライジング』(2007年)と、ついに逮捕される『レッド・ドラゴン』(2002年)までの期間が描かれる。
知られざる名作『アダムズ・アップル』(2005年)の全てを赦す“神マッツ”や、激重サスペンス『偽りなき者』(2012年)で見せた“枯れマッツ”からの“おこマッツ”とは一線を画し、『HANNIIBAL/ハンニバル』ではダークで耽美なマッツを堪能することができるのが最大のポイント。ファンの期待通り、マッツ版ハンニバルは匂い立つほどの色気を放っていて、シーズン1エピソード1で初登場したときには世界中のファンの悲鳴が聞こえた気がした。割と本気で。
ただし主人公は『レッド・ドラゴン』でハンニバルを逮捕した、特殊なプロファイリング能力で警察に協力している捜査官ウィル(青年時代)。精神科医として猟奇殺人事件の犯人についてFBIからアドバイスを求められるハンニバルだったが、サイコパスに同調しがちなウィルのほうに興味津々。趣味と実益を兼ねて捜査に協力するも、その描写はほとんどBLの世界である。また、美味しそうな(おそらく人間の)肉や臓器を旬の食材と共に調理するシーンも、マッツが作ってくれるなら何でも食べるゥ……というため息が全国から聞こえた。確実に聞こえた。
謎に興奮! マッツが太い荒縄でジェームズ・ボンドの股間を責める…‥!!
そんな若ハンニバルに起用されるきっかけになったであろう強烈な“悪マッツ”ぶりを披露したのが、長寿人気シリーズの通算21作目『007/カジノ・ロワイヤル』(2006年)だ。ダニエル・クレイグ演じる6代目ボンドの記念すべき初登場作品で、犯罪組織のぴっちり横分け会計士ル・シッフルを演じたマッツ。蝋人形のように冷めた表情と、涙腺異常のため左目から“血の涙”を流すという、マンガ以上にマンガ的な設定のカッコいい悪役だ。シリーズ毎に超個性的な悪役が登場する『007』だが、数字に関しては天才的でサイボーグみたいに冷酷なル・シッフルは、その中でも屈指の存在感を放っている。
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緊張感あふれるポーカーのシーンも見逃せないが、もっとも注目すべき(断言)は、素っ裸にひん剥いたボンドを荒縄で拷問するシーンだ。荒縄の先端はズシリと重い球状に結ばれていて、イスに座らせたボンドの股間めがけてその縄でバチーンと打つ!……ッッッ痛!! 男性は思わず両足をキュンッと閉じてつま先をピンと揃えてしまうであろう、下腹部に激(鈍)痛が走る名シーンである。そんな活躍ぶりとは裏腹にル・シッフルの最期があっけないのは少し残念だが、ボンドの「痒い! もう少し右!!」という強がりも最高なので是非ご覧いただきたい。
さすがマッツ! あの『スター・ウォーズ』世界でオビワン級の存在感を放つ
そして天下の『スター・ウォーズ』ユニヴァースにマッツが初参戦したのが、『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』(1977年)につながるレジスタンスの捨て身の活躍を描いた『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)。本作でマッツが演じたのは、主人公の女性戦士ジン(フェリシティ・ジョーンズ)の父にして、あのデス・スターの開発に関わった科学者ゲイレン・アーソだ。
長らく惑星ラムーに身を隠していたゲイレンは、雨のせいか全身ずぶ濡れで登場。他のシーンでも屋外にいるときは漏れなく濡れていて、“枯れマッツ”と“汚マッツ”、そして“濡れマッツ”を同時に堪能できるレアな作品である。和服のようなジェダイ戦士っぽい衣装と無造作に結ったざんばら髪が大人の色気を放っていて、思わず自宅に招いて一緒に熱いシャワーを浴びたくなること間違いなしだ。
A father's love. #RogueOne pic.twitter.com/8pDOeuDOcw
— Star Wars (@starwars) November 11, 2016
銀河帝国の非道を阻止すべく戦ったゲイレンは、再会したジンに看取られながら息を引き取るのだが、フェリシティとマッツの見事な演技もあって、『スター・ウォーズ』作品の中でも最も泣けると言っても過言ではない感動的なシーンとなっている。今後そうそう出演することはないと思うが、SF世界でも変わらぬ存在感を放つマッツを“宇宙(そら)マッツ”と呼ぶことにしよう。May The Matz Be With Us……
そしてマッツは、かねてから親交の深い小島秀夫が手掛ける最新ゲーム「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」(2019年11月8日発売)にも登場。映画以上の壮大な世界観の中で怪しい魅力を放つマッツは、ゲームファン/映画ファンともに必見だ。
CS映画専門チャンネル ムービープラスにて2019年11月に、特番「“北欧の至宝”マッツ・ミケルセン/来日密着特番 マッツ100%」と出演映画『偽りなき者』放送