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DC映画最新作『ジョーカー』公開前にチェック!G・デル・トロ監督やZ・スナイダーがDCヴィランの魅力を語る『Necessary Evil/DCスーパー・ヴィラン』

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ライター:#杉山すぴ豊
DC映画最新作『ジョーカー』公開前にチェック!G・デル・トロ監督やZ・スナイダーがDCヴィランの魅力を語る『Necessary Evil/DCスーパー・ヴィラン』
『Necessary Evil/DCスーパー・ヴィラン』Necessary Evil : Super-Villains of DC Comics TM & © 2013 DC Comics.© 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

DCコミックのヴィランの魅力を徹底解説!

『Necessary Evil/DCスーパー・ヴィラン』は2013年に製作されたドキュメンタリー番組です。タイトルからわかるとおり、バットマンやスーパーマン等でおなじみのDCコミックのヴィラン(悪役)たちに焦点をあてたもの。コミックのコマや、映画、ドラマ、アニメ、ゲームになった映像をちりばめながら、様々な識者やクリエイターがDCコミック・ヴィランの魅力を語る構成になっています。

2013年制作というのがポイントで、前年に映画『ダークナイト ライジング』(2012年)が公開され、クリストファー・ノーラン監督による<ダークナイト(つまりバットマン)3部作>が終了。本作と交代するようにTVシリーズ『ARROW/アロー』がスタート、そして2013年にザック・スナイダー監督による、新スーパーマン映画『マン・オブ・スティール』が封切られます。

コミックの方では、2011年から「NEW52」という仕切り直しの世界観の中で、DCヒーローたちの物語がリブートされていました。つまり、ちょうどDCコミックが新しいステージに向かおうとしている節目のタイミングで作られたわけです。それゆえ、今までのDCの総括と、これからのDCの在り方を示唆する内容となっています。「6年前のドキュメンタリー?」と思われるかもしれませんが、ズバリ! 今だから見る価値があるのです。

タイミングもバッチリ! DC映画が公開されまくった今だからこそ観る価値あり

というのも、この6年の間に『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』『スーサイド・スクワッド』(2016年)『ワンダーウーマン』『ジャスティス・リーグ』(2017年)『アクアマン』(2018年)『シャザム』(2019年)と、DCヒーロー映画が立て続けに封切られました。

また、ドラマの方も『ARROW/アロー』『THE FLASH/フラッシュ』(2014年~)『SUPERGIRL/スーパーガール』(2015年~)『レジェンド・オブ・トゥモロー』(2016年~)『GOTHAM/ゴッサム』(2014年~)等がスタートし、おなじみのDCキャラがぐっと増えています。

2013年に、なんの予備知識もなくこのドキュメンタリーを見たら「『スーサイド・スクワッド』って???」となっていたでしょうが、映画『スーサイド・スクワッド』を知った後ならば、この番組で語られていることがより面白く、なるほどと感心しながら楽しめるハズです。

『Necessary Evil/DCスーパー・ヴィラン』Necessary Evil : Super-Villains of DC Comics TM & © 2013 DC Comics.© 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

現実世界の問題がヒーロー物語におけるヴィランの本質を変えた!?

本作品で主張されているのは、「ヒーローものにとって欠かせないのはヴィランであり、なぜならヴィランが事件を起こすから物語が生まれる」「ヒーローとヴィランは表裏の存在である」ということです。

ある意味、今までヴィランについて言われていたことを系統だててわかりやすく伝えてくれているのですが、僕にとって新鮮だったのは「今まではヒーロー=善、ヴィラン=悪であり、だからヒーローものというのは<善と悪>の物語だったが、9.11テロやリーマン・ショック以降、善と悪ではなく<秩序と混乱>という二元論が重要なテーマになり、従ってヒーローとは秩序のシンボル、ヴィランは“混乱の象徴”になった」というくだりです。

こう書くと理屈っぽい教養番組みたいに思われるかもしれませんが、先にも述べたように、コミックや映画等の名シーンを用いて解説してくれるし、コミックの重要エピソードも教えてくれるので、“ヴィラン辞典”的楽しさがあります。

『Necessary Evil/DCスーパー・ヴィラン』
ブルーレイ ¥2,381+税
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
Necessary Evil : Super-Villains of DC Comics TM & © 2013 DC Comics.© 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

人気ヴィラン待望の単独作『ジョーカー』の予習としてもオススメ!

それにしても、DCは本当に魅力的なヴィランが多い。もともとDCとは“ディテクティブ・コミック”の略。ディテクティブとは探偵・刑事の意味ですから、犯罪アクションものの遺伝子があるわけです。なので、悪人・悪党による悪だくみというのが重要な要素であり、それゆえに魅力的なヴィランを輩出しやすいコミックだったのかもしれませんね。

もうすぐDCコミック、いやアメコミ史上最高のヴィランを描いた『ジョーカー』(ホアキン・フェニックス出演)が封切られます。『ジョーカー』を観る前に、ぜひ本ドキュメンタリーでDCヴィランの素晴らしさを予習してください。

文:杉山すぴ豊

『Necessary Evil/DCスーパー・ヴィラン』はCS映画専門チャンネル ムービープラスにて2019年9月放送

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『Necessary Evil/DCスーパー・ヴィラン』

ジョーカー、キャットウーマン、ドゥームズデイ・・・なぜ悪役は魅力的で、ヒーロー映画に不可欠な存在なのか?ザック・スナイダー、ギレルモ・デル・トロら、名だたるクリエイターのインタビューを中心にDCコミックスの70年に及ぶ“華麗なる悪役”の歴史を紐解く。

制作年: 2013
監督:
出演: