『カメ止め』を観た方がみんな宣伝マンになってくれた
コミコン会場限定で販売された鮮やかなスカイブルーのカメ止めTシャツを着用して登場した上田監督。まさにゾンビに感染するがごとくじわじわと全国規模で口コミが拡がり、“カメ止め現象”とまで言われるほどの超絶ヒットを記録中の『カメラを止めるな!』について、あらためて語ってくれた。
―どうですか「東京コミコン」!?
いや~僕、今まで来たことなくて。一昨日(開催初日)初めて来させていただいて、今日2日目なんですけど。全く知らなかったので、こんなに素敵な場所で、こんなに多くの方が来られているなんて……。しかも、歩いてる人たちの温度というか、熱量が高いですね。みんな楽しそうに歩いてるので。
―さきほどメインステージでもトークショーも行われてましたが、ものすごいファンの数でしたね。大盛り上がりでした。
ありがたいですね~。「アツアツですかー!!」やらせていただきました(※劇中のセリフにちなんだコールアンドレスポンス)。
―日本だけでなく世界中で大ヒットしている『カメラを止めるな!』ですが、ここまで大きくなると思っていましたか?
まったく……ここまで大きくなるっていうのは、ほんとに地球上の誰ひとりとして想像できてなかったことだと思います(笑)
―最初は2館から公開が始まったとのことですが、ここまで広がったきっかけみたいなものはあるんですか?
去年の11月に、この作品って、新人監督と新人俳優がワークショップとか演技レッスンを経て映画を作るというもので、6日間のイベント上映で終わるはずだったんですけど、評判が良かったので、2館で3週間から公開が始まって。(※最終的には340館までに拡がり、動員200万人を突破している)
公開前から業界内ではすごく話題にしていただいてたんですけど、実際に公開してから一気に一般の方とか芸能人の方とかが(SNSで)つぶやいてくれたりとかで、ほんとに口コミで広がったっていう感覚が大きいですね。ファンの方が一緒に広めてくれたというか、観た方がみんな宣伝マンになってくれたっていうのが、この映画の特徴かなと思います。
―色んな口コミとか評判とかたくさんあったと思うんですが、エゴサーチとかしましたか?(笑)
エゴサーチしかしてないです、っていうくらいに(笑)。でも多分それが大きかったんだと思います。公開1~2週目とかは、僕もキャストも時間があったらエゴサーチして、「いいね!」してリツイートして、コメント返してっていうのをして、お客さんとキャストの距離がすごく近かったので、それもこの映画が広がった要因かなと。
―ブルーレイ/DVDの中でも、メイキングだったりをキャストさんやスタッフさんが撮影しているので、本当に距離感が近いという気がしました。鑑賞2回目以降の方たちのために、ブルーレイ/DVDを観る上での楽しみ方などがあったら教えてください。
特典映像もそうですが、映画館では“止めて”観ることができないじゃないですか。ブルーレイ/DVDだと好きなシーンを見返したりとか、自分の好きな表情を一時停止して眺めたりとか(笑)、今までできなかった楽しみ方が増えるので、自分だけの楽しみ方を探してほしいです。
もちろん映画館で知らない方々と観るのもいいですけど、部屋の中でゴロンと寝っ転がって、家族や恋人、友達と一緒にツッコミながら観たりとか。色々と楽しみ方は増えると思います。
『カメ止め』はゼロ歳児からおじいちゃんおばあちゃんまで楽しめる!
―37分のワンカット、大変じゃなかったですか?
……大変でした、もちろん!(笑)
―ハプニングとかもありましたか?
いっぱい……むしろハプニングはないといけないなと思っていたので。例えば、あれは全部ワンカットで6テイク撮ってるんですけど、6テイク目のレンズに血がプシャーッ! とかかるのは本当のトラブルですし、ゾンビメイクが遅れちゃってなかなかゾンビが出てこなくて、役者がアドリブでつないでる時間があったりとか。そういうトラブルが起きて、二度と撮れないような熱量とかライブ感みたいなものが生まれたっていうのが大きいかなと。
―それはブルーレイ/DVDで観る時にチェックしたいポイントですね!
メイキングとか、あとオーディオコメンタリーが2種類入ってるんですけど、そこで裏話とかを話してるので、それを聞いてからまた本編を観ると、色々と見え方が変わってくると思います。
―普段からゾンビ映画とかはお好きだったんですか?
好きなんですけど、なんかA級のものよりも、ちょっとB級のホラー映画とかゾンビ映画とかが好きで。大作じゃなくて、なんかちょっと“小ぶり”な?(笑)。ツッコミどころが多いくらいの映画が好きで、最初の37分のワンカットとかは、そういうものを作りたいなっていう部分が出てると思います。
―今後の企画などについて、言える範囲で教えてもらえますか?
発表している段階だと、来年の春あたりに<松竹ブロードキャスト>っていうところでオリジナルの長編を撮ります。
―『カメラを止めるな!』がすごく大きくなったことによって、プレッシャーみたいなものはありますか?
うーん、ないと言ったらウソになりますけど、今はありがたいことにまだまだ『カメラを止めるな!』が落ち着かないので。なんか、不安とかってヒマな夜とかに襲ってくるじゃないですか(笑)。今のところは毎日忙しくさせていただいてるので、まだそんなにプレッシャーとか不安を感じているヒマがないっていうのがありますね。
―私生活に変化は? めちゃくちゃモテたりしてませんか?
それは初めて聞かれましたけど、モテませんよ全然(笑)。私生活の変化は、めちゃくちゃ忙しくなったっていうことと……あと、妻も映画監督をしていて。しかも、この映画のロゴのデザインをしてくれたりとか、一緒にがっつりトークイベントに出たりとかしていて……だから(他の)女性は来ませんよ(笑)。まあでも街で声をかけていただいたりとか、そういったことは増えましたね。
―それでは『カメ止め』ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
ブルーレイ/DVDが12月5日に発売しましたが、映画館でもまだ公開しています。まだ観ていない方もいらっしゃると思うので、出遅れてしまって「もういいや!」という方もそうは言わずに、今からでも間に合いますので(笑)。あと「ゾンビ映画とかホラー映画が苦手だから」という方もおられるんですけど、でも本当にゼロ歳児からおじいちゃんおばあちゃんまで楽しんでいただけていると実証されてますので、騙されたと思ってぜひ、観てみてください!
イチオシ特典映像はヒロイン・秋山ゆずきの“胸盛り”講座!?
この日、多くのセレブリティゲストが登壇した「東京コミコン」のメインステージでは、上田監督と市橋浩治プロデューサーがブルーレイ/DVDの現物を初公開しつつ紹介した。
『カメ止め』ブルーレイ/DVDには、作品の全シナリオなどを収録したボリューミーな豪華ブックレットに始まり、特典映像としてオーディオコメンタリー、撮影の様子、配役前のリハーサルから未公開シーン、100日以上におよんだ舞台挨拶のハイライト、ワークショップ時に制作した短編映画、さらにポン護身術教材ビデオなどなど、ファン垂涎のレア映像が(本編96分に対して)計132分も収録されているとのこと。
さらにはステージ上で、その膨大な特典映像の中身をチラッと公開。臨場感たっぷりのリハの様子はもちろん、特にヒロイン・秋山ゆずきの“胸盛り”の一部始終を収めた映像は、色んな意味で必見。ぜひ『カメ止め』ブルーレイ/DVDを購入して、思う存分カメラを止めまくったりスロー再生で堪能してほしい。
上田監督が「ジェレミー・レナーと『バーフバリ』(ラーナー・ダッグバーティ)に挟まれる人生なんて想像しなかったですよ!」と言うとおり誰もが予想していなかった“カメ止め現象”は、まだ始まったばかりだ。
『カメラを止めるな!』ブルーレイ&DVD発売中!