今度のキアヌは極寒ロシアでマフィアにビビりつつ現地女性とイチャコラする!
人気シリーズ最新作『ジョン・ウィック:パラベラム』の日本公開を2019年10月に控えるキアヌ・リーヴスが、闇の宝石商に扮するサスペンス・アクション『ブルー・ダイヤモンド』が2019年8月30日(金)から公開。キアヌがロシアで凶悪なマフィアと取引したり現地の女性とニャンニャンしたりする、キアヌガチ勢は必見のキアヌ映画だ。
今回キアヌが扮するのは、いくつも修羅場をくぐり抜けてきたらしい裏世界の宝石商ルーカス。位置情報を探知されるスマホは使わず、使い捨てケータイ&SIMをいくつも持っていたりと、なんだかスパイのような物々しさである。常に無表情で寡黙……まあこれはもともとそういう顔なのでアレなのだが、その割にさびしんぼで性にも積極的という母性本能をくすぐりそうなキャラクターである。
物語の主な舞台はサンクトペテルブルクと、ダイヤモンド鉱山で有名なシベリア地域のミールヌイ。希少な“ブルーダイヤモンド”の取引にはるばるアメリカから出向いたルーカスだったが、現地で落ち合うはずの仕事仲間ピョートルが音信不通に。困ったルーカスは、取引相手であるロシアンマフィアのボス、ボリスと交渉し2日間の猶予を確保する。
ジョン・ウィック先輩ならばちょちょいと屠ってしまうであろう相手でも、特にケンカが強いわけでもないフツーのキアヌにとっては相手が悪い。とはいえ不慣れなロシアの地で浮足立つような感覚と、現地マフィアの底知れない怖さをアピールすると同時に、流暢なロシア語を披露するキアヌも堪能できる良いシークエンスだ。
異常な状況に流されつつも静かに運命を受け入れるキアヌ……
本作はめちゃくちゃハードボイルドなサスペンス・アクションのように謳ってはいるものの、『ジョン・ウィック』のような超展開を期待していると肩透かしを食うかもしれない。アクション映画ファンとしては、アメリカから来た洒脱なキアヌと熊のようなロシアの荒くれ者たちとの間にゴツゴツとした友情が芽生え、納屋から猟銃を持ち寄ってシベリアのログハウスで凶悪なロシアンマフィアと戦う……! みたいな展開が希望だが、そういった要素はクライマックスまでお預けである。
むしろ往年のロシア映画のような趣があり、愛欲と金、そしてウォッカ(酒)が物語の重要な構成要素になっている。冒頭から特に説明もなく、人生の悲哀や虚しさを説くような雰囲気が充満している。
今回のキアヌ演じる主人公・ルーカスは、自らヌルッと罠に飛び込んでいくような諦観すら感じさせる。クライマックスの激しいアクションシーンは、ケジメの象徴として淡々と描かれていて逆に印象的だ。ここまでストイックに描かなくても……と若干心配になるレベルだが、ケレンの連続みたいな暗殺者映画が大ヒットしている今、これくらい渋い演出のほうが新鮮なのかも。ともあれファン的には、翻弄されまくり、かつ困り顔のキアヌを全力で楽しんでいただきたい。
ちなみに、チラッとしか登場しないルーカスの奥さんギャビーを演じている人、どこかで見たことあるな……? と思ったら、『ブレックファスト・クラブ』(1985年)『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986年)のモリー・リングウォルドだった! ジョン・ヒューズ作品のファンは要注目だ。
『ブルー・ダイヤモンド』は2019年8月30日(金)より全国ロードショー
『ブルー・ダイヤモンド』
希少な最高純度のブルー・ダイヤモンドの取引のためにロシア・サンクトペテルブルクを訪れた、宝石商のルーカス。ところが、ダイヤを所持していたビジネスパートナーとの連絡が途絶え、ルーカスは伝言を便りに彼を追ってシベリアへと飛ぶ。親密になった現地のカフェの女主人を巻き込み、苦労の末にダイヤを見つけ出すが、それは巧妙に作られた偽物だった。期日が近づき、取引相手のロシアンマフィアの手が迫るなか、果たしてルーカスは一世一代の取引を成功させることはできるのか……⁉
制作年: | 2018 |
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監督: | |
出演: |
2019年8月30日(金)より全国ロードショー