アニメ・ゲーム世代に受けたバットマン・キャラ
映画『スーサイド・スクワッド』(2016)を成功に導いたのは、なんといってもマーゴット・ロビー演じるキュートなサイコ美女ハーレイ・クインです。
もともとバットマンのコミックにはキャットウーマンやポイズン・アイビー、バットガール等の魅力的な女性キャラが多いのですが、そうした先輩たちをおしのけ人気No.1になったのがこのハーレイ・クインです。エリート女性心理学者がジョーカーの精神鑑定を担当したことがきっかけで、次第にジョーカーへ心酔。ついに女ジョーカーともいうべき危険な存在になっていきます。
実はこのハーレイ・クインはコミックスではなく1992年のバットマンのアニメでデビューし、その人気ぶりからコミックスに逆輸入されました。また、バットマンのゲームにも登場しブレイク。つまりアニメ・ゲーム世代に受けたバットマン・キャラと言えます。
アニメやコミックでは道化の格好をしているので、頭に角っぽいものがあるコスチュームですが、ゲーム版そして映画版ではこれをツインテールとしてアレンジし、女の子がコスプレしやすいキャラになりました。実際、日本でもモデルや女優さんがハロウィンの時にハーレイ・クインのコスプレをしてインスタ等にアップすることが多いので、女の子にとっても愛されるキャラです。
アニメ等では大きなハンマーをふりまわすのですが、映画版ではよりアクションがスマートになるようバットを使っています。コミックではジョーカーもハーレイ・クインも化学薬品で白い肌になるというくだりがあるので、その設定がこの映画の中にも活きています。また、この映画のハーレイ・クインは、首にプリンとかかれたアクセサリーをしていますが、なぜかジョーカーのことを“プリンちゃん”と呼ぶのです。
2020年にはハーレイ・クイン単独主演作が公開予定!
そして、マーゴット・ロビーのハーレイ・クインの人気を受けて、2020年公開予定でハーレイを主役にした『バーズ・オブ・プレイ そしてハーレイ・クインの素敵な解放(原題)』(『Birds of Prey (And The Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)』)という映画が製作されます。R指定の女の子犯罪アクション映画を目指すということなので、マーゴット・ロビーのハーレイがもっと過激に暴れまくるのに期待です!
“素敵な解放”というタイトルもポイントで、これはジョーカーから独立してハーレイが一人でやっていく、という意味なのかもしれません。これからのアメコミ映画界を牽引するマーゴット・ロビーのハーレイを『スーサイド・スクワッド』で楽しんでください。
最後にトリビアを。獄中でハーレイ・クインが読んでいる小説は、恋愛小説のブランド「ハーレクイン・ロマンス」です(笑)
文・杉山すぴ豊