アイデア勝負のハードルを見事にクリア! 快作ホラーの続編が早くも公開
コメディホラーの快作『ハッピー・デス・デイ』は、アイデアの勝利というべき映画だった。詳しくはこちらの記事を参照してほしい。
主人公が同じ1日を何度も繰り返すという設定は過去の作品にもあったが、この映画では同じ1日を繰り返し、何度も殺人鬼に殺される。殺されながら謎を解き、反撃し、人間的にも成長していくのだ。
斬新で先が読めない楽しさに満ちていたわけだが、じゃあその続編はどうなるのか。アイデアが重要な映画だけに、同じネタを使うわけにはいかないだろう。しかし連続性、共通性がなければ続編とは言えない。
そういったハードルを、続編『ハッピー・デス・デイ 2U』は見事にクリアしてみせた。ストーリーは1作目のラストと重なる時間帯に、しかし別の視点で始まる。鍵を握るのは、1作目で主人公ツリーが目覚める部屋のルームメイト。何度も繰り返された場面に出てくる人物なので、観客も当然「あぁ彼ね」と覚えているわけだ。
そこからは「お~そうなる!」「なるほどそうきたか」の連続と言っていい。まさにそれこそが、このシリーズの魅力なのだ。ループ=繰り返しの中で物語が進んでいくというポイントもバッチリ押さえられている。
日本の観客はラッキー!? 間を置かず2作連続鑑賞がオススメ
時間のループに加えて、今回の新展開はトレンドと言ってもいいマルチバース。つまりツリーの行動が、今度はいろんな次元の地球で展開されるのだ。
なぜ時間がループするのか? その理由も明らかになり、そしてツリーは驚愕の成長を遂げることになる。気持ちいいスケールの広がり方に加え、主人公の人生の選択はかなり切なく、ドラマとしての盛り上がり、掘り下げも充分。
実際の話、うまく1作目と連動しているので、もともと2部作的に構想されていたのかと思ったが、そうではないらしい。しかしやはり、このアイディアが浮かんできたからこそ2作目にもゴーサインが出たようだ。
1作目、2作目でセット感があるので、短いスパンで連続して上映されることになった日本の観客はかえってラッキーかもしれない。『ハッピー・デス・デイ』から『2U』、できるだけ間をあけずに観るのがオススメだ。
文:橋本宗洋
『ハッピー・デス・デイ』は2019年6月28日(金)、『ハッピー・デス・デイ 2U』は2019年7月12日(金)より公開
『ハッピー・デス・デイ 2U』
ベビー・マスクの正体を暴けば、タイムループ地獄から抜け出せる! ハズだったのに……ゲス美女ツリーは、またも殺される誕生日を繰り返すことになる
制作年: | 2019 |
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監督: | |
出演: |