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「息子をバスケで成功させたい」→「そうだ黒魔術だ!」血を吸うオカルト青春劇『ウリリは黒魔術の夢をみた』

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「息子をバスケで成功させたい」→「そうだ黒魔術だ!」血を吸うオカルト青春劇『ウリリは黒魔術の夢をみた』
『ウリリは黒魔術の夢をみた』
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信仰、スポーツ、恋、ドラッグ

『ウリリは黒魔術の夢をみた』という不思議なタイトルの映画が4月5日(土)より公開となる。アジア屈指の映画大国フィリピンで2018年に制作された『ウリリ~』は、とにかくガツンと脳天にくらってしまうショッキングな作品だ。

ピナツボ火山大噴火がフィリピン全土を揺るがした1991年、米軍の血が流れるひとりの赤ん坊「マイケル・ジョーダン・ウリリ」が生まれた。間もなく母親は黒魔術のもと、息子に《プロのバスケ選手となりNBAで活躍する》運命を授け、自分の命を捧げる。

月日は流れ、才能あるプレイヤーへと成長したウリリはアメリカ行きのチャンスを目前にするが、それは彼にとって「真夏の悪夢(Dog Days)」の始まりだった――。

母の愛とマイケル・ジョーダンと三菱ギャラン

冒頭からショッキングな展開で面喰らう。あらすじをチラ見して「バスケ選手を夢見る息子のために母親が禁断の黒魔術に手を出して……」みたいなお話かな? と思いきや、「自分の命と引き換えに、生まれたばかりの息子に“NBAで選手として成功する”運命を授ける」という、ありがた迷惑も甚だしい話なのだから。

『ウリリは黒魔術の夢をみた』

たしかにフィリピンではバスケットボールが国技並みの人気だが、主人公にマイケル・ジョーダン・ウリリというベタにもほどがある名を与えている。しかも、主人公の体型にバスケの天才としての説得力を乗っける気もないようだ。表面を取り繕うつもりがないというか、そんな衒いの無さはむしろ好印象だ。

『ウリリは黒魔術の夢をみた』

さらに、なつかしの「三菱ギャラン」がズバリ“いちばん大切なもの”として儀式に登場。最後の最後までギャランそのものとして重要な存在であり続ける。……何を言っているのか意味不明と思われるかもしれないが、これらはすべて本作の冒頭で明示される情報だ。いったいどんな映画なのか、気になってウズウズしてこないだろうか?

『ウリリは黒魔術の夢をみた』

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