マレーシア発『Brotherブラザー 富都のふたり』
好きなマレーシア映画は? そう聞かれて即答できる映画ファンは多くないだろう。1月31日(金)より公開となる『Brotherブラザー 富都(プゥドゥ)のふたり』を観ればその日から、あなたの“お気に入りのマレーシア映画”になるかもしれない。
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『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』
マレーシア・クアラルンプールの富都(プドゥ)地区にある荒廃したスラム街。この地域には不法滞在者2世とも言える、様々な国籍・背景を持つ貧困層の人々が多く暮らしている。そこで身分証明書(ID)も与えられず、兄弟として成長してきたアバンとアディ。
兄のアバンは聾唖(ろうあ)というハンディを抱えながらも、市場の日雇いで堅実に生計を立てていた。一方、弟のアディは簡単に現金が手に入る裏社会と繋がっていて、彼の行動は常に危険を孕んでいる。
そんなある日、アディの実父の所在が判明し、ID発行の可能性が出てきた。しかしある事件がきっかけとなって、二人の未来に重く暗い影が忍び寄る――。
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『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』
世界の映画祭を席巻し100万人の魂を揺さぶった感動作
マレーシア~台湾で100万人を動員する記録的ヒットをとばし話題を呼んでいる本作。2023年にイタリアのウディーネ・ファーイースト映画祭で最高賞を含む3賞を独占受賞したのを皮切りに世界16の映画祭で19の賞を受賞しており、今季アカデミー賞では国際長編映画賞マレーシア代表に選出。ここ日本でも多くのメディアや識者から絶賛されており、決してメジャーとは言えないマレーシア映画ながら期待値はピークに達している。
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『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』
本作で描かれるのは、荒廃したスラム地区で人間としての基本的な権利を奪われて生きてきた兄弟の過酷な運命だ。ブタ箱行きならまだしも、死すらチラつく世界で生きる弟アディ。かたやブルシット・ジョブを掛け持ちして箪笥貯金する(IDの問題で銀行口座も作れない?)兄アバン。冒頭から正反対の日常が描かれるが、2人の絆の強さ、なんの保証もない生活の危うさもひしひしと伝わってくる。
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『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』