『007』イオン・プロ製作!共演はジュード・ロウ
飛行機事故で家族を失い、悲しみにくれる日々を過ごすステファニー(演:ライヴリー)。ある日、事故がテロによるものだと知り、家族を殺した者たちへの復讐を誓う。元MI6の諜報員、イアン(ジュード・ロウ)の協力のもと、厳しい訓練を経て被害者から暗殺者へと変貌を遂げた彼女は、国際的な陰謀がうずまく世界へと足を踏み入れていく――。
かのイオンプロ肝いり、かつジュード・ロウ共演で話題を集めた本作だが、正直なところ映画ファンの評価はかなり厳しかった。しかし批評家ウケは悪くなく、実際、ド派手でスカッとするリベンジ系アクションを期待しなければ、かなり変わった作りながらウィットのある変身系アクションとして楽しめる。
序盤こそ痛々しさがあるものの、ロウ演じる師匠との修行シークエンスからはイギリス映画らしいグレーがかった曇天ビジュアルが00年代以降の英国スパイものアクションの趣も感じさせ、それだけで十分に興味を惹起させる。アクション展開をぶった切る地味な会話シーンの多さがアクション好きの不満ポイントの一つかと思うが、ライヴリーのアップ=表情演技が楽しめるので意外と苦にならない。
監督は名作『フローズン・リバー』の撮影を務めたアノ人!
そもそものライヴリー×アクションという意外性と、復讐パート以降の彼女のすっぴん素顔を含む七変化ぶりが楽しく、とくにメインビジュアルにも採用されている、ざっくり黒髪ショートのライヴリーはめちゃくちゃキュート。ブロンド長髪のイメージが強いだけに彼女と気付かないレベルなのだが、その変身美女ぶりを拝むだけでも観る価値アリだ。
そんな本作の監督は、隠れた傑作『孤独なふりした世界で』(2018年)で知られるリード・モラーノ。『フローズン・リバー』(2008年)では撮影監督を務めるなど静謐な作風イメージのあるモラーノ監督なのでこちらもやや意外性ありだが、中盤過ぎ~終盤のスリリングなカーアクションや爆破シーンを含め非常に見どころが多い作品である。
『リズム・セクション』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「木曜アクション」で2025年1月放送