CS映画専門チャンネル ムービープラス開局30周年記念イベントの「アサイラム祭り」が2019年7月1日、渋谷・LOFT HEAVENにて開催された。会場限定のアサイラムグッズの販売や、アサイラム最新作『ロード・オブ・モンスターズ』のプレミア上映などファン垂涎のイベントとなった「アサイラム祭り」。そのハイライトとして行われた豪華トークショーの様子を超かいつまんでレポートしよう。
『ロード・オブ・モンスターズ』については、知的風ハット氏のレビューを参考にされたし!
本日初売り!アサイラムTシャツや、シャークネードのグッズも販売いたします。【アサイラム祭り】18:30開場、19:00開演 pic.twitter.com/e968zHUA3P
— ムービープラス【公式】 (@movie_plus) July 1, 2019
熱気ムンムン! アサイラムファンの精鋭たちが集結!
それぞれアサイラムTシャツ着用でステージに登場したのは、お宝映画発掘家・中野ダンキチ、映画イラストライター・三留まゆみ、サメ映画ライター・知的風ハットの3名。和気あいあいとした雰囲気の中、豪華ゲスト陣による奔放なアサイラムトークが繰り広げられた。
中野ダンキチ(以下、中野):まずは『ロード・オブ・モンスターズ』をご覧になって、いかがでしたか?
三留まゆみ(以下、三留)知的風ハット(以下、ハット):……。
中野:は、早くも言葉に詰まっている!w
ハット:会場の皆さんはすごく盛り上がって観てらっしゃいましたけど、僕が部屋にこもって観たときはずっと真顔だったので……ほんとに同じ映画を見てるのかな? って。
(会場爆笑)
ハット:ただ、いつものアサイラム作品よりは面白いな~と思いながら(笑)
三留:なんか、待たされて待たされて、1時間くらい経って“怪獣キターー!!”みたいなところはあったかなあ。「怪獣が~!」って言いながら、なかなか見せてくれないから。「津波が~」とか言ってたのに、どっか行っちゃったし(笑)。そのへんのいい加減さがやっぱり良いなあと思って。
中野:いいですよね~。
(以降、ストーリーへのツッコミタイム)
三留:裏切らないよね、アサイラムは。
ハット:あ、うん、どうでしょう? ……裏切らないですね!(笑)
大胆予想! 多頭サメ映画シリーズは最終的にどうなってしまうのか?
Cus 6 heads are better than None! pic.twitter.com/kbNmipZOnJ
— The Asylum (@theasylumcc) May 9, 2018
中野:では、そんなアサイラム映画の魅力とは?
三留:えっと……「中学生が考えた映画」(笑)。「こんなシーン、バカにされないかな?」みたいなことを大人が全部やります! ときめいちゃったり、あんなCGでも許せちゃう(笑)のは、やっぱり心に響くものがあるんだよね。他の今の映画なんて「ここからCGです」って言われなきゃわかんないけど……。
中野:アサイラムは観た瞬間に「CGだ!」って分かりますもんね(笑)
三留:愛おしい!
ハット:実際そういうところに温かみというか、アサイラムの良さがあるんじゃないかなとは思いますね。
(再びストーリーへのツッコミタイム)
中野:それではお二人の好きなアサイラム作品は?
ハット:ご存知の方も多いと思うんですが、『案山子男』(2002年)っていう作品がありまして。内容としては、いじめられっ子の魂がそのへんの案山子に乗り移って人を殺していくっていうだけの映画なんですけど、その案山子が“後ろ回し蹴り”とかを使ってくるんですよ(笑)。殺し方がスタイリッシュ! かといって面白いかというと、オープニングがものすごく長くて全然本編が始まらないっていう“アサイラムあるある”もあって(笑)
中野:続編は『案山子男 オン・ザ・ビーチ』(2004年)でしたっけ?
ハット:まあ別に観なくてもいいかな、と(笑)
三留:私は色々あるんですけど、リンカーンとゾンビのやつと、動物のゾンビの……
中野:それは『ZOOMBIE ズーンビ』(2016年)ですね!!(笑)
三留:そうそう! あれは望んでいた映画ですね。だってコアラが襲ってくるんですよ!?
(会場爆笑)
中野:あえなくコアラは少女にバットで撲殺されるんですけどね(笑)
三留:いつかノアの方舟みたいに色んな動物が出てきてほしいな。
中野:ちなみに私は『ヘンゼルとグレーテル おそろし森の魔女』(2013年)が好きなんですよ。『シャークネード』シリーズ(2013年~)のアンソニー・C・フェランテ監督のアサイラムでの初長編なんですが、それまでのアサイラム作品と比べてちゃんとしたホラー映画だったのでビックリしましたよ!(笑)。今3作目を作っているらしいですね。
三留:でも1作目のときには3作目、5作目を作ることなんて誰も考えてないよね? アタマの数も増えちゃうしさ~。
中野:それは『ダブルヘッド・ジョーズ』(2012年)の話ですね!? そこからトリプル、ファイブ、そしてシックスまできてますから。最終的には一周すると思ってますよ、360度ジョーズ! グルグル回りながら火を吹く!!
(会場爆笑)
アサイラム社長、マイケル・ラット氏からの激レアメッセージ到着!
……ここでアサイラム社長、デヴィッド・マイケル・ラット氏からオンラインでメッセージをもらうコーナーへ。しかし、というか案の定というか、現在バカンスでカリブ海上にいるため「回線の都合でつながらない」とのことで、こんなこともあろうかと(?)事前に頂戴していたビデオメッセージを紹介することに。
ところがその映像が予想を裏切るほど手が込んでいて、何やら厳かな会見中継のような仕様だったものだから、会場は爆笑&拍手の嵐! しかもラット氏のメッセージは絶妙にユル~くフザケており、アサイラムのスタンスを体現するかのような社長の姿に、最後は妙な感動すら覚えるほどだった。以下にメッセージの一部を紹介しよう。
Q:日本の印象は?
社長:え~っと……めっちゃゴジラ好き。
Q:アサイラムの魅力の一つはCGだと思いますが、ハリウッド大作との差別化は?
社長:アサイラム作品にCGは使っていません。ほとんどの作品がドキュメンタリーです。
Q:アサイラム社に勤めるのに必要なスキルは?
社長:関係性がもっとも重要。親族なら即採用です。
Q:『シャークネード』シリーズの続編の予定は?
社長:アメリカ政府から続編の制作を禁止されています。
……終始こんな感じのメッセージにゲスト陣も呆れつつ、わざわざ手の込んだ映像を作ってくれたことに感心した様子。遊び心にあふれたアサイラムの社風も伝わってくる、かなり貴重なメッセージ映像だった。
合言葉は……「困ったときのアサイラム」!?
中野:最後にお聞きしたいんですが、皆さんにとってアサイラムとは?
ハット:ジャンクフードみたいな感じですね。たまに食べたくなるし出来不出来もあるけど、中にはすごく美味しいものもあったりする。
三留:体に毒そうなところもいいよね(笑)。私も、心に迷いが出たときに「これ観よう……」みたいな。
中野:心が安らぐ?
三留:いや、生きてて良いんだ! みたいな感じ(笑)。これでいいんだ、頑張るぞ! って。心が弱ったり困ったときにアサイラムを観たくなる。
中野:困ったときのアサイラム! 名言ですね!!
CS映画専門チャンネル ムービープラス開局30周年企画「アサイラム祭り」は2019年7月6日(土)放送
https://www.youtube.com/watch?v=hCeFXfCSQDE