• BANGER!!! トップ
  • >
  • 映画
  • >
  • 津田健次郎「じっくり聞いて。けっこう重い話してます(笑)」マーベル新作『クレイヴン・ザ・ハンター』吹替インタビュー

津田健次郎「じっくり聞いて。けっこう重い話してます(笑)」マーベル新作『クレイヴン・ザ・ハンター』吹替インタビュー

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook
ライター:#杉山すぴ豊
津田健次郎「じっくり聞いて。けっこう重い話してます(笑)」マーベル新作『クレイヴン・ザ・ハンター』吹替インタビュー
津田健次郎
1 2

「以前とは違うアーロンと会えた気がした」

―まず、『クレイヴン・ザ・ハンター』に参加されていかがでしたか?

ひさしぶりのアメコミもの(註:津田さんは『ブラックパンサー』[2018年]でマイケル・B・ジョーダンが演じたキルモンガーの吹替を担当)だったので、すごくありがたかったですね。しかも普通のヒーローじゃない、ヴィランです。かなりワイルドですよね。すごく参加できてよかったなあ、というのがいまの気持ちです。

『クレイヴン・ザ・ハンター』MARVEL and all related character names: © & ™ 2024 MARVEL

―キルモンガーも結構ワイルドでしたよね。

そうなんです。ただ、キルモンガーって品格があるキャラだったんですよね。それに比べてクレイヴンはもっと粗野というか、野性味があります。

―『ブレット・トレイン』『フォールガイ』に続いて3度目のアーロン・テイラー=ジョンソンの吹替です。

もちろん違うキャラなので当然と言えば当然ですが、3作ともアーロンは演技を変えてきていますよね。顔も毎回、違う気がします(笑)。そして、どちらかといえば前2作はコミカルだったんですが、今回はかなりシリアス。だから僕も以前とは違うアーロンと会えた気がしたし、新鮮な気持ちで演じることができました。

津田健次郎

「ヴィランというのは“自分のルール”で生きている人のことなんじゃないかな」

―演じてみて、アーロンってどんな役者さんだと思いましたか?

今回はタフガイだしマッチョなわけですが、キュートさを持っている人だなと思いますね。僕自身、俳優やアニメの声優もやっていますが、洋画の吹替って一番自由度がないんですよ。つまり他の役者さんがすでに演じたものだし、口パクを合わせるからセリフの長さも決まっている。そうした制約の中でどう演じるか、なんです。

だからアーロンのキュートさをどう出すかですよね。あと今回の映画でのアーロンは、ビルに登るか、人を殺すか、家族ドラマしてるか、なんです。父と弟との関係がメインですから。だからドラマ部分のセリフには気を遣いました。ネタバレになるのでどういうセリフが良かったとかは話せませんが。なので激しいアクション・シーンの後、アーロンがしゃべり始めたらじっくり聞いていただきたいですね。結構、重い話をしてますから(笑)。

『クレイヴン・ザ・ハンター』MARVEL and all related character names: © & ™ 2024 MARVEL

―クレイヴンが単なるマッチョな危ない奴ではなく、愛すべき面もある、深いキャラとして描かれているということですよね。ファンの間ではクレイヴンがもともとスパイダーマンのヴィランなので、映画の方でもそういう風になってくれるといいなという気持ちもあるんですが。

そういう風に広がっていくというのはいいことですよね。僕はヒーローっていうのは、みんなに勇気を与えてくれる憧れの存在だと思っています。ヒーローであるスパイダーマンと戦うことになったらクレイヴンがヴィランであるということがはっきりしますが、ヴィランというのは――これまたいろいろな定義がありますが――“自分のルール”で生きている人のことなんじゃないかな。クレイヴンって、まさにそういう奴ですよね。

『クレイヴン・ザ・ハンター』MARVEL and all related character names: © & ™ 2024 MARVEL

―最後に、この映画を楽しみにしているファンにメッセージをいただけますか?

ハードでバイオレンスなシーンもあれば、スピード感あふれるアクションもある。シンプルなようで複雑、複雑なようでシンプルなストーリー展開と、見応えのあるエンターテインメントだと思います。ぜひ劇場で楽しんでください。

津田健次郎

豪快かつ複雑な感情を背負ったクレイヴンに津田さんの声がピッタリ!

とても楽しいインタビューでした。僕は、クレイヴンというのは“ワイルド中のワイルド”なキャラみたいなイメージがあり、だからアーロン・テイラー=ジョンソンがこの役を演じると聞いた時、ちょっとビックリしたんです。しかし、アーロンが演じることで豪快かつ野性味あふれる男というだけではなく、ちょっとナイーブで複雑な感情を背負った人物となりました。そんなクレイヴンに、津田さんの声はピッタリでした。

『クレイヴン・ザ・ハンター』MARVEL and all related character names: © & ™ 2024 MARVEL

ここまでアーロンの吹替えをやっているから、逆に津田さんのドラマやアニメがアメリカでリリースされたらアーロンに声を演じてもらったらどうですか? と聞いたところ、大笑いして「その時は(アーロンに)“お世話になってます。よろしくお願いします”と言いに行く」とのことでした。

そして『クレイヴン・ザ・ハンター』が大ヒットすれば、本当にスパイダーマンとの共演が観られるかもしれません。ぜひ津田さんの声で「俺はスパイダーマンを倒す!」というセリフを聞いてみたいですね。

津田健次郎

取材・文:杉山すぴ豊

撮影:芝山健太

『クレイヴン・ザ・ハンター』は2024年12月13日(金)より日米同時公開

1 2
Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

『クレイヴン・ザ・ハンター』

冷酷な父親(ラッセル・クロウ)と狩猟に出た際、巨大なライオンに襲われたことをきっかけに、百獣の王の力を体に宿し容赦なきハンターと化したクレイヴン。狩りの対象は、金もうけのために罪無き動物を狩る人間たち。一度狙った獲物は確実に仕留めるまで、あらゆる手段を使ってどこまでも執拗に追い続ける。次々と狩りを実行し、彼らを動かす大きな組織へと近づいていくが……。立ちはだかるのは、全身が硬い皮膚に覆われた巨大な怪物ライノ。さらに、病弱な身体を持つ最愛の弟が危険にさらされたことでクレイヴンは激昂。やがて裏の世界の殺戮者と呼ばれる自らの父親と対峙することになる。激しくエスカレートする怒りと共に、暴走していく狩りが行きつく先は――?

監督:J・C・チャンダー(『トリプル・フロンティア』『マージン・コール』)
脚本:アート・マーカム&マット・ホロウェイ(『アンチャーテッド』『アイアンマン』)、リチャード・ウェンク(『イコライザー』シリーズ)

出演:アーロン・テイラー=ジョンソン(『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』『ブレット・トレイン』)
   アリアナ・デボーズ(『ウエスト・サイド・ストーリー』)
   フレッド・ヘッキンジャー(11/15公開『グラディエーターII』)
   アレッサンドロ・ニヴォラ(『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』)
   クリストファー・アボット(『哀れなるものたち』)
   ラッセル・クロウ(『ソー:ラブ&サンダー』『ヴァチカンのエクソシスト』)

制作年: 2024