ジャッキー・チェン in JAPAN
“成龍”ジャッキー・チェンが集大成作『ライド・オン』公開に伴い、約13年ぶりの来日を果たした2024年。ジャッキーの日本のファンへの感謝と愛情の深さに涙するとともに、80年代から変わらぬジャッキー人気を再確認させられた。
ジャッキーと日本といえば、富士急ハイランドなどでガッツリ撮影された1985年の『香港発活劇エクスプレス 大福星』が思い出される。当時のジャッキーフィーバーは凄まじいものがあり、『孔雀王』(1988年)などに出演していた盟友ユン・ピョウも小中学生を含め絶大な人気を誇っていた、そんな時代だった。
そしてもう一つ忘れてはならない“日本が舞台のジャッキー映画”が、1995年の『デッドヒート』である。ご存知『酔拳2』の翌年であり、ハリウッドで本格ブレイクを果たした『レッド・ブロンクス』と同年に公開された作品で、当時41歳のジャッキーがサモ・ハンのスタントチームの力を借りて制作した、レアな珍作にして隠れた名作である。
ちなみに香港映画は原題と英題がセットの場合が多いが、本作の場合『Thunderbolt』は1974年のクリント・イーストウッド主演作とカブったため『デッドヒート』の邦題に落ち着いたのだろうか? 当初『Dead Heat』として公開された北米版に倣ったのかもしれないが、1988年の『ゾンビ・コップ』の原題が『Dead Heat』で、さらに2020年にはルーク・ゴスとヴァル・キルマーというソソる共演作の邦題も『デッドヒート』になるという、微妙にややこしい現象が発生していた。
クルマ好きも必見!『デッドヒート』はどんな映画?
日本の自動車メーカーで研修留学を終え、香港に戻ったジャッキーは、父親が経営するレーシングショップを手伝っていた。そのころ香港ではテロ事件が多発しており、ジャッキーは警察に腕を買われハイウェイでの検問に駆り出されることに。
ある夜、検問を猛スピードで突破する車が出現。壮絶なカーチェイスの末、捕まえた犯人は一流レーサーで国際テロリストのクーガーだった。復讐に燃える彼は刑務所を脱獄、ジャッキーの妹二人をさらい、日本で開催されるカーレースで勝負することを要求する……。