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わんこは家族
都会のワンルーム暮らしは気軽で便利だが、どうしても埋められない穴がある。「ペット」の存在だ。動物の飼育が可能な賃貸住宅は限られているし、毎日の散歩やケアをする余裕がない人も多い。しかし、動物と触れ合いたいという衝動を抑えられない経験は誰しもあるだろう。数千年以上にわたって動物と交流してきた私たちにも、その本能が刷り込まれているのだ。
Netflixオリジナルドキュメンタリー『教えて? イヌのココロ』は、長らく人間のパートナーとして共に暮らしてきた「イヌ」を多角的に考察・検証する。ラブラドール・レトリバーやフレンチ・ブルドッグなど人気の犬種が生まれた経緯や、いわゆる「イエイヌ」がどのように「家族」となっていったのかを、じっくり解説。ときにあざとさすら感じさせる、わんこの“上目遣い”に重要な意味があったなんて!
すべてはオオカミからはじまった
かつて人間との生存競争で生き残った肉食動物が、ヒグマとオオカミだった。そしてオオカミは「人懐っこさ」によって、異なる生き物へと分化していく。「強いだけじゃ生き残れない」を実践して生まれたのが現在のイヌであり、その合理的かつ理性的な進化に驚かされると同時に、なんだか心に温かいものが流れ込んでくる。
家族にイヌがいる人は、活発な子や神経質な子、のんびりやさんがいることをご存知だろう。そして子犬から一緒に育った人は、それが人間同様の“個性”であることも知っている。本作は子犬の思考を研究することで性格パターンを解明する機関も登場し、それは補助犬や介助犬の存在とも繋がっていく。トレーニング次第ではあるけれど、向き不向きは誰にでもあるものだ。
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