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ベテラン風水師が「これは危険な墓だ」と恐れる理由とは?韓国ホラー『破墓/パミョ』基本情報&見どころ解説

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ライター:#BANGER!!! 編集部
ベテラン風水師が「これは危険な墓だ」と恐れる理由とは?韓国ホラー『破墓/パミョ』基本情報&見どころ解説
『破墓/パミョ』COPYRIGHT ©2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.
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韓国における土葬と風水

儒教文化圏ゆえに、韓国では火葬ではなく土葬が一般的だった。土葬する理由の一つには「風水」の影響があり、それがミンシク演じる怪しい風水師サンドクの存在意義を高める。ちなみに韓国の田舎に訪れるとこんもりと小高い丘(土饅頭)を見かけるが、それら一つ一つがすべてお墓。空いてる山、なくなるじゃん! という疑問はもっともで、その問題についても風水の件と共に劇中で少し触れられる。

『破墓/パミョ』COPYRIGHT ©2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.

サンドクら本作の主人公たちが<破墓>の依頼を受けたのは、ワケあり富豪家族の祖先を埋葬したもの。埋葬場所があまりにも悪い地相だったため一度は破墓を断るサンドクだったが、巫堂(ムーダン)のファリムがお祓いと同時に行うことを提案したため、渋々ながら取り仕切ることになり……。というわけで、その墓の裏にある<本当の秘密>が中盤以降のポイントになってくる。

『破墓/パミョ』COPYRIGHT ©2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.

なお公式の用語解説動画では、サンドク=「風水師/墓地を見る者」、ファリム=「巫堂(ムーダン)/お祓いを行う者」、ヨングン=「葬儀師/改葬を仕切る者」、ボンギル=「巫堂(ムーダン)/祈祷を捧げる者」と、それぞれのキャラクターを解説。さらに「風水」「陰宅(ウムテク)」「改葬」「墓の反乱」「テサルお祓い」「経文」「動土(トンティ)」、そして「破墓(パミョ)」などの用語も軽く説明されているので、事前に観ておくことをおすすめする。

思わず硬直するフィジカルな恐怖! 陰陽道と風水の関係は?

掘り起こされた墓の異様さがじわじわ見えてくると、『エクソシスト』的な演出とともに誰もが額に脂汗を浮かべるギトギトのホラー展開に突入。しかし物語は“もっとヤバい事態”へと矢継ぎ早に移行していき、“VS亡霊”みたいな分かりやすい着地を許さない。やがて日本が深く関わった韓国の暗い歴史に踏み込み、サンドクやファリムはついに姿を表した<おそろしきもの>に目を奪われ、全身を硬直させる。

『破墓/パミョ』COPYRIGHT ©2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.

韓国の土着文化ホラーと思って観ていると、終盤にかけて流暢な日本語セリフや「将軍」「陰陽師」といったワードの登場に驚く。(あえて例えるなら)荒俣宏作品からの影響もありそうな設定が散りばめられているのだが、このあたりはネタバレにつながるので詳細は伏せておこう。江戸~明治における日本と韓国の関係、陰陽と風水、怨霊と精霊(&淡く目配せされる妖怪バイブス)……。時代設定と言葉使いの違和感こそあれ、それまで溜め込んだ緊張を解き放つかのようなクライマックスのバトル展開は、息をするのも忘れるほどスリリングだ。

『破墓/パミョ』COPYRIGHT ©2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.

本作は某辛口批評サイトで90%前後の高評価を得ていて、国や文化にかかわらず楽しめる作品であることは証明済み。生きているうちから逃れられない、自分が“入る”瞬間まで無関係ではいられない<お墓>という存在--。本作を鑑賞後は、マメにお墓参りに行こう! と思わされるかも? 後味が悪い系の映画ではないので、安心して映画館で楽しんでほしい。そして続編orスピンオフにも期待!

『破墓/パミョ』は2024年10月18日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー

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