死因は本当に「ドラッグ中毒」だったのか？ 23歳で逝った伝説的俳優の軌跡と名作『マイ・プライベート・アイダホ』

“陰のある役柄”を好んだリヴァーのキャリア

1970年生まれのフェニックスは、7歳で俳優としてのキャリアをスタート。さまざまなテレビ番組に出演したのち、イーサン・ホークと共演したジョー・ダンテ監督作『エクスプロラーズ』（1985年）で映画デビューし注目を集めると、ご存知ロブ・ライナー監督の『スタンド・バイ・ミー』で大ブレイクを果たす。

PrimeVideo『エクスプロラーズ (字幕版)』TM,(R)& Copyright © 2004 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

自身の幼少期とリンクする部分もあっただろう『モスキート・コースト』（1986年）でハリソン・フォードと親子役で共演し（のちに彼の才能を買ったフォードが『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』[1989年]への出演を推薦）、『リトル・ニキータ』（1988年）ではソ連のスパイ疑惑をかけられた両親の存在に困惑する少年を演じるなど、すすんで“陰の部分”を抱える役を選んでいたようにも思える。

PrimeVideo『リトル・ニキータ (字幕版)』©1988 BRIGHT STAR FILM ENTERPRISES. ALL RIGHTS RESERVED

そんな彼の主演作でいまだコアなファンを抱えるのが、親友キアヌ・リーブスと共演した『マイ・プライベート・アイダホ』だ。ガス・ヴァン・サント監督による本作はオレゴン州ポートランドに住む男娼の物語で、リヴァーはナルコレプシー（突発的な睡眠障害）を抱える青年マイクを演じている。

『マイ・プライベート・アイダホ』© New Line Productions, Inc.

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キアヌ・リーブスとの友情が垣間見える『マイ・プライベート・アイダホ』

リヴァーとキアヌは『～アイダホ』の前に、ローレンス・カスダン監督のダークコメディ『殺したいほどアイ・ラブ・ユー』（1990年）で初共演。意気投合した二人は同作の撮影中に『～アイダホ』の脚本を読み、2人揃って出演しようと約束したという。リヴァーは6歳上のキアヌを兄のように感じ、「Keany（キーニー）」と呼んで慕っていた。

『マイ・プライベート・アイダホ』© New Line Productions, Inc.

キアヌについて、「自分の秘密をすべて打ち明けられる人。一緒にいて楽しい人、好きな人、大切な人。僕の相棒だよ」と評したリヴァー。同じく「ずっと愛してるよ、リヴァー。彼は僕の親友だ」と親愛を伝えたキアヌ。そんな2人の距離感が反映された『～アイダホ』は、歪ながらも儚く美しい青春映画の金字塔となった。……リヴァーが倒れた日、キアヌは『スピード』（1994年）の現場にいた。彼の死を知ったのは撮影中だったという。

『マイ・プライベート・アイダホ』© New Line Productions, Inc.

これは余談だが、リヴァーが出演を熱望した『バスケットボール・ダイアリーズ』（1995年）や、リドリー・スコット監督がキャステイングの第一候補に挙げた『タイタニック』（1997年）を引き継ぐ形となったのが、ご存知レオナルド・ディカプリオ。すでに出演が決まっていた『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』（1994年）はクリスチャン・スレイターが代打出演した。

『マイ・プライベート・アイダホ』© New Line Productions, Inc.

『マイ・プライベート・アイダホ』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年9月放送

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