エキストラのチンピラを全員舎弟に!『燃えドラ』撮影秘話
本作は多くの苦難の下で製作された映画だ。撮影監督は新東宝出身の西本正が務める予定だったが、英語コミュニケーションの懸念から、劇映画の経験がほとんどなかったギルバート・ハッブス(※撮影監督)に変更。街中で集めたエキストラたちは血気盛んなチンピラで、ブルースに勝って名を上げようと挑発を繰り返した(結局ボコられて全員ブルースの舎弟になった)。
また、リーとオハラの決闘シーンでは、オハラ役のロバート・ウォールが誤って割れた瓶でブルースに怪我を負わせてしまい、ブルースの舎弟になっていたチンピラ軍団に殺されそうになっている。
数々の困難を経て完成した『燃えドラ』だったが、全米の公開日である8月19日はおろか、世界先行となる香港での公開日である7月26日を待たず、7月20日にブルースは帰らぬ人となってしまったことはご存じの通り。しかし公開された本作は、この後に登場するありとあらゆるコンテンツに多大なる影響を与え、映画史上最も影響力を持った作品となっている。
みんなでワイワイ観たい『燃えドラ』副音声放送
映画的な稚拙さや、脚本の未完成さなどは一切関係なく、鬼気迫る演技と怒涛のアクション、そしてブルース・リーという個人が本作に叩きつけた圧倒的な熱量は、50年の時を経てもなお一分たりとも色褪せていない。本作を観た世界のマイノリティは抑圧者に立ち向かうことを知り、人々が立ち上がるきっかけとなり、心の支えになっていったのもご存じの通りだ。
この『燃えよドラゴン』の全米公開から51周年となる8月19日に、CS映画専門チャンネル ムービープラス『副音声でムービー・トーク!』では、『燃えドラ』を放送。さすがにもう皆さんご存じでしょ! ということで今回は蘊蓄少な目で、皆さんと一緒に観ている感覚を重視したものとなっております。是非ご覧ください。
「『燃えよドラゴン』◆副音声でムービー・トーク!◆」、『燃えよドラゴン【地上波追録版】』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年8月放送
https://www.youtube.com/watch?v=u8PQ-D2kH1Y