『ツイスターズ』は西部劇っぽい? 次世代スーパーマン俳優も出演
『ツイスターズ』というタイトル通り、本作には様々な竜巻モンスターが登場します。したがって、竜巻毎に様々な見せ場が用意されています。富士山より高く、新幹線より速く竜巻が移動し、そして人々の生活を根こそぎ奪っていきます。さらに人々を吸い込んでいきますから、まさに“人喰いモンスター”のようで、怪獣映画感が強い。町の人を守るためにボスキャラ的な竜巻モンスターに挑むクライマックスシーンは、まさに『シン・ツイスターズ』、『ツイスターズ-1.0』と呼びたくなる面白さ!
スティーブン・スピルバーグ製作総指揮×『ジュラシック・ワールド』の製作陣で贈るアクション・アドベンチャーの監督を務めたのは、アカデミー賞にノミネートされた『ミナリ』(2020年)を手掛けたリー・アイザック・チョン。あの静かな映画を撮った人がアドベンチャー映画に挑むとは少し意外でしたが、主人公ケイトが実家に帰って母親と再会するシーンは、ちょっと『ミナリ』のテイストを思い出しました。
そういえば『ミナリ』の主演スティーヴン・ユアンはSFスリラーの『NOPE/ノープ』(2022年)に出演していましたが、今回の『ツイスターズ』、ちょっと『NOPE』っぽいところがある。どちらも西部劇というか、カウボーイ気質の人物が人知を超えた脅威に挑む作品になっているんですよ。『ツイスターズ』のタイラーは元ロデオ・ショーのカウボーイという設定ですから。
ケイト役は『ザリガニの鳴くところ』(2022年)のデイジー・エドガー=ジョーンズ、タイラー役は『トップガン マーヴェリック』(2022年)や『恋するプリテンダー』(2023年)のグレン・パウエル、ハビ役は『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(2023年)のアンソニー・ラモス、そして『NOPE/ノープ』(2022年)のブランドン・ペレアと、次世代スターが揃った感じです。この3人のドラマ部分がしっかりしていて、特にケイトに感情移入してしまう。いわゆる見世物的スペクタクルに終わらせず、とてもエモーショナルです。
また、2025年公開予定のアメコミ・ヒーロー映画超大作『スーパーマン』で主人公を演じる、デイビッド・コレンスウェットがハビ・チームのメンバーの一人として出演しています。
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竜巻といえば、「オズの魔法使い」!
劇中、竜巻に吸い上げさせることでデータを撮る<ドロシー>というメカが出てきます。ドロシーというのは「オズの魔法使い」の主人公の名。この映画では他に、かかし、ブリキ男、ライオンと「オズの魔法使い」のキャラクターにちなんだ名前がコードネーム的に出てきます。「オズの魔法使い」は、竜巻でドロシーが魔法の国に運ばれてしまう話でした。そう、アメリカ人にとって竜巻と言えば「オズの魔法使い」なんですね。
どう考えたって、こんな竜巻モンスターを倒せるわけなんてない! と思ってしまいますが、“なるほど”と思わせる作戦を仕掛けるのが、映画『ツイスターズ』の面白いところ。竜巻は“科学的な現象であり、宗教的な存在だ”というセリフがあります。ならば人類の英知と、なんとしてでも人の命を救いたいという気持ちで臨めば、この脅威に勝てるかもしれない。本作ではアッと驚くような<竜巻モンスター手なずけ作戦>が決行されますが、もし現実世界でもこの方法が可能ならば、ぜひ実行してほしいところです。
『ツイスターズ』は2024年8月1日(金)より全国公開
『ツイスターズ』
気象学の天才ケイトはニューヨークで自然災害を予測し被害を防ぐ仕事に熱中していた。そんな中、故郷オクラホマで史上最大級の巨大竜巻が群れをなして異常発生していることを知る。竜巻にトラウマを抱えたケイトだったが、学生時代の友人ハビからの懸命の依頼で、夏休みの一週間の約束で竜巻を倒すために故郷へ戻ることに。そこで出会った知識も性格も正反対の竜巻チェイサーのタイラーら新たな仲間と、無謀ともいえる“竜巻破壊計画”に立ち向かっていく。
監督:リー・アイザック・チョン(『ミナリ』)脚本:マーク・L・スミス(『レヴェナント:蘇えりし者』)
製作:フランク・マーシャル(「ジュラシック・ワールド」シリーズ、「インディ・ジョーンズ」シリーズ、)パトリック・クローリー(「ボーン・アイデンティティー」シリーズ)
出演:グレン・パウエル(『トップガン マーヴェリック』)、デイジー・エドガー=ジョーンズ(『ザリガニが鳴くところ』)、アンソニー・ラモス(『トランスフォーマー/ビースト覚醒』)、ブライドン・ペレア(『NOPE/ノープ』)、キーナン・シプカ(『サブリナ:ダーク・アドベンチャー』)、デイビッド・コレンスウェット
制作年: | 2024 |
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2024年8月1日(金)より全国公開