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「テロ攻撃を助長する映画」とFBIが警告!衝撃の“利権爆破”スリラー『HOW TO BLOW UP』が突きつけるリアルな危機感

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「テロ攻撃を助長する映画」とFBIが警告!衝撃の“利権爆破”スリラー『HOW TO BLOW UP』が突きつけるリアルな危機感
『HOW TO BLOW UP』© Wild West LLC 2022
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利権の外側で心身を蝕まれた人たち

物語のメイン舞台はテキサス西部の荒野。グループには明確なリーダーはおらず、目配せひとつでメンバーを操るようなマンガ的なカリスマもいない。キャラクター造形はリアリティを重視し、わざとらしい説明セリフも廃している。ただし本作は、メッセージを掲げるためにエンタメを犠牲にする堅い政治映画の類ではない。「すでに起こってしまっている深刻な問題」に対してより直接的な決断を下した、私たちと変わらない市井の人々が直面する<スリラー>なのだ。

『HOW TO BLOW UP』© Wild West LLC 2022

当然ながら政治利権は個々人の思想を慮ってはくれないわけで、右寄りだろう左寄りだろうと、私たちは利権に蝕まれながら生きている。だから本作は世代も生活背景も様々なメンバーを配し、最終的な成果だけを共有する凸凹チームの共同作戦という形をとっている。過去の回想を挟む、いわゆるフラッシュバック構造は、総勢8人の背景を見せる演出として有効だ。

『HOW TO BLOW UP』© Wild West LLC 2022

終末に向かう“死の行進”の中から、何を選び取るか

環境活動にはえてして冷笑的な批判が向けられがちだが、当然ながら彼/彼女たちにもそれぞれの生活と、過激な行動に至るだけの背景がある。先鋭化する環境アクティビストたちの破壊行動/妨害行為は活動の本質からズレてしまっている感もあるが、ゴッホの絵がスープまみれになったことに怒り悲しむならば、世界で3番目に古い教会をミサイルで破壊することにも「NO」と言うべきだろう。

『HOW TO BLOW UP』© Wild West LLC 2022

人間活動による異常気象が喫緊の危機とは思えなくても、リアルタイムでスマホに流れてくる四肢を吹き飛ばされた赤ん坊が、同じような利権でつながっているのだとしたら? 国家レベルの根深い利権関係が露呈し欧米の主要メディアが説得力を失った今、この作品が正当に評価され多くの人に観られるのならば、それは小さくも確実な希望になるはずだ。

『HOW TO BLOW UP』© Wild West LLC 2022

建前だけのエコ政策で目くらましされ、御用論客が“環境保護活動の利権化”とうそぶく世界に生きる私たちは、すでにデスマーチの中にいる。「では今、何をすれば?」に対する明確な答えは今のところ誰も持っていないのかもしれないが、だからこそ調べ、学び、考え、対話し発信することを止めてはならない。

『HOW TO BLOW UP』© Wild West LLC 2022

『HOW TO BLOW UP』は2024年6月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、池袋HUMAXシネマズ、シネマート新宿ほか全国ロードショー

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『HOW TO BLOW UP』

環境破壊に人生を狂わされたZ世代の環境活動家たちが、石油パイプラインを破壊する大胆な作戦を実行する。やがて過激な決意が、友人、恋人、苦難に満ちた物語を持つ仲間たちを巻き込みながら暴力の象徴的(=パイプライン)を爆破するという大胆なミッションへと結びついてゆく。若い世代のエネルギーは、予期せぬ混乱を招きながら、爆発的フィナーレへと疾走する。

制作年: 2022