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医者から映画監督に!『マッドマックス』4作ほか一挙TV放送で振り返るジョージ・ミラーの軌跡【『フュリオサ』公開記念】

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ライター:#谷川建司
医者から映画監督に!『マッドマックス』4作ほか一挙TV放送で振り返るジョージ・ミラーの軌跡【『フュリオサ』公開記念】
© Warner Bros. Entertainment Inc
© 1982 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
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バイオレンス・アクションから様々なジャンルを手掛ける監督へ

低予算ながらヒットした『マッドマックス』はシリーズ化されることになるのだが、それは何といっても前作の10倍の製作費を投入した大作として製作された監督第二作『マッドマックス2』(1981年)の世界的大ヒットによる。特に、前作に引き続き主人公マックスを演じたメル・ギブソンは一躍ハリウッドのトップスターの座に躍り出た。

メル・ギブソンと共に、オーストラリアのローカル映画界からハリウッドに進出する形となったジョージ・ミラーだが、バイオレンス・アクションとしての『マッドマックス』シリーズの方向性だけでなく、1980~1990年代を通じてハリウッドで様々なジャンルの作品に挑戦している。

マッドマックス2 (字幕版)

PrimeVideo『マッドマックス2 (字幕版)』© 1981 Kennedy Miller Entertainment Pty., Ltd. © 1981 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

 

監督第三作はスティーヴン・スピルバーグが音頭を取って、4人の新進気鋭の監督たちが競作したオムニバス形式によるホラー・ファンタジー映画『トワイライトゾーン/超次元の体験』。ここでミラー監督は大トリの第4エピソード「2万フィートの戦慄」を担当、驚いて眼の玉が破裂するような斬新な演出で注目を浴びた。

トワイライトゾーン/超次元の体験 (字幕版)

PrimeVideo『トワイライトゾーン/超次元の体験 (字幕版)』© 1983 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

 

さらに、ジャック・ニコルソン、シェール、スーザン・サランドン、ミシェル・ファイファー競演のホラー・コメディ『イーストウィックの魔女たち』(1987年)、一転して難病の子供を救うべく両親が奔走する感動の実話『ロレンツォのオイル/命の詩』(1992年)でアカデミー脚本賞にノミネートされ、今度は子ブタが主人公の大ヒットファミリー映画の続編『ベイブ/都会へ行く』でヒットを飛ばすという変幻自在な活躍ぶりを見せた。

イーストウィックの魔女たち (字幕版)

PrimeVideo『イーストウィックの魔女たち (字幕版)』©1987 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

フルCGアニメ『ハッピー・フィート』から再びバイオレンス・アクションへ!

2000年代に入ってからはフルCGアニメ作品『ハッピー・フィート』(2006年)でアカデミー長編アニメーション映画賞を受賞、その続編の3Dアニメ『ハッピー・フィート2 踊るペンギンレスキュー隊』(2011年)と、すっかりファミリー映画の巨匠になった感のあったミラー監督だが、2015年になって、先祖返りともいうべきバイオレンス・アクション路線へと30年振りに返り咲く。

ハッピー フィート (字幕版)

PrimeVideo『ハッピー フィート (字幕版)』Happy Feet TM & © 2006 Village Roadshow Films (BVI) Limited. © 2006 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

 

その作品が、『マッドマックス』シリーズ三部作の完結編にあたる『マッドマックス/サンダードーム』(1985年)以来となるシリーズ第4作、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。これはメル・ギブソン版三部作のある種のリブート版として、マックス役にトム・ハーディを迎え、さらなるパワーアップしたアドレナリン全開のアクション巨編として、世界中で熱狂的に迎え入れられた。

マッドマックス 怒りのデス・ロード(字幕版)

PrimeVideo『マッドマックス 怒りのデス・ロード(字幕版)』Rating R15+ © 2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

 

まさに、作家はその処女作へ向かって成長する、という格言を地で行くように、様々な経験を経てその出発点であるバイオレンス・アクションに戻ってきたミラー監督に注目が集まっていることは言うまでもない。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』©2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

トム・ハーディ版の『マッドマックス』は三部作となるのか?

最新作『マッドマックス:フュリオサ』はスピンオフ作品だが、トム・ハーディ版の『マッドマックス』もシリーズ化される見込みであると報道されている。具体的には、メル・ギブソン版と同じく三部作を想定しているとのことなのだが、一方で別の噂も囁かれている。

それは、英国イオン・プロ製作の『007』シリーズで、ダニエル・クレイグが降板した後の新たなジェームズ・ボンド役の候補として、トム・ハーディが検討されているというものだ。

ちなみに、ジェームズ・ボンド役は、これまで初代のショーン・コネリー(1962~1971年、1983年:32~53歳)以降、ジョージ・レイゼンビー(1969年:29歳)、ロジャー・ムーア(1973~1985年:45~57歳)、ティモシー・ダルトン(1987~1989年:40~43歳)、ピアース・ブロスナン(1995~2002年:42~49歳)、ダニエル・クレイグ(2006~2021年:38~52歳)といった俳優によって演じられてきた。

イオン・プロ側としては基本的には七代目ボンド役として30歳代半ばくらいの俳優を中心に検討していると言われるから、1977年生まれで既に46歳のトム・ハーディはやや歳を取りすぎているともいえるが、筆者の感覚としては、ほかに名前の挙がっている候補俳優たちと比べて最もボンド役にふさわしい風貌と個性を持っている。

……マックス・ロカタンスキー役を全うしてジョージ・ミラー監督のサーガの完成に力を貸すのか、七代目ジェームズ・ボンドとして新たなキャリアを目指すのか、トム・ハーディのキャリアの行方ともども注目していきたい!

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』©2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

文:谷川建司

『マッドマックス:フュリオサ』は全国公開中

ジョージ・ミラー監督『マッドマックス』三部作、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『トワイライトゾーン/超次元の体験』、『イーストウィックの魔女たち』、クリス・ヘムズワース出演『白鯨との闘い』、アニャ・テイラー=ジョイ出演『キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱』は、CS映画専門チャンネル ムービープラス「『マッドマックス:フュリオサ』公開記念特集」で2024年6月放送

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