カンヌ映画祭がスタジオジブリに名誉パルム・ドール授与!
第77回カンヌ国際映画祭で、名誉パルム・ドールがスタジオジブリに授与された。
名誉パルムは、長年映画界で業績を積み映画界の発展に寄与した個人に贈られるもので、“グループ”に贈られるのは初めてのこと。宮崎駿と高畑勲という二人の監督に加え、アニメーション制作に関わるスタッフ、さらに三鷹の森ジブリ美術館とジブリパークも加えたジブリ全体が、アニメーションおよび映画界に40年間にわたって大きな影響を与えてきた、というのが授与の理由である。
同映画祭のイリス・クノブロッホ会長とティエリー・フレモー総代表は「スタジオジブリのアニメーションは40年間にわたり、色彩豊かな世界と繊細な物語で観客たちの想像力を膨らませてきました。ジブリによって日本のアニメーションは伝統と現代性の間に映画的に偉大な冒険を作り上げてきたのです」とコメントした。
ジブリ美術館の欧米来場者、実はフランス人がトップ
ジブリ・アニメーションは海外にもファンが多い。今回、名誉パルムを受け取るためにジブリを代表してカンヌ入りした宮崎吾朗監督が会見で語ったところによれば、世界のジブリ・ファンのなかでもフランスのファンは熱心で、ジブリ歴も長いという。ジブリ美術館の欧米からの来場者では、フランス人がトップを占めているそうだ。
その言葉を裏付けるかのように、20日夜に浜辺で行われた野外上映(一般の人も入ることができる)には100メートルを超える長い列ができ、会場は満杯状態。入りきれなかった人たちも会場の周りから上映を楽しんでいた。
挨拶に立った吾朗監督は「僕の初監督作『ゲド戦記』をここで、こんなにたくさんの皆さんに見ていただけることに感謝しています。また、地中海を舞台にした『紅の豚』を地中海の浜辺で見るということも特別なことだと思います」と話し、拍手と大きな歓声に包まれた。
浜辺での上映に先立ち、20日の15時30分からメイン会場のリュミエール劇場で行われた名誉パルム・ドール授与式は満杯の観客で埋まり、中には子どもの姿も。宮崎監督が会場に入場すると観客は立ち上がり、割れんばかりの拍手と歓声で迎えた。