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「なぜかジャッキー・チェン未体験」の映画愛好家が最新作『ライド・オン』を観た!ジャッキーもきっとサムズアップなフレッシュ所感

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「なぜかジャッキー・チェン未体験」の映画愛好家が最新作『ライド・オン』を観た!ジャッキーもきっとサムズアップなフレッシュ所感
『ライド・オン』© 2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD.,BEIJING HAIRUN PICRURES CO.,LTD. © 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.
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『ライド・オン』、どんな映画だった?

まずは最新作がどんなお話なのか、紹介していきます。主人公は、かつて香港映画界を席巻した伝説のスタントマンのルオ・ジーロン。現在はスタントマンとしての仕事を失い、愛馬チートゥと共に観光客相手の写真撮影を生業としています。彼には愛した妻との間に娘がいるのですが、なによりもスタント仕事を優先するルオが原因だったのでしょう、離婚の末に幼い娘とも離れ一人寂しく暮らしています。

『ライド・オン』© 2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD.,BEIJING HAIRUN PICRURES CO.,LTD. © 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

妻を病気で亡くし、娘は法学部で学ぶ立派な学生になりましたが、父親らしいことをしてこなかった負い目もあり、親子関係は良好とは言えません。そんな中ルオは、借金のカタに愛馬チートゥを差し出すよう迫られてしまいます。我が子のように愛し育ててきたチートゥを奪われたくないルオは、法学生の娘に自身の弁護を頼みに行くものの、長年の溝はなかなか埋まりません。そんなとき、チートゥと共に再びスタントマンとして仕事をするチャンスを得たルオは、現場に返り咲こうと一念発起しますが……。

『ライド・オン』© 2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD.,BEIJING HAIRUN PICRURES CO.,LTD. © 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

昔ながらの超危険なアクションに次々と挑戦し続ける父親の姿を見て、娘のシャオバオは何を感じるのか? ルオは愛馬と娘のために、“スタント第一”の考えを改めることになるのか? 親子愛にあふれた心温まる作品でありながら、長い映画史の中で人知れず活躍してきた全スタントマンへの敬意も感じる、そんな作品でした。

観れば勇気をもらえる!ベテラン名優の健在アクションに拍手

本作を鑑賞して最初に感じたのは、やはりアクションの素晴らしさ。ジャッキー映画を1本も観たことがない私でも数々の名シーン、つまり「ジャッキー・アクション」はTV等で幾度となく目にしていたので、スタントマンなしでほとんどのアクションに挑む名優ということも知っていました。

しかし今回『ライド・オン』を観て、70歳のジャッキーがアクロバティックなアクションをしながら馬を乗りこなす姿にびっくり! 数々の大作アクション映画を何千回と観てきた私ですが、「この演技が本当にスタントマンなしでできるの?」と、何度も自分の目を疑ってしまうほどの素晴らしさでした。

『ライド・オン』© 2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD.,BEIJING HAIRUN PICRURES CO.,LTD. © 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

このジャッキー・アクションへの驚きは、90歳のクリント・イーストウッドがロデオを披露した映画『クライ・マッチョ』(2021年)を鑑賞した時以来のものでした。年齢を重ねても現役で活躍し続ける名優を観ると、私のような若い世代の人間は心から尊敬しますし、自分の悩みなどちっぽけに感じるほど勇気をもらえます。

本作はそんな力強い映像に加え、ジャッキーの華麗かつ計算されたアクション、絶妙のタイミングで差し込まれる笑いのセンス、そして映画の端々からユーモアと人間味がにじみ出ていました。ジャッキーの表情から読み取れる、若者への優しい眼差し、あらゆるスタントマンへの敬意……それら全てがこの映画を傑作へと導いたのでしょう。

『ライド・オン』© 2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD.,BEIJING HAIRUN PICRURES CO.,LTD. © 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

往年のカンフー映画ファンも、ジャッキー映画初心者も

心から映画を、そしてアクションを愛しているジャッキー・チェンだからこそ作ることができた、彼の俳優人生50周年の集大成。それが『ライド・オン』なのだと思います。ラリー・ヤン監督がジャッキー映画の大ファンであることは間違いありませんが、ジャッキー映画初心者の私でさえ彼の偉大さ、そして彼が多くの映画好きから愛され続ける理由が一発で理解できる映画でした。

『ライド・オン』© 2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD.,BEIJING HAIRUN PICRURES CO.,LTD. © 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

本作を鑑賞して私の映画史に新たな1ページが加わり、“ジャッキー・チェン70歳の集大成作『ライド・オン』”が心に刻まれました。この映画は劇場で体験すべき作品です。50年前からジャッキーを知っている人も、ジャッキー映画を全く観たことがない人も、アクション映画が好きならば確実に楽しめるはずです。

文:ゆっこロードショー

『ライド・オン』は2024年5月31日(金)より全国公開

過去の名作ズラリ「最新作公開記念!ジャッキー特集」はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年5月放送

壮絶スタントをスクリーンで楽しむ「ジャッキー・チェン〈4K〉映画祭」は5月10日(金)より開催中

Presented by ツイン

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『ライド・オン』

香港映画界伝説のスタントマンと言われたルオ・ジーロン(ジャッキー・チェン)はケガをきっかけに第一線を退き、現在は借金取りに追われながら中国の撮影所に住み込み、愛馬・赤兎(「チートゥ」)とエキストラなどの地味な仕事をこなす日々を送っていた。

ある日、チートゥの元持ち主であった友人ワン(レイ・ロイ)の債務トラブルが原因で、チートゥが借金の肩の一部として連れ去られる危機に。困ったルオは疎遠になっていた一人娘のシャオバオ(リウ・ハオツン)を頼る事にする。法学部の学生であるシャオバオは、恋人の新米弁護士ナイホァ(グオ・チーリン)を紹介。だがシャオバオは、スタントに入れ込むあまり母と離婚した父を受け入れられずにいた。

チートゥに惚れ込んだ大企業の総裁で馬好きのホー(ユー・ロングァン)が、チートゥを買い取りたいと申し出るがルオは請け合わない。昔ながらの体を張った危険なスタントに固執する父の姿に反発したシャオバオとも溝ができてしまう。結局は裁判で負け、チートゥをホーに譲る事になったルオ。シャオバオルオ。シャオバオは、仕事に命がけで挑むことで家族に愛を伝えようとする不器用な父の為に愛馬を返して欲しいとホーに懇願するが……。

監督・脚本:ラリー・ヤン
出演:ジャッキー・チェン リウ・ハオツン グオ・チーリン ユー・ロングァン アンディ・オン ジョイ・ヨン ユー・アイレイ シー・シンユー レイ・ロイ ウー・ジン

制作年: 2023