ジャッキーの魂は不滅!
「ジャッキー・チェンは終わった」――そういう意見があるのは分かっている。アクションの質と量は落ちているのは事実であるし(でも、もう70歳だよ!)、プライベートでの中国寄りの発言もいかがなものかと思う。最近の作品では日本では馴染みのない中国の若手俳優を立てていて、果たしてこれはジャッキー映画と言って良いのかと疑問に思うことも多々ある。
しかし、ジャッキーは終わっていない。それは新作『ライド・オン』を観れば分かる。僕たちが子供の時にジャッキーに夢中になっていたあの頃と変わらず、今でもジャッキーの魂は「良い映画を作りたい」という情熱を持っていることが分かるのだ。
愛する娘と相棒の馬をめぐるスタントマン物語
香港映画界で伝説のスタントマンとして尊敬を集めていたルオ・ジーロンも、怪我のせいで第一線からは外れ、今では友人から譲りうけた愛馬チートゥと共に撮影所の近くに住み、観光客を馬に乗せて小銭を稼ぐ日々を送っていた。
ところが、友人の債務問題の影響でチートゥが競売にかけられることになってしまい、名馬収集が趣味の富豪ホーがチートゥを譲り受けたいと申し入れてきた。
チートゥを守るため、離婚後に疎遠になっていた法科大に通う娘のシャオバオを頼るルオ。しかしシャオバオは、かつてスタントにのめり込むあまり家庭を崩壊させた父をいまだに許すことができず……。
『ライド・オン』
香港映画界伝説のスタントマンと言われたルオ・ジーロン(ジャッキー・チェン)はケガをきっかけに第一線を退き、現在は借金取りに追われながら中国の撮影所に住み込み、愛馬・チートゥとエキストラなどの地味な仕事をこなす日々を送っていた。ある日、チートウの元持ち主であった友人ワン(レイ・ロイ)の債務トラブルが原因で、チートゥが競売にかけられる危機に。困ったルオは疎遠になっていた一人娘のシャオバオ(リウ・ハオツン)を頼る事にする。法学部の学生であるシャオバオは、恋人の新米弁護士ナイホア(グオ・チーリン)を紹介。だがシャオバオは、スタントに入れ込むあまり母と離婚した父を受け入れられずにいた。チートウに惚れ込んだ大企業の総裁で馬好きのホー(ユー・ロングァン)が、チートゥを買い取りたいと申し出るがルオは請け合わない。昔ながらの体を張った危険なスタントに固執する姿に反発したシャオバオとも溝ができてしまう。結局は裁判で負け、チートウをホーに譲る事になったルオ。シャオバオは、仕事にも家族にも命をかけることでしか愛を伝えられない不器用な父の為に愛馬を返して欲しいとホーに懇願するが……。
監督・脚本:ラリー・ヤン
出演:ジャッキー・チェン リウ・ハオツン グオ・チーリン ユー・ロングァン アンディ・オン ジョイ・ヨン ユー・アイレイ シー・シンユー レイ・ロイ ウー・ジン
制作年: | 2023 |
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2024年5月31日(金)より全国公開