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昭和平成ゴジラ愛とオマージュ満載!『ゴジラxコング 新たなる帝国』新登場のエイプ怪獣エトセトラ&まさかの「DBZ」インスパイアほか超解説【後編】

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ライター:#ギンティ小林
昭和平成ゴジラ愛とオマージュ満載!『ゴジラxコング 新たなる帝国』新登場のエイプ怪獣エトセトラ&まさかの「DBZ」インスパイアほか超解説【後編】
『ゴジラxコング 新たなる帝国』©2024 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
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再び優れたネゴシエーターぶりを発揮するモスラ

ゴジラとコング、どちらかが死ぬまで終わることがない対決を収めた怪獣は、劇場公開日までその存在が伏せられていたモスラだった。『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)以来、二度目のモンスター・ヴァース作品登場となるモスラは、『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年)でキングギドラを倒すためゴジラとラドンと交渉したように、本作でも見事なネゴシエーターぶりを発揮する。

三大怪獣 地球最大の決戦

PrimeVideo『三大怪獣 地球最大の決戦』 TM & ©1964 TOHO CO., LTD.

 

コングとモスラは、1966年に企画された東宝怪獣映画『ロビンソン・クルーソー作戦:キングコング対エビラ』で共演するプランがあったが、企画が頓挫して実現には至らなかった。そして、ゴジラ誕生70周年の2024年に遂に共演! だがウィンガード監督は、この奇跡を実現させるためにも長い道のりがあったと語っている。

実はこの映画が動き出した頃、モスラを映画に出せるか決定していなかったんだ。だから、僕らは<フォスフェラ>というモスラに代わる新怪獣の案も考えていた。でも、最終的にモスラを登場させることができて良かったよ! ゴジラとコングの喧嘩を収めることができるのは、やっぱりモスラしかいないよね(笑)。

ちなみにフォスフェラは、本作の地下空洞世界シーンの壁画に描かれているので、興味のある方はリピート鑑賞時にチェックしてみてほしい。人型のボディに大きな翼と尾が生えた鳥人間チックな壁画がそれなので。

モスラ(1961)

PrimeVideo『モスラ(1961)』©東宝

格闘ゲーム「ゴジラ怪獣大乱闘」の影響

本作最大の見せ場といえば、遂にシリーズ初の本格タッグを組んだゴジラ&コングVSスカーキング&シーモ戦なのだが、モンスター・ヴァース映画史上最も登場怪獣の種類&数が多い本作には、他にもグッとくる怪獣バトルがある!

まずはコングVS本作初登場のヘビ型怪獣<ドラウンバイパー>戦。このゴリラ怪獣とヘビ型怪獣の戦いは、『キングコングの逆襲』(1967年)のコングVS大ウミヘビ戦にオマージュを捧げている。ちなみに『キングコング:髑髏島の巨神』のヴィラン怪獣も当初はスカル・クローラーではなく、『キングコングの逆襲』ファンへのサービスとして水中に棲む大蛇にするというプランもあった。

キングコングの逆襲

PrimeVideo『キングコングの逆襲』©東宝

 

そして先にも少し触れた、ゴジラVSヘビ型怪獣ティアマット戦も見逃せない。ティマットもドラウンバイパーと同じく映画初登場の怪獣だが、実は『ゴジラvsコング』公開前にリリースされた前日譚コミック「ゴジラ:ドミニオン」で初登場している(『ゴジラ キング・オブ・ザ・モンスターズ』[2019年]でもモナークのPCモニターに名前が出てきたが、登場には至らなかった)。こういうコミックのネタも回収するウィンガード監督の細やかなセンスは本当に素晴らしい。

ゴジラ:ドミニオン (LEGENDARY COMICS)

「ゴジラ:ドミニオン」(LEGENDARY COMICS)

 

本作での怪獣同士のバトルを描く際、ウィンガード監督は格闘ゲーム「ゴジラ怪獣大乱闘」シリーズを参考にしたという。モンスター・ヴァース作品のお約束のひとつといえば毎回、メイン・ヴィランが主役怪獣にブルータルきわまりないバイオレンスでトドメを刺されるところ! 今回、ゴジラ&コングVSスカーキング&シーモ戦にピリオドを打つフィニッシュ技を考える際、ウィンガード監督は残酷格闘ゲーム『モータルコンバット』で、フラフラになった相手のボディを後戻りできないくらい破壊するフェイタリティ(究極神拳)を参考にしたという!

『モータルコンバット』は僕の人生に、常にヒントを与えてくれるんだ!

素晴らしい! そういう感性のオーナーだからこそ、モンスター・ヴァース作品史上最も登場する怪獣の種類と数、そしてバトルの数も多いのに、上映時間が2時間以内(※115分)という怪獣映画ファンにはたまらない作品を作ることができるんですね! その感性を大事にして、ジェットジャガーとメカニコングが登場するまでモンスター・ヴァース作品を作り続けてほしい! と願ってやまない今日この頃である。

文:ギンティ小林

『ゴジラxコング 新たなる帝国』は全国公開中

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