NY帰還の『フローズン・サマー』は過去シリーズと何が違う?
最新作『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』は、フィービー(マッケナ・グレイス)、トレヴァー(フィン・ウォルフハード)、キャリー、そしてキャリーの新しいパートナーでフィービーたちの教師だったゲイリー、さらに兄妹の友達で前回の騒動に巻き込まれたラッキーやポッドキャストらがNYに移り住み、ゴーストバスターズとしての活動を再開している、というところから始まります。
このゴーストバスターズは旧ゴーストバスターズのメンバーであり、いまでは成功した資産家となったウィンストンのバックアップをうけています。受付嬢だったジャニーンも新ゴーストバスターズをサポート。さらにヴェンクマン博士は研究を続け、スタンツ博士は怪しげなオカルト書店を経営しています(いまだにマシュマロマンに憑りつかれている)。
一方、現在のNY市長ペッグは、役人だった1984年の時にヴェンクマン博士たちに恥をかかされて以来、ゴーストバスターズのことを恨んでいます。こうした状況の中、20世紀の初頭にNYに恐怖の現象を巻き起こした、暗黒神ガラッカが復活。ガラッカは恐怖の冷気を使う恐ろしい相手です。
前作『アフター・ライフ』も楽しい作品でしたが、やはりゴーストバスターズはNYにいるお化け退治という設定が秀逸。なので今回はホームタウンであるNYに戻ってきてくれたことが嬉しい。ただ初期2作との一番大きな違いは、主人公がフィービーだということです。
初代『ゴーストバスターズ』は大人向け“ビジネス・コメディ”だった?
もともと『ゴーストバスターズ』というのは、3人の科学者のかけあいが面白いのです。彼らは呪文とか魔法とかオカルト的な方法でゴーストたちを排除する訳ではない。幽霊たちを一種のエネルギー体とみなし、そのエネルギーを中和させることで閉じ込める/排除するという科学的な方法で立ち向かいます。こういうマニアックな設定や会話がおかしいし、見方をちょっと変えれば、奇妙なベンチャー企業の立ち上げを描くドタバタ劇でした。要は大人向けのビジネス・コメディだったのです。
それに対して『アフター・ライフ』『フローズン・サマー』は、ファミリーがテーマになっています(昨今のハリウッド映画の主流ですね)。特に今回は悩めるフィービーのやらかしが大騒動を巻き起こします。日本でいうと「学校の怪談」みたいなお話を、ティーンエージャーを主役に据えた感じと言えばいいでしょうか?
そして最新作でも相変わらず、登場するゴーストたちが愛らしい。僕の好きなレギュラーメンバー(?)のスライマー=緑色の大食いお化けも大活躍です。
『#ゴーストバスターズ
— ゴーストバスターズ 公式 (@Ghostbusters_JP) March 16, 2024
/フローズン・サマー』
🚫ゴーストファイル❷
👻スライマー
スライムのような緑色の体を持つ、
食いしん坊な食欲オバケ❗️🍴
☀️𝟑.𝟐𝟗 𝐅𝐑𝐈 𝑹𝒐𝒂𝒅𝒔𝒉𝒐𝒘❄️ pic.twitter.com/oYZeGtBtgL
また、記念すべき第一号ゴーストである“図書館の女性”が40年の時を経て復活。新お化けでは、ポゼッサーが笑わせてくれます。姿・形がないのにキャラが立っています(笑)。そんな『フローズン・サマー』は、春休みに楽しむのにピッタリのエンターテインメントです。
なお1作目の『ゴーストバスターズ』は、日本では12月公開。要は冬休み映画だったんですが、この時『グレムリン』と『ゴジラ(1984)』 が公開され、興行界では<3G決戦>と言われていたのです。『ゴジラ-1.0』のアカデミー賞で沸き、もうすぐ『ゴジラ×コング 新たなる帝国』の公開が迫るゴジラ・ブームの中、『ゴーストバスターズ』の新作が封切られるというのも何かの縁ですね。
文:杉山すぴ豊
『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』は2024年3月29日(金)より全国公開
『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』
太陽が降り注ぐ真夏のニューヨーク。
謎の男によって街角のオカルト鑑定店へ持ち込まれた、先祖代々伝わるという骨董品。ゴースト退治のプロである”ゴーストバスターズ”として活動するスペングラー家は、ゴースト研究所の調査チームと協力し、その正体が全てを一瞬で凍らせる史上最強ゴースト<ガラッカ>を封印する”ゴーストオーブ”であることを突き止める。しかし、手下のゴーストたちの策略によってガラッカが封印から解き放たれてしまう。
氷のパワーでニューヨーク中を襲うガラッカ。人々が海水浴を楽しむビーチにも、突如として巨大な氷柱が大量出現!悲鳴を上げながら逃げ惑う人々をよそにその勢いはとどまらず、ニューヨークの街は氷河期さながらの氷の世界に―。
果たして、ガラッカの真の目的とは何なのか。謎の男とは一体何者なのか。
そして、ゴーストバスターズはゴーストたちに奪われた夏を取り戻し、ニューヨーク、そして世界を救うことができるのか――。
監督:ギル・キーナン
脚本:ジェイソン・ライトマン&ギル・キーナン
出演::ポール・ラッド キャリー・クーン フィン・ウルフハード マッケナ・グレイス
クメイル・ナンジアニ セレステ・オコナー ローガン・キム
ビル・マーレイ ダン・エイクロイド アーニー・ハドソン アニー・ポッツ
制作年: | 2024 |
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2024年3月29日(金)より全国公開