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2017年、悪夢の夏
2017年7月にゾンビ映画の祖ジョージ・A・ロメロが亡くなり、翌月にはホラー映画の巨匠トビー・フーパーも亡くなってしまった。2017年の夏は、ロメロの死で始まりフーパーの死で終わる、まさに悪夢の夏だった。
そんなフーパーを語るには欠かせない、彼の最高傑作にしてホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ[公開40周年記念版]』が現在、CS映画専門チャンネル ムービープラスで放送されているので紹介しよう(※オリジナルフィルムから映像をリマスターし音声をステレオ化したバージョン。『悪いけ』は1974年の公開から今年で50周年)。
辺鄙な田舎町、不気味な屋敷、人の皮の仮面を被った殺人鬼……
――1973年8月18日、テキサス州のニートという町の郊外の墓地で、墓が荒らされ、遺体が冒涜される事件が起きた。フランクリン(ポール・A・バーテイン)とサリー(マリリン・バーンズ)の兄妹、ジェリー(アレン・ダンジガー)、カーク(ウィリアム・ヴェイル)、パム(テリー・マクミン)の5人は、旅の途中でフランクリンとサリーの祖父の墓地に立ち寄り、墓が荒らされていないことを確かめる。
古い食肉処理場の前で乗せたヒッチハイカーの男(エド・ニール)は、家族が処理場で働いていたと言い、勝手にポラロイド写真を撮って売りつけようとし、断ると逆上してナイフで切りつけてきた。男を追い出した5人は、給油のためにガソリンスタンドに立ち寄るが、店主(ジム・シードウ)はガソリン切れだと言う。そしてフランクは、荒れ果てた屋敷で骨と羽で出来た不気味なオブジェを発見する。
一方、川に泳ぎに行ったカークとパムは、発電機を動かしている家を見つけ、ガソリンを分けてもらおうと訪ねていく。だが、壁いっぱいに牛の頭蓋骨が飾られたその家には、人の皮の仮面を被った殺人鬼レザーフェイス(ガンナー・ハンセン)が住んでいた……。
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