「『悪魔の毒々モンスター 東京へ行く』の撮影で東京の街を歩き回った」
―久しぶりの日本映画への出演でしたが、感想は?
そうだね、最後に日本の映画に出たのはかなり前だったなぁ。黒澤明監督の『蜘蛛巣城』で小さい役を演じて以来だよ(!!??)。トロマのファンたち、そして宇賀那監督のファンたちと一緒に、こうした“スバラシイ・エイガ(subarashii eiga)”を劇場で観られることは喜ばしいことだよ。
―なぜカメオ出演に熱心なのですか?
ジェームズ・ガンの作品から、自分が飼っている小さなハムスターについての作品まで、僕が多くのカメオ出演をしてきた理由は、僕の自己顕示欲がもの凄く強いからだ! つまり……いや、待って。違う違う! そうじゃなかった! 僕は若い映画製作者たちの手助けをしたいんだよ。ジェームズ・ガンについてはよく分からないけど……。でも僕が彼らの映画に出演することでDVDはもっと売れるようになるし、トロマのファンたちも彼らを応援するようになるからだよ。
In Guardians of the Galaxy, Lloyd Kaufman, head of Troma, had a cameo. James Gunn's first movie job was on Troma's Tromeo & Juliet pic.twitter.com/Vf6LTrpnS7
— Hidden Movie Details (@moviedetail) October 2, 2019
―「Troma Now」(※日本でも観ることができるトロマ映画のサブスクサービス)に日本語字幕を追加する予定はありますか?
ぜひ日本語字幕をつけたいと思っているよ。「Troma Now」はまだ新しいけど話題の配信プラットフォームで、既に1000以上作品があるし、今後も増やしていく予定だ。アメリカで最も重要な独立系のプラットフォームとも言える。僕と一緒に『悪魔の毒々モンスター』(1984年)や数々の最高のトロマ映画を監督したマイケル・ハーツ(※トロマ・エンターテインメント共同設立者)も日本語字幕を追加したいと考えているよ。実現出来るかは分からないけど、僕たちにとっての野望の一つだ!
「トロマ映画を全て観れば、アメリカ史に詳しくなれる」
―トロマ作品の選定基準はなんですか?
アメリカの歴史を通底するようなテーマを含んでいるか否かだ。50年間にわたるトロマ映画の歴史を振り返ると、例えば『悪魔の毒々モンスター』ではアメリカにおいて重要な環境問題を含んでいるし、シリーズ四作目の『悪魔の毒々モンスター 新世紀絶叫バトル』(2000年)では中絶の問題を扱っている。この50年の間に作られたトロマ映画を全て観れば、アメリカ史にかなり詳しくなれるはずだ。でも残念ながら、戦争、望まない妊娠、学生の銃乱射事件といった、僕らがトロマ作品で取り上げてきたテーマは今もなおアメリカの社会問題であり続けているよね。
―また日本を訪れる予定はありますか?
もちろん、日本にはまた行きたいと思っているよ。日本が大好きだから。マイケル・ハーツと僕は『悪魔の毒々モンスター 東京へ行く』(1988年)を東京で撮影して、その時に街を歩き回ったんだ。楽しかったよ! 日本にいる友人たちに会うためにも、また行きたいと思っているけど……航空券が凄く高いし、何かしらでお金を稼がないと。トロマはとても貧乏だからさ!
相変わらず自社と映画愛にあふれる御大。この機会に再度宇賀那監督と二人で、またぶっ飛んだ作品を作ってほしいなあ……。
『悪魔がはらわたでいけにえで私』は2024年2月23日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、シネマート新宿ほか全国公開中