カンヌ&オスカーW受賞なるか?『落下の解剖学』
本国フランスで動員130万人超えの大ヒットを記録した、ジュスティーヌ・トリエ監督によるヒューマン・サスペンス『落下の解剖学』が、2024年2月23日(金)より全国公開となる。
トリエ監督は長編映画4作目となる本作でカンヌ国際映画祭の最高賞<パルム・ドール>を獲得し、初となるゴールデングローブ賞も受賞。トリエ監督&アルチュール・アラリの脚本賞と、非英語作品賞の2部門に輝いた。
そして第96回アカデミー賞ではザンドラ・ヒュラーの主演女優賞のほか作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞の5部門にノミネートされており、パルム・ドールとアカデミー作品賞のW受賞にも期待がかかる。
事故か、自殺か、突き落とされたか――
人里離れた雪山の山荘で、サミュエルという男性が転落死した。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)に殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子ダニエルだけ。しかも事件の真相を追っていく中で、夫婦の秘密や嘘が次々と暴露されて……。
ヒュラー演じる妻サンドラはドイツ人で、夫の故郷であるフランスでの生活に馴染めていない。だが、彼女は登場するなり観客の違和感を呼び起こすようなオーラを纏っていて、ああ、この映画は面白いぞ……と一発で魅了してくれる。そもそも完全にヒュラーありきで物語が回っていくあたり、アカデミー賞主演女優賞ノミネートも納得だ。
当然ながらそのサンドラが第一容疑者になるわけだが、弁護士ヴァンサン(スワン・アルロー)が言うように、重要なのは「真実」ではなく「どう見えるか」である。とはいえヒュラーはサンドラを典型的なファム・ファタル的には演じず、観客はセリフや表情の端々に宿った“何か”を凝視していくことになる。
『落下の解剖学』
人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラに殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子だけ。事件の真相を追っていく中で、夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ〈真実〉が現れるが――
監督:ジュスティーヌ・トリエ
脚本:ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ
出演:ザンドラ・ヒュラー スワン・アルロー ミロ・マシャド・グラネール アントワーヌ・レナルツ
制作年: | 2023 |
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2024年2月23日(金・祝)より全国公開